2003年8月16日
初めての谷川岳

 40才を前にどんな心境の変化があったのかわからないが、谷川岳に登ってみたいと思っていた。知人に尋ねると、ロープウェイで天神平まで上がり天神尾根を登れば大したことはないということだった。その話でろくな下調べもせずにお気軽な考えで実行に移した。登山道具は何ももっておらず、普段履き慣れた靴というだけに注意して、コンビニでおにぎりと500mLのペットボトルを各自1本買い求めて家族4人で登り始めた。

 肩の小屋の手前には雪渓が残っていた事から、おそらく6月だったのだろう。天神平からは目指す谷川岳が大きく見えた。およそ2時間半くらいの道のりである。熊穴沢の避難小屋までは日陰が多く比較的歩きやすかったと思う。初心者としては歩行ペースに無理がなかったのかあまり疲れずに到着出来た。十分な休憩を取って再び歩き出した。避難小屋から道半ばで子供達が根を上げだした。それもそのはずだ。親にだまされたような形で連れてこられて歩かされているのである。当然山の楽しさも知らず、展望に感激する年でもないのだ。2人ともまだ小学生である。

 確かに谷川岳はまだ遠くそして高く目の前に立ちはだかっていた。既に半分以上登ってきているからもうちょっと頑張ろうと言って歩かせた。私自身萎えそうな気持ちだったし、これを最初で最後にしたいとの気持ちになっていた。出直して来るなど2度とご免だったからだ。

 それでも徐々に山頂に近づくにつれ子供達に元気が出てきた。肩の小屋下の雪渓の登りではステップが切ってあるところを順番を待って上った。そしてとうとう肩の小屋に着いた。

 山頂はひと登りの所にあった。多くのハイカーでごった返していた。肩の小屋の広場に戻り昼食とした。やっとの思いで歩いてきた天神尾根を眺めながら、なにかとても清々しい気持ちになっていた。そして幾分心が高揚しているのを感じていた。

 それから間もなくして、山と渓谷社の分県登山ガイド「群馬県の山」を買い求めた。私にとって初めてのガイドブックである。

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