作場平へ向かう途中に臨時第3、第2駐車場があったが止まっている車はなかった。作場平駐車場では新たにトイレを建設中であり、その影響もあってほぼ満車状態だ。なんとか駐車場内に止めることができた。登山口前には現役バイオトイレがあったが10年も経たないそのトイレは、う~ん、ちょっとねといった感じ。笠取山南面は山梨県でありながら東京都水道局の水源林となっているようだ。 |
作場平登山口 |
東京都水道局の水源地になっている ↑クリックで拡大 |
登山口の「水源地ふれあいのみち」案内板を見るとモデルコースの片道コースタイムしか書かれていない。ヤブ沢を上り一休坂を下りなさいということだろう。いわゆる時計回りだ。予定もその通りだったからすんなりと受け入れる。そして登山道に入る。 |
苔生す水源地 |
水はとてつもなく豊富 |
多摩川源流である水源林に入れば、陽射しがないこともあって苔生す岩や立木がしっとりとした雰囲気を醸し出している。いくつか丸太橋を渡り一休坂分岐まで来た。ここからヤブ沢に入る。苔生す林は咲く花が少ない(ほとんどない)。沢に沿って歩く道は無数の丸太橋を右に左にと渡っていく。沢のせせらぎだけが水源の林に響いている。やがてヤブ沢峠に着いた。 |
笠取山に着いた |
小屋のからは煙が |
ヤブ沢からは沢を離れていく。程なく笠取小屋に着いた。2棟の小屋の煙突からは青い煙が立ち上っていた。バイオトイレをお借りして先を急ぐ。小屋からの登山道は何と板張りとなっている。石畳の登山道や丸太階段はよくあるが板張りの登山道はあまりないのじゃないかな。濡れていると下りには滑って転倒の危険もあるかも。樹林帯を抜けると解放された場所に出た。 |
板張りの登山道 |
展望は全く期待できそうもない |
直ぐ先には雁峠分岐道標。天気予報とは裏腹にガスで展望はない。笠取山の紹介に出てくる急坂の風景は見られそうもないなあ。それどころか雨の心配も出てきた。戻って来るハイカーにも出合うようになる。小さな分水嶺に登ってみた。ここは山梨県と埼玉県の県境に当たるがこの小さな頂が多摩川、富士川、荒川の分水嶺となっている。晴れていれば例の急坂が見えるらしいが…。 |
小さな分水嶺 多摩川・富士川・荒川 |
山梨・埼玉・東京へ分水 |
地面を覆う苔が美しい。陽の光がないためしっとりとして情緒がある。ポツリポツリといよいよ降り出してきた。簡易雨具でしのぎ山頂を目指す。いわゆる心臓破りの急坂では山頂を踏破し下って来る登山者が数組ほど。幾筋もある道跡を歩き易い筋を選択して登っていく。花が咲いてはいるがゆっくりと歩く余裕もなくひたすら上を目指した。やがて山頂標識がみえた。 |
苔だな |
にせ山頂標識 |
騙されて… |
こちらが本物の山頂 |
雨はほぼ止んだが風が少しある。晴れていれば山頂標柱の向こうに大菩薩嶺や富士山が見えるはず。折角の山頂だから少し留まろうとしたが、あまり居心地が良くないので小屋まで戻ってランチにしようと周回コースに入る。岩場が意外と険しいなあ。痩せた尾根を行くと再び山頂標識が立っているではないか。近くに主図根があり標高も記されている。こちらが本当の山頂1953mだ。すっかり騙されてしまった。危うく山頂を踏まずに戻るところだった。山頂は風もなく暖かくも感じたのでここでランチとした。 |
青空だ~ |
ちょこっと展望 |
シモツケ |
山頂から下って水干(多摩川の最初の一滴) |
上空は時折青空を覗かせてくれたが満足な展望を得ることは叶わなかった。雨と汗で湿ったウェアもすっかりと乾いた。わずかだが展望を得られたことに満足して下りましょう。水干に下る。ここが多摩川最初の一滴が生まれる場所だ。登山道に立てられた道標のほとんどが東京都水道局で設置されたものだ。力の入れ方が違うし資金も豊富なようだ。 |
カラマツの林 |
おお、山頂が見えてきた |
小さな分水嶺再び |
こんな感じが笠取山かな |
よく整備された道を分水嶺まで戻った。幾分かガスも晴れ笠取山の心臓破りの坂が見えるようになっていた。紹介写真で見る風景だな。完璧には程遠いけれど見えたことに満足しよう。今を楽しむことが大事なことだ。 |
下って |
時代を感じさせる石積みの苔 |
笠取小屋に戻ると天場に幾つかテントが張られていた。小屋の前を通って一休坂を下っていく。ミズナラ林の急坂と紹介されていた。ぬかるんだ道で急な下りは困ったなあと思っていたが、登山道は初級コースの下り程度で心配は杞憂だったようだ。満足な展望は得られなかったが、しっとりと苔生した多摩川の水源地の歩きは楽しいものだった。 |