至仏山
しぶつさん
2,228m

尾瀬
片品村・みなかみ町
登 山 日 2023年07月06日(晴れ)
メンバー しんぷる
行  程 鳩待峠07:37…08:33至仏山荘…08:35山ノ鼻…10:50高天ヶ原…11:40▲至仏山11:50…12:21小至仏山…12:44笠ヶ岳分岐…12:48オヤマ沢田代…13:04原見岩…13:41鳩待峠
yamap ルートマップ 山行写真集
7月に入って至仏山登山道が解放された。至仏山には大分御無沙汰しているはずだと思っていたが一昨年に同じコースで歩いている。記憶なんていい加減なものだ。これは認知症とは違うものと思うけどちょっと心配になる。平日のためか尾瀬戸倉駐車場は空いている。最後の乗客となってバスは鳩待峠に向かう。すれ違うタクシーもなく登山者が少ないことを予感させる。案の定、鳩待峠には人影もまばら。靴底を擦って山の鼻に下っていくが、少ないバスの乗客は誰も山の鼻には向かわないようだ。

鳩待峠 標高1591m

金平糖じゃないか ヤグルマソウ

いつ付けられたのか

白山シャクナゲが満開
緑深い林の中は昨夜降ったであろう雨の余韻を残している。濡れた木道は滑りやすい。転んで怪我でもしたら大変、用心して下っていく。前後にはハイカーの姿は見えない。雪解けが早かった今年は、水芭蕉も花期をとうに過ぎ、ニッコウキスゲは咲き始めたばかり。

シラカバと青空

熊避けの鐘も設置されてる

水芭蕉は葉だけが残る

オオレイジンソウだとか
バスの乗車前には曇っていた空は徐々に青空が広がりだした。予報通りに晴れて暑くなるに違いない。道脇にはカラマツソウの類の白花が目立っている。特にモミジカラマツが多いようだ。

今も整備してくれている

もう直ぐ山の鼻

巨木 いいかんじ

山の鼻に着いた
気分が盛り上がってくる中、山の鼻に着いた。やはり人影はまばらだ。ビジターセンターに立ち寄って開花状況を確認してみる。ついでに花の名前を覚えておこうという魂胆だ。山の鼻は緑一面で花の姿は少ない。さあ至仏山に向かおう。

青空が広がっている

植物園のサワラン

登山道に入ってダイモンジソウ

ウラジロヨウラクが可憐
研究見本園は、ツキノワグマが水芭蕉の花穂を食した跡が発見されたことで、7/2から当面の間閉鎖されてしまっていた。登山者は注意して通行するようにとのことだ。見通しは良く、熊はいないようなので食害避けのゲートを開けて中に入る。見本園は緑一色だが赤いサワランが所どころに咲いている。めったに見られない花なので嬉しくなった。

イワシモツケが沢山咲いている

ベニサラサドウダンも多い

燧ヶ岳が見えてきた

ハナニガナも点々と咲いている
見本園を抜けて登山道へと入っていく。登山道は降った雨が川となって流れていく様な道で歩き易いとは言えない。木道や階段も老朽化し、今まで歩いてきた遊歩道の様にはいかない。山頂近くまではほぼ直登が続く辛い道だ。でもありがたいことにベニサラサドウダンやダイモンジソウが出迎えてくれた。やがてイワシモツケやハナニガナなども登山道脇にずっと咲いていてくれる。

稜線が見えてきた

尾瀬ヶ原 歩いている人の姿は見えない

ジョウシュウアズマギク

ミヤマシオガマも沢山
至仏山は花の種類はさることながら花数も多いのが特徴的かもしれない。時折吹いてくる風が心地よい。やがて森林限界を知らせる案内板を見る。標高1650M位だろうか。それからわずかに低木帯を歩くとそれからも解放され展望が広がった。

疲れるので振り返って一休み

頂上は近いかな
振り返れば尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が良く見える。吹き抜ける風が心地良い。日照りは強いが思ったほど暑くはないようだ。足場は蛇紋岩となり、靴底を濡らせばツルッと滑って危険極まりない。この登山道を上り専用にしたのは植生保護だけでなく、歩行の安全面を考えれば正しいかもしれない。急登に疲れて足が上がらなくなるが、花の写真を撮るのにはちょうどいいかも。

チングルマも沢山

雪割草も沢山
次から次へと新しい高山植物と出合える。特に目新しいものはないけれど期待通りの花はな花だ。傾斜がいくらか緩み呼吸も楽になってくると山頂に着いた。登山者の数は少ない。遠望はいつの間にかうっすらと出たガスなのか、それとも大量に発生した水蒸気のせいなのかくっきりとはしていない。もうすこしくっきりと見えると思っていたのになあ。とにかく腰を下ろす。

蛇紋岩の岩稜帯かな

山頂に着いた 二等三角点が置かれる

岩の景色がいい感じだ

山頂標 平成2年設置とある
疲れた。至仏山の上りは西黒尾根よりも辛い気がした。よく滑る蛇紋岩が原因かもしれないな。ズルッと滑ると一気に疲れが出る。疲れを我慢させてくれるのはやはり花なんだろうな。見慣れている花ばかりだけれど元気の源だ。別品さんを見ると嬉しくなる。

ホソバヒナウスユキソウが

ジョウシュウキバナノコマノツメ

小至仏山と尾瀬笠ヶ岳

小至仏山から至仏山を振り返る
さあ鳩待峠に下ろう。小至仏山までは蛇紋岩の岩場が続く道で大変歩き難いが花は豊富だ。ホソバヒナウスユキソウやキバナノコマノツメが多いなあ。小至仏山からの下りに入るとチングルマやハクサンイチゲ等のお花畑となる。近くにはベンチも置かれ展望にも優れる。一番うれしいのはシナノキンバイが見られることかな。コバイケイソウなども見られるようになって役者がそろった感がある。

チングルマの群生

ミヤマキンバイ ズーム

樹林帯はもう直ぐ

笠ヶ岳分岐
ワタスゲやタテヤマリンドウを見ながらオヤマ沢田代を抜ければ樹林帯となる。登山道は原見岩までは比較的展望が利くように付けられているので楽しく歩ける。原見岩付近もタテヤマリンドウやイワイチョウなどが豊富に咲いている。

ヨツバシオガマ

オヤマ沢田代

至仏山は遠くなった

この展望も原見岩でお別れ
原見岩を過ぎればやがて樹林帯の中の歩きとなり展望はない。今までのような派手な花もない。咲くのはマイヅルソウやツマトリソウなど。ただ蛇紋岩からは解放され実に歩き易い。クールダウンするにはもってこいだ。やがて鳩待峠に降り立った。

シラカバの大樹

残り1km 鳩待峠はもう直ぐ
天気には恵まれ、喧騒の尾瀬とは程遠い静かな尾瀬を体感できた。花々は期待通りに咲き乱れ充実した山歩きを楽しめた。


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