大峰山 おおみねさん 1,915m 紀伊山地 奈良県 |
登 山 日 | 2019年11月16日(晴れ) |
メンバー | しんぷるライフ |
行 程 | 行者還トンネル西口8:37…9:26奥駈道出合…9:38石休ノ宿跡9:48…10:15聖宝ノ宿跡…11:05弥山小屋11:15…11:35▲八経ヶ岳11:40…12:02弥山小屋12:37…13:09聖宝ノ宿跡…13:48奥駈道出合…14:23行者還トンネル西口 ルートマップ(ヤマレコ) |
大峰山(八経ヶ岳)は近畿地方の最高峰で、周辺のトウヒ、シラビソの原生林は国の天然記念物で、ユネスコの世界遺産に登録されている。 | |
行者環トンネル西の駐車場(\1,000) |
意外と地味な登山口 |
国道309 を対向車とのすれ違いに気を使いながら車を走らせる。みたらい渓谷では、カメラを手に観光客が賑わいを見せ始めているところだ。川迫川はあまごの漁場のようで立札が所々に立てられている。やがて道が広がり、行者還トンネルが近づくと駐車場に張られたロープが目につく。係りの指示に従って駐車(\1,000)。登山期を過ぎたのか登山者の数は少ない。比較的ひっそりとした登山口には、「世界遺産/大峯奥駆道/弥山登山口」の標識と登山届ボックスがある。 | |
ブナの林 |
苔がいい感じだ |
どちらかと言えばひっそりとした登山道に入っていく。沢沿いの平坦な道はすでに紅葉期を終えて、何となく物悲しさが漂う。間もなく道は急登となり、登山口が1094mで奥駆道出合が1490mだから約400mを一気に登ることになる。紀伊半島は降雨量が多いところだから苔が繁殖しやすいのだろう、登山道脇に随分と見ることができる。登山道は石がゴロゴロしていて歩き易いとは言えない。 | |
大峯奥駆道出合 |
幹の中にも道標 |
早くも降りてくる登山者と挨拶を交わしながら高度を稼いでいけば、稜線上の大峯奥駆道に出た。この道は世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部となっている。大した道標もなかった行者環トンネルからの登山道と違って随分と立派な道標が立っている。しかし、ここは風の通り道になっているのか風が強い。山上ヶ岳方面には気持ちの良さそうな草原の道が伸びている。思わず歩いてみたくなる道だ。 | |
こんな感じの道標が所々に立つ |
短い笹と開放的な登山道 |
石休ノ宿跡 |
標柱が建つ |
奥駆道は緩やかなアップダウンがある。石休ノ宿跡で小休止とした。ここは第56の靡(なびき)で修行場となっていたようだ。風があり、緩やかなアップダウンなのでライトダウンを身に着けた。今日は実にいい天気。花はないが、霜柱と青空がある。弁天の森を過ぎると目の前に大きく弥山が聳える。三角屋根が見えるが、弥山小屋のようだ。 | |
弁天の森 ▲1600m |
弥山が横たわる |
聖宝ノ宿跡 |
冬枯れと青空 |
弁天の森から下っていくと聖宝ノ宿跡だ。像に触れると雨が降るとか。ここが第55靡の講婆世宿(こうばせのしゅく)だ。 | |
岩々に苔生す登山道 |
行者環岳と大普賢岳方面 |
長い階段が… |
大峰山脈北部 |
岩の上には苔 |
歩いてきた尾根を振り返ってみる |
さあ、あとは弥山まで上るだけだ。高度を上げていくと展望が開けてくる。広大な紀伊山地がどこまでも限りなく続いているようにも見える。稜線が幾筋も見て取れ、数日をかけて奥駆道を歩いてみたいとの衝動に駆られる。明日登る予定の大台ケ原山も見えているのだろうがわからない。 | |
弥山小屋 冬季閉鎖中 |
弥山 修験の山には付きもの? |
数か所の展望台を経て弥山小屋に着いた。小屋周辺は陽だまりで暖かいが冬季閉鎖中。小屋の周りには登山者がくつろいでいた。 弥山、石鎚山でも弥山があったな。どうやら修験道の山の命名に関係があるようだ。「弥」、Weblio辞書によると「場所・順番などを表す語の上に用いて、いちばん、最も、の意を表す。」とある。弥山こそが修験の中心ということになるのかな。 |
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弥山頂上 |
大峰山脈最高峰の八経ヶ岳 |
弥山神社の解説には、「弥山とは、宇宙の中心、万物の根源をなす須弥山の略称であり…」とある。近くには紀伊山地最高峰の八経ヶ岳が見える。さあ、ささっと登って来よう。八剣山 前鬼の石柱の前を抜けて八経ヶ岳へと向かう。登山道は美しい苔が豊富だ。そして立ち枯れも目立つ。第54靡の弥山(みせん)から第52靡の古今宿(ふるいまじゅく)を通過して、第51靡の八経ヶ岳(はっきょうがたけ)へと歩を進める。 | |
道標前を通り |
トウヒやシラビソの立ち枯れ |
苔生す森 |
八経ヶ岳頂 |
オオヤマレンゲの保護地を抜けて八経ヶ岳頂上に立った。深田百名山にありがちな派手な山頂標識はなく、ちょっと拍子抜け。我々を含めて3組という静かな山頂だ。立ち枯れが目立つ弥山は地味だがどっしりとした印象を受ける。大普賢岳周辺には鋭鋒がいくつか連なっている。すべては奥駆道で繋がっているのだなあ。 | |
弥山を振り返る |
歩いてきた稜線 |
苔 勢いよく天に伸びる |
苔 大地を覆いつくすようだ |
立ち枯れの中を弥山に戻る |
国見八方睨へ向かう |
天気はいいのに何となく展望は霞んでいるようだ。さあ、弥山に戻りランチにしよう。風もあるのでそんなにのんびりもできず帰路に入る。国見八方覗の石柱に誘われて小道を入っていくとちょっとした広場が。天場にもなっているようだ。さらに足を延ばせば絶景だ。だが、霞んでいるのがとても残念。 | |
来た道を戻る。風の冷たさとその音が冬の訪れを感じさせる。大峰山はとにかく広く深い。まさに山脈と呼ぶにふさわしい山域だ。 | |
八経ヶ岳への登山道は単純なようで変化に富んだ道だった。梅雨時の7月上旬頃から国指定天然記念物のオオヤマレンゲが咲くことで知られている。この花を目当てに登る登山者も多いのだろうな。 |