阿蘇山高岳・中岳 あそさんたかだけ・なかだけ 1,592m 阿蘇カルデラ 熊本県 |
登 山 日 | 2022年05月29日(晴れ) |
メンバー | しんぷるライフ |
行 程 | 仙酔峡登山口8:30…(仙酔尾根)…10:05仙酔峡分岐…高岳東峰…仙酔峡分岐…10:40▲高岳11:00…11:15△中岳11:20…11:45火口東展望所11:50…12:00旧火口東駅…12:35仙酔峡登山口 yamap・ルートマップ 東展望所からの動画 |
百名山完登を目指して三度目の九州遠征だ。一回目は鹿児島に入って霧島山・開聞岳を目指したが雨にやられて開聞岳は断念する羽目に。二回目は熊本に入って阿蘇山・久住山・祖母山を計画したが直前の中岳の噴火で阿蘇山は未踏になってしまった。ようやく阿蘇山の登山規制が一部を残して解除された。一週間前の天気予報は雨模様でやきもきした。初日に強行軍で登るしかないかと腹をくくったが、前日になって天気予報の雨マークが消えたことから予定通り中日の登山に落ち着いた。やれやれだ。 | |
仙酔峡登山口 花酔い橋を渡って |
仙酔尾根から駐車場 |
それともう一つ。この時期を選んだのはミヤマキリシマの群落を見たいからだ。これもネットで調べていると見頃がどんどん過ぎていく。各種情報では五月中旬から六月上旬が見頃だとあったので今回の日程としたわけだが、登山口の仙酔峡はとっくに終わっている。当たり年だとの烏帽子岳も先週には見頃を終えている。期待は高岳のミヤマキリシマだけかもな。いよいよダメなら久住方面に足を伸ばしてみるしかあるまい。最終日は雨予報。しかも、ライフさんがぎっくり腰状態での登山は大丈夫だろうか。 | |
大分登ってきた 遠景は久住連峰 |
もう直ぐ山上 |
仙酔峡登山口の駐車場は見頃はとっくに終わってしまったためか混雑はない。観光客の小さな団体がバスでやってきたがすっかり終わったミヤマキリシマの株を見て残念がっていた。当然、期待していたライフさんも落胆して文句を言いだす。確かにミヤマキリシマを見ながら阿蘇山を登るのが目当てだったから当然だろう。それはしんぷるも同じなんだけどなあ。山頂のそれに期待して登って行こう。 | |
歩き難い尾根を登り上げると |
火口丘端に出る |
ロープウェイ跡コースを歩き出してしまい慌てて仙酔尾根コースに戻る。花酔い橋を渡って登山開始だ。所々咲き残ったミヤマキリシマがあるが、期待が大きかっただけにライフさんには冷たくあしらわれている。仙酔峡遊歩道を抜けると本格的な登山道になる。バカ尾根と呼ばれている仙酔尾根だ。尾根は火砕岩と呼ばれる岩でできている。石が固定していて歩き難い。登っていくにつれ傾斜が増し息が切れる。西側の仙酔峡ロープウェイ跡ルートは、舗装道路のような登りやすいそうな道が続いているのが見える。帰路はあそこをのんびり下ってくる訳だな。振り返れば久住連峰が霞んで見える。もう一度登りたい山だなあ。この尾根は雰囲気が谷川の西黒尾尾根に似ているよねとライフさん。確かにそんな感じもするなあ。足元がザレてくると中央火口丘の端に立った。 | |
東峰方面が赤く見える |
東峰のミヤマキリシマ |
目の前に高岳火口が広がっている。確か東峰方面にお目当てのミヤマキリシマの群落地があるはずだが…。岩の上に人影が見える、あれが東峰かな。何となくピンクの彩りがあるぞ。天気は心配なさそうだし当然足を運ぶ。火口丘から見える最高峰高岳は小さなピークにしか見えない。でもこの高岳火口丘そのものが高岳だ。腰痛を騙しだまし何とか登ってこられたね。さあ、ピンクの中に入っていこう。 | |
東峰から高岳本峰を望む |
ゴジラの背みたいな鷲ヶ峰 |
高岳火口 月見小屋も見える |
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思い描いていた風景ではないかもしれないけど、まあ良いんじゃないの。それなりに楽しんで高岳を目指す。火口丘端の登山道は平坦で嬉しい限りだ。高岳山頂の向こうには杵島岳・往生岳が見えている。杵島岳・烏帽子岳・中岳・高岳・根子岳をもって阿蘇五岳と呼ぶ。ニョキニョキした奇形の根子岳はちょっと離れている感じだ。 | |
高岳に向かう |
もうすぐ |
阿蘇最高峰 高岳山頂1592m |
東峰方面がピンクの彩りに染まる |
わずかな登りを終えると高岳山頂に立った。歩き始めは曇り空だった阿蘇の山も何時の間にか青空に変わっている。ほど良い風が山頂を吹き抜けていく。当初の天気予報に反して良い天気になった。風を避け中岳方面に少し下ったところで質素なランチにした。飛行機を使っての遠征も慣れてきたもので、今回の登山装備ははっきり言うとないに等しい。二人で用意したのは登山靴と一組のストックとサブザック一つだけ。阿蘇山をなめてるよね。でもここまで特に困ったことはなかった。仙酔尾根でストックなしに登るのがちょっと大変だったくらいかな。中岳方面から登って来る登山者のほうが多いようだ。さて、次は中岳だ。 | |
歩いてきた山頂稜線 |
中岳方面 |
中岳火口 |
高岳を振り返ってみる |
砂千里ヶ浜 |
火山灰で真っ白(灰色)だ |
時々噴煙が上がる |
火口東展望所 |
中岳まで来ると世界が変わる。昨年秋の噴火で登山を断念させられた中岳火口は火山灰で灰色の世界だ。時折、噴煙が上がって来る。ただただ別世界の景色に圧倒されるだけだ。火口を見ながら歩いていく。阿蘇カルデラは本当に大きいが、日本で一番のカルデラは北海道の屈斜路湖なんだとか。カルデラが湖になっているとは驚きだ。灰色の世界を眺めながら火口東展望所に着いた。見る角度が違うが火口の大きさのためか変わり映えがない。ここからは阿蘇五岳、烏帽子岳・杵島岳・中岳・高岳が見える。 | |
かつて仙酔峡ロープウェイが運行していた頃には、火口東駅から東展望上までの遊歩道は幾多の観光客が歩いたのだろう。今は火口東駅も廃墟と化し当時の面影がわずかに残るだけだ。わずかな期間でこうも変わってしまうものなのだろうか。東展望所から仙酔峡までは今でも整備された遊歩道が続いている。阿蘇は今でも賑わいはあると感じられるが、東西ロープウェイが廃業に追い込まれていることを思えば火口見学者は意外と少ないのかもな。さあ、仙酔峡尾根を下ろう。 |
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中岳火口ともお別れだ |
ロープウェイ駅跡 廃墟になっている |
緑はあるが木々はない。見かけた花はマイヅルソウくらい。度々噴火を起こしている火山だからしかたないことか。稜線を気持ちよく吹いていた風が標高を下げるに連れて止んでしまい暑さを感じるようになった。やがて仙酔峡に着いた。時機を逸した観光客の姿がわずかに見られた。まだミヤマキリシマは盛んに咲いているところがありそうだ。時間もまだあるし観光的に足を運んでみようか。 |