2017年10月25日
山旅雨の一日

ケアンズ旅行のライフを送り出して長野県飯田市に向けてのんびりと車を走らせる。職場を替えてから始めての六連休、リフレッシュ休暇だ。定年まで残すところ一年半。これが最初で最後だろう。

R145を行く。吾妻峡まで来ると紅葉がいい感じだ。毎日、職場と家を行ったり来たりで、里の紅葉が始まっているなんてわからなかった 。嬬恋から鹿沢温泉を抜け地蔵峠に向かう。素晴らしい紅葉で一人で観るには勿体ないくらいだ。峠に近付けばカラマツの黄葉が美しい。ス ノーシーズン前の湯の丸スキー場は静けさが漂っている。ザックを背にした登山者が下ってきた。湯の丸山か烏帽子岳か、いずれにしろ良い 天気でよかった。

東御から立科へ、そして新和田トンネルを抜け岡谷ICへと出る。ここまでずっとユーミンの曲を聴いてきた。僕の青春時代を彩ってくれた曲達。一人で聴けば若かった頃の記憶がよみがえる。音楽シーンではフォークソングやニューミュージックと呼ばれた時代だ。
<踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら 踊らにゃ損々>
いつも見ているだけの青春だった気がする。悔いは残るが、今の自分に悔いはない。良き妻にも恵まれたし、子育ても失敗していないと思う。

岡谷からは高速道路を利用して飯田市へと。明日の天気予報は残念なことに曇りから雨に悪化。予報が良い方に外れることを期待して月岡温泉に向かう。明日登る予定の恵那山は、山頂からの展望があまりないということなので、雨さえ降らなければいいのだが。「月岡温泉湯元 湯〜眠」で温泉に浸かり、夕食を摂る。駐車場での車中泊なので出来るだけ時間を稼ぎ11時前に車に戻り寝袋に入った。

時々目が覚めたが、まあ眠れたほうだろう。明け方近くになって予報通り雨が降り出した。降りは強い。近くのすき家に入って320円の朝定食。他の客も同じような食事をしている。さて、今日はどうしようか。食事を済ませて駐車場で行動予定を思案していると少し小降りになってきた。時間はあるし、恵那山の広河原登山口まで下見に行ってみるか。昨日、息子に言われた「観光しないの?」の言葉が気にかかる。

不安な林道を登山口へ。駐車場には3台の車。1台は盛岡からで準備をしているところだ。「これからですか?」と声を掛けると、「遠くから来ているのでね。諦められないよ。」と傘をさして歩いて行った。再び雨脚が強くなってきたので帰ろうとすると、近くの宿のマイクロバスがやってきて団体客を乗せてきた。こんな雨の日に…。里は明るくなっても山は雨とガスの中だろう。百名山登山は簡単には中止できないのかな。まして団体となれば尚更か。何のために登るのだろう、登ったことが大事なのかな。雨の日の登山はやはり不自然だ。またの機会にして今夜の宿に向かうことにしよう。

歳をとったせいか生きた証を何か残したいなと思っている。それは何なのか、山のホームページはその一つ。やがては古びた記録となり誰にも見向きもされなくなるだろうが、今僕がある意味生きがいを持って行っていること。子や孫に理解、共有してもらえばいいと思っている。今の目標は百名山踏破だ。何か目標を持たないと漫然と流されてしまう気がする。

恵那山登山口から戻り、飯田市の元善光寺に寄ってみることにした。こじんまりとしたお寺で長野善光寺程の賑わいはない。それでも訪れる参拝客は多いようだ。お戒壇巡りは無料だったので、真暗闇の中を手さぐりでお参りをしてきた。その後、一般道を走って諏訪湖まで。気になっていた国指定重要文化財【片倉館】の日帰り天然温泉・千人風呂に寄ってみた。どんなに大きいのかと思いきやホテルの大浴場並みか。雨でもあり、他に寄るところも思い浮かばなかったので予約のホテルにチェックイン。この記録を書いた。

以下、wikipediaより
元善光寺(もとぜんこうじ)は長野県飯田市座光寺にある寺。山号は定額山。元善光寺と名付けられる前は坐光寺(ざこうじ)と呼ばれており、現在も座光寺(読み同じ)として地名にその名を残す。本尊は善光寺如来。
沿革
古くはこの地を麻績の里(おみのさと)と呼んだ。推古天皇10年(602年)にこの地の住人本多(本田)善光が、難波の堀江(現在の大阪市)で一光三尊(善光寺如来)の本尊を見つけて持ち帰り、麻績の里の自宅の臼の上に安置したところ、臼が燦然と光を放ったことからここを「坐光寺」としたとされる。
その後、皇極天皇元年(642年)、勅命により本尊は芋井の里(現在の長野県長野市)へ遷座され、この寺が善光の名をとって善光寺と名付けられたことから、坐光寺は元善光寺と呼ばれるようになった。遷座された本尊の代わりに勅命によって木彫りの本尊が残され、また「毎月半ば十五日間は必ずこの故里(飯田)に帰りきて衆生を化益せん」という仏勅(お告げ)が残されたことで、「善光寺と元善光寺と両方にお詣りしなければ片詣り」といわれている。

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