2005年3月11日
山は逃げない

 山は逃げない。ずっとそこにある…。

黒滝山から西上州の山並み 中学校3年の長男が部活を中心に最後の夏休みを終え、人生最初の岐路である高校受験を目前にしていた。自宅から徒歩わずかのところに私の母校でもある進学校がある。彼の目標は親と違わずにいたが、成績では微妙な位置にいた。妻の頼みもあって受験まで面倒をみる羽目になってしまった。当然土日も潰れることになり、山歩きの回数はめっきりと減った。結局11月の妙義山を最後に山歩きは一休みとなった。

 そんな折、我が身に突然職場異動の話がきた。しかも自分の職能とは異なる位置であった。新しい職場の環境作り等で気持ちに余裕がなくなった。

 年が明け、長男は長男なりに勉強を続けていた。私はというと理念のない利益中心の職場運営に嫌気がさしていた。辞表を出し転職することにした。2月を迎え二人とも正念場を迎えていた。一足先に長男が受験を迎え、見事に前期試験で志望校に合格した。幸いにも、私もやや遅れたが新しい職場に採用が決定となった。

 ようやく春を迎える。
この冬は雪の多い年で、庭先や屋根に残る雪をみると山への気持ちが萎えることしきりだった。

 ようやく暖かい春を迎える。
長男には高校では山岳部に入れ、と言っているがその気はないらしい。彼は彼なりに真面目にやっていけばいい。娘も充実した学生生活を送っているようで安心だ。

 周りを見渡せば、いつもと同じ山並みが続いている。何も変わらずに赤城山は南方に見えるし、上州三峰山が北の窓から、子持山が南の窓から誘っている。
さて、山歩きを再開するとしよう。新たなる目標を定めて…。

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