伊吹山
いぶきやま
1,377m
伊吹山地
滋賀県・岐阜県
 COVID-19の大騒ぎで山行計画もままならない。いつになったら終息を迎えるのだろうか。そんな中、未踏の百名山を登ってきた。
登 山 日 2020年03月21日(晴れ)
メンバー しんぷるライフ
行  程 上野登山口07:40…08:00一合目…08:18二合目…08:45三合目…09:03五合目09:10…09:20六合目避難小屋…09:47八合目09:58…10:04山頂周回道分岐・合流点…10:10▲伊吹山11:10…11:50五合目…12:40一合目12:45…13:00上野登山口
ルートマップ(ヤマレコ)
 百花繚乱の時期ならば、伊吹山ドライブウェイで山頂まであがり周回コースを回るのもいいだろうが、花なし、観光道路閉鎖中となれば下から歩いてみるしかないか。積雪期の山頂台地からの大展望も魅力的だが、暖かな春を前にしてそれも難しいかな。一番の目的は山頂からまだ見たことのない琵琶湖を見ることなのだ。

登山口に向かう途中から伊吹山

三之宮神社

伊吹山インフォメーションセンター
 登山口にナビを合わせて着いてみると、有料駐車場の看板ばかり。民家の空き地に\400で止めて歩き出した。登山者は多いようだ。道標に従って登山道へと入る。天気はいいのだが杉の登山道は曇空の日のようで明るくない。道には石が多く歩き易いとは言えないか。

上野登山口

広い登山道は杉林

1合目 全行程6km 残5.1km
 1合目に出ると景色は一変する。スキーゲレンデだ。かつてここは伊吹山スキー場があり大変賑わったようだ。今ではその廃墟が残存する(その歴史は文末を参照)。ゲレンデ跡地は広々として解放感があり気持ちがよい。町の道路には融雪設備が設置された場所もあり、豪雪地帯ではないだろうがそれなりの降雪があるのだろう。こんな平野部にかつて南向きの伊吹山スキー場があったくらいだから。

1合目からはスキー場跡地を行く

茅が多い

広々として気持ちいい

振り返れば琵琶湖がぼんやり

伊吹山が見えてきた

あれれ、山頂にガスが…

五合目から伊吹山を望む
 五合目まではゲレンデ跡地の歩きで快適だ。多くのベンチと自販機まで置かれた五合目で一息つく。伊吹山の南面をジグザグと登っていく登山者の姿が小さく見えて登山道がどうに付いているかがわかる。ちょっと窪んだところに上がるわけね。伊吹山は山頂が広いため山自体が随分と大きくどっしりしている感じを受ける。さあ、壁にむかって行きましょうか。

五合目の小屋と自販機!

いよいよ伊吹山の壁に挑む

六合目避難小屋を過ぎて

山頂台地が近づいてきた

行道岩が見える

八合目 休憩場所がある
 足元は石が多い。浮石も沢山。早くも降りてくる登山者もいて道を譲られたりしながら登っていく。傾斜は安定していて負荷に大きな変化がなく歩きやすいこともあってぺーすはいいようだ。振り返れば琵琶湖だ。なんかぼんやりしてるなア。まだかなと山頂稜線を見上げ、ぼんやりした琵琶湖を振り返っては徐々に高度を稼いでいくと山頂周回コースと合流した。

頂上に出た 展望が広がる

日本武尊の像かな

北側には白い山が見える

広い山頂だ
 ぬかるんだ道を山頂に向かう。やがて休業中の数軒の山小屋が見えてきた。山頂に出たようだ。広い広い。先ずは良く山行記録に出ている日本武尊像を見に行こう。頂上台地の雪はほとんど融けてほんの一部だけが残っている。360度の大展望は素晴らしい。今日は春霞ではっきりしないけど…。北には白山が大きいなあ。隣が能郷白山。初めての山塊で山座同定はさっぱり。

日本武尊像

白山、能郷白山とある

一等三角点が置かれている

山頂から北方面
 冬季には日本アルプスや御嶽山などが望めるみたいですね。三角点も見ていないし、せっかくだから広い山頂を歩いてみましょう。花期ならば所狭しと多くの高山植物が咲き乱れるのでしょうね。山頂を吹く風は少し冷たいかな程度。寒くはありません。仮眠もできるという山頂トイレ(冬期閉鎖中)の近くで休憩です。すでにこの山頂は観光地ですね。

能郷白山 白山が大きい

琵琶湖展望台方面へ向かう登山者
 西の方面へ行ってみよう。ぬかるんだ道の北側にも道があってこちらはぬかってはいない。少し下っていくと琵琶湖展望台を指す標識があった。少し高台になっていて登り返すと琵琶湖が一望できた(つもり)。なにせ春霞でぼやけているんだもの。さあ下山だ。

周回道を歩いてみる

琵琶湖展望台から

山頂方面を振り返る

登山道を見下ろす 壁が五合目まで続く

五合目に下りてきた
 合流点から見ると南面はまるで壁だ。積雪期にここを登って来るのも大変だな。落石を起こさないように注意しながら足早に下りていく。まだまだ登って来る登山者が多い。水色だった空は色濃く青色に変わってきた。五合目に降り立てばもう安心だ。あとはのんびりゲレンデ跡地を下っていくだけだ。神社前の湧水で汚れた靴を洗って駐車場に戻ると、駐車場のおばさんが「お帰り」と迎えてくれた。良かったらと、「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の「伊吹山花だより第44号」を分けてくれた。そこには見たことも聞いたこともない花の名前と写真が数多く載っていた。
伊吹山スキー場(伊吹高原ホテル) 概要・歴史<廃墟検索地図より>
 伊吹山スキー場は滋賀県米原市上野にあったスキー場。2010年にスキー用のリフトなどが撤去され閉鎖された。1952年1月開設。当初は近江鉄道が運営していたが、親会社の業績不振、スキー人口減少等により、2005年10月31日に一旦営業を終了した。
 その後、地元からの強い要望もあり、ピステジャポンが引き継ぎ、「ピステジャポン伊吹」と改称して2005年12月23日より営業再開。しかし運営会社の経営難や積雪量の減少もあり、2008年以降休業し、2010年にはスキー用のリフトが撤去されて閉鎖された。麓から3合目までの伊吹山ゴンドラ(1989年1月2日開始)は、その後も登山・観光用に夏季に季節運行されていたが、2011年夏季には運休となりそのまま廃止された。ゴンドラ乗場の建物、山麓リフト乗場のコンクリート基礎跡やゴンドラ乗場へのゲートが残る。
 一合目ロマンスリフト降場付近には「旅館・食堂」と書かれた建物、二合目A・B線リフト乗場小屋が見られる。さらに三合目のゴンドラ降場ステーション、閉業した伊吹高原ホテルの二階建て建物が朽ちた状態で残る。四合目ロマンスリフト降場のコンクリート基礎、三合目A・B線リフト乗場コンクリート基礎も確認できる。

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