黒滝山
くろたきさん
870m

南牧村
クリックで拡大 →
関東の高野山とも呼ばれた黒滝山不動寺。寺の背後には月西岩・星中岩・日東岩の岩峰がある。最初に訪れた時には月西岩の上に黒滝山の山頂標識があったが、今は撤去され石祠と大天狗・小天狗の石碑が置かれているだけだ。本来、黒滝山とは山岳信仰の霊場としての不動寺と馬の背・観音岩・九十九谷・鷹ノ巣山・幕岩などを総称して呼ばれる五老峰を含めた山全体の呼び名である。
登 山 日 2024年3月4日(晴れ)2001年12月20日の記録
メンバー しんぷる
行  程 黒滝山登山口駐車場13:03…13:05黒滝山登山口…13:20林道別れ…13:32黒滝山不動寺分岐…13:40黒滝山取付…13:53▲黒滝山…14:04登山道戻り…14:13△旧黒滝山…14:17馬の背分岐…14:42見晴台…14:53△観音岩15:00…15:22△鷹ノ巣山…15:37九十九谷登山口…15:38登山口駐車場
yamap ルートマップ
今回は上底瀬からの周回コースを取る。立派な駐車場が整備されているが車は一台もない。平日でもあり、また登山の時季でもないので仕方ないところか。車道を上がっていくとわずかで案内板があった。舗装路を行くと養豚場があり久しぶりに生きた豚を見た。可愛らしさを感じるがやはり臭い。養豚場の悪臭が鼻を衝く。道脇には廃タイヤやナンバーのない車が置かれゴミ捨て場のようだ。

上底瀬から見上げる九十九谷の岩峰群

登山口分岐?まで
やがて道は未舗装となり重機によって林道の敷設工事が行われている。工事現場で休憩している人に道を尋ねると、「山のことはわからないけど、この道はすぐ先で行き止まりになる。この上にお寺だか神社だかある。柵が見えるだろ。」確かに馬の背のものと思われる鉄柵が見える。道脇には登山道らしき道が付けられていてピンテが付いている。間違いないだろう。軽く礼を述べて脇道を入った。

林道敷設工事中 ここからピンテで登山道に入る

急登を終えると緩やかに
やはり登山道は林道敷設工事によって遮断されてしまったようで、直ぐに従来の登山道に合流した。合流さえすればのんびりと歩いていくだけだ。昔の面影を残す石垣を眺めながら歩いていくと黒滝山不動寺の道標がある。だいぶ暖かくなってきた。

石積みがある 何に使われたのか

道標が出てきた

不動寺への分岐 荒船山方面に向かう

赤ペンキを見て黒滝山に取り付く
不動寺への分岐に立つ。道標には荒船山とある。かつて荒船経塚山から毛無岩、トヤ山などを経由してここ黒滝山に続く遊歩道があったらしいが、今は一部を除いて廃道になってしまったようだ。南牧村と下仁田町の境界線の稜線にあたる。歩いてみたいなあ。

杉の林を行くと黒瀧山870m

展望もなく下る
荒船山方面に歩いていく。直ぐに目の前に小ピークが目につくが、且つて黒滝山頂標識が付けられていた場所だ。帰りに寄ってみよう。北斜面に入ると少し積雪がある。YAMAP地図を見ながら破線の取り付きを探す。杉に赤ペンキが付いているが、それ以外にも付けられているので間違いなさそうだと入り込む。細いながらも道型はあり、赤ペンキを追って歩いていくと黒瀧山870mとある山頂に着いた。ここは地形図に表記がある場所である。展望もなく何の感動もないので急いで下ることにする。再び赤ペンキとピンテを頼りに雪道を降りていく。

旧黒滝山に置かれる石祠と石碑(大天狗・小天狗)

さっき上った黒滝山かな
一般道に出ると、ここからトヤ山に行ったことが思い出された。さあ、むかし山頂道標が置かれていたピークに急ぐ。山頂道標はすでになく石祠と石碑だけが置かれていた。地形を見るとどうやらここは西月岩の上だと思われる。山頂はここが相応しい気がするな。

馬の背に入っていく

梯子 大丈夫かな
さて本来の山歩きに戻ろう。黒滝山の山歩きは不動寺と五老峰を巡る山旅だろう。ここから馬の背の道標に従って歩いていく。雪は心配なさそうだ。すぐに両側が切れ落ちた馬の背渡りになる。むかし修行が行われていたという荒々しい岩場は、今では鉄梯子や鎖、両側にロープが張られ安全性はある程度確保されてはいるが目が回るようだ。両側が切れ落ちているせいで恐怖を覚える。

怖そうだ

痩せた岩峰が続く
長いなあ。恐怖に打ち勝つ修行かあ。落ちればまあ命はないだろうから慎重にも慎重に歩いていく。梯子が外れたら一巻の終わりだなと思いながらゆっくりと上がっていく。あまり景色を眺める余裕はない。ほぼ垂直に近い梯子にはスリルを飛び越して恐怖心が湧き上がってきた。一段一段しがみつく様に登り上げると、登り上げた先の岩に雪が付いている。やばい、やばいぞ。戻ろうかなとも思ったが戻るにも自信がない。雪をどけて鎖を確認し「やばい!やばい!」と大声をあげて鎖にしがみつく。腹ばいになって登り上げるとようやく生きた心地がした。ここから先は対して危険個所はなかった。赤い屋根の不動寺とその背後の岩峰群がの展望を楽しんだ。

ほぼ垂直の長い鉄梯子 怖いよ~

不動寺の赤い屋根 鹿岳・四ッ又山

馬の背を抜けて安心感漂う

見晴台に行ってみる
緩やかな稜線を行くと見晴台の標識。すぐそこなので行ってみよう。尖った岩が屹立している。途中に石祠が置かれているがその先は危険そう。頂上にはトンビの類が止まっていたが撮ろうと準備を始めたら飛び立ってしまった。さて戻って観音岩を目指そう。

見晴台 眼下には九十九谷を見下ろせる

戻って観音岩へ 雪がある

観音岩 展望良し!

観音岩には石仏が沢山ある
観音岩方面へは北斜面になるので積雪があった。油断して滑り止めを持ってきていないので嫌だなと思ったが、積雪の細い道には虎縄が付けられていて安心して歩くことができた。北斜面を抜ければ雪はなく観音岩への分岐を入って無事に大展望の観音岩に着いた。むかしここで撮ってもらった写真が残っている。あのときはあまり恐怖心を感じなかった気がするが気のせいかな。

道標に従って

九十九谷を下る 南斜面で雪なし

登山道から九十九谷の岩峰を見下ろす

鷹ノ巣山を往復して上底瀬へ下る
分岐に戻って九十九谷方面に下る。右側が切れ落ちた岩場の下りは九十九谷の景観を眺めるにはとてもいい。この山の魅力はやはり山一帯の岩峰群にあるのだから。岩を楽しく下っていくと鷹ノ巣山への分岐だ。見上げると低木の中で展望は期待できそうもない。止めようと下り始めたが、やっぱり登っておこうと山頂へ。展望は南側が開けているだけだった。

鷹ノ巣山

展望は南に開けている

九十九谷登山口に降りた

駐車場は直ぐ近く
九十九谷登山口までの急坂を下っていく。登山口に降り立つとそこには道祖神が祀られていた。身の安全を守ってくれたの違いない。

inserted by FC2 system