2004年9月29日
温泉問題

草津白根山 白骨温泉の入浴剤投入問題に端を発し、日本全国の温泉場で温泉品質調査が行われている。その中には、沸かした水道水や湧水を温泉と称して提供し消費者を騙していたものもある。全く以てひどい話である。

 温泉法では源泉成分の表示が義務付けられている。各施設にはそれぞれ成分表が掲示されているが、それは必ずしもその浴槽での成分表示ではないことを知るべきだ。もちろん源泉掛け流しであるならば問題はない。温泉法上では加水・加温・塩素消毒のための薬剤投入は認められているので、浴槽の湯が源泉そのものでなければ温泉ではないと言うことにはならない。要するに温泉の不適正表示がされていたかどうかが問題なのだ。

 実際全国で掛け流しの温泉場が何ヶ所あるだろうか。群馬県内でみてもおそらく草津温泉、四万温泉、万座温泉が循環なしの掛け流しに耐えうる湯量を誇る程度だろう。もっとも源泉を利用する施設の数にもよるのだろうが…。群馬県内には至る所に温泉が湧出し、まさに温泉県といったところだ。

 お気に入りの温泉地はいくつかあるが、温泉が掛け流しで浴槽からあふれ出ているものだと非常な満足感を覚える。「うーん、本物ね。」と。まあ泉質は二の次。浴槽から溢れていないと「うん、循環式ね。多少塩素臭がするけど仕方ないか。」ということになる。まあ、何れにしろ日本人。温泉に限らず風呂が好きなわけです、はい。

 9月1日夜に浅間山が中規模の噴火を起こし、沼田周辺にも火山灰が降った。その後も度々噴火を起こしている。最後の夏休み、天気がもつようなら芳ヶ平を散策し、帰りに草津温泉にでも寄ろうと出かけた。ところが台風の影響で雨は本降りとなり、湯畑周辺を散策して大滝乃湯に入って帰ろうということになった。露天場から合わせ湯に入り、ふと左腕を見ると何やら泥で汚れている。屋根を伝わった雨水が汚れていたのかと思い洗い流してから浴槽につかった。休憩所で台風情報を見ながら過ごしていると、「浅間山噴火に伴う降灰により露天風呂を清掃いたします。」との館内放送が入った。駐車場に戻り愛車を見ると砂を撒いたようだ。ワイパーを作動させるのも憚られるような状態だった。は〜ん、そうか。体が汚れていたのは浅間山の降灰だったわけである。

 山歩きと温泉の組み合わせは捨てがたいものである。夏には大汗をかいた後、秋には紅葉を見ながら、冬には冷えた体を温めながらと、楽しみは尽きない。つくづく日本人で良かったと思うのである。

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