2003年8月10日
環境保全協力金盗難について

 先日、新聞に尾瀬の山ノ鼻と竜宮の男子公衆トイレに設置してある募金箱から、環境保全協力金が盗まれていたとの記事が載っていた。この協力金は主にトイレの維持管理などに当てられる浄財である。全く持って情けない話である。山を愛し自然を愛する者の一人として何ともいたたまれない気持ちになった。尾瀬は確かに観光地化され必ずしも山好きな人ばかりが訪れる場所ではなくなった。今回盗難にあった金額は2万円に満たないと推定されているようだが、1回100円程度の協力金も年間となると1千万円程度になるそうだ。少なからず環境保全の一助にはなっているようだ。

この募金箱はあくまでも入山者が自然環境保全のための意識を新たにし、気持ちよく散策や登山を楽しんでもらうための啓発にその主眼をおいているものと考えていた。私自身山に金を持っていく習慣がなくトイレに入って募金箱を見る度に「しまった、小銭くらい用意していなければ。」と、何か後ろめたさを感じながら出てくる事も少なからずあった。

全く関係のない話だが、日本には山岳信仰の山が多く山頂には祠が置かれ、その前にはきまって1円から10円玉の賽銭があがっている。やはりそうしたものを見たときに「しまった」と思ってしまうのである。別に賽銭をあげなくても手でも合わせて登山の無事でも祈願すれば良いのである。その地域地域の信仰についてはいちいち知っているわけもなく何の御利益があるのかは解らないが、何故か「しまった」と思ってしまうのである。そんな事を度々繰り返している私自身、学習能力がないようである。

この春に登った栗生山では山頂付近に、何と赤ちゃん用の紙オムツが丸めて捨てられていた。おそらく若い夫婦が赤ん坊を背負って登ってきた後、オムツを替え捨てていったと思われる。一体どうして?自身が山でそんなものを見せられても何とも思わないのだろうか。これには驚きを禁じ得なかった。昨今、身勝手な行動や犯罪がメディアを通じて毎日のように報道されている。何とも嘆かわしい世の中になったものである。常識とか道徳とかは一体何処に行ってしまったのだろうか。

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