飯豊山
いいでさん
2105m
飯豊山地
新潟県・山形県・福島県
飯豊山の小白布コースの登山口。川入登山口より1時間ほど早く飯豊本山に行ける最短ルート。小白布沢林道の終点に数台の駐車スペースがあるが、飯豊檜枝岐線からの分岐から先は現在、一般車は入場できない。2019年現在、小白布作業道は緊急避難道のため登山不可となっている。
<ヤマケイオンラインより>
登 山 日 2019年09月05日~06日(晴れ)
メンバー しんぷるライフ
行  程 【1日目:山行 5時間48分、休憩 21分、合計 6時間9分】
駐車余地09:40…10:00小白布沢登山口…11:38横峰11:55…12:11峰秀水…12:29地蔵山西分岐…13:25剣ヶ峰…13:48三国岳避難小屋14:05…15:07七森…15:30△種蒔山…15:45切合・種蒔山分れ…15:50切合避難小屋泊
【2日目:山行 7時間23分、休憩 1時間39分、合計 9時間2分】
切合避難小屋05:20…05:50草履塚05:55…06:07姥権現…06:15御秘所…06:33御前坂下…06:57一ノ王子…07:05本山小屋07:08…07:26▲飯豊山08:09…08:21本山小屋…08:27一ノ王子…08:40御前坂下…08:55御秘所…09:00姥権現09:05…09:18草履塚…09:42切合避難小屋10:04…10:07切合・種蒔山分れ…10:22△種蒔山…10:38七森…11:17三国岳避難小屋11:30…11:45剣ヶ峰…12:10地蔵山西分岐…12:18峰秀水12:35…12:50横峰…14:02旧下南沢登山口…14:14駐車余地
ルートマップ(ヤマレコ)
 憧れの飯豊山。飯豊山の最大の魅力は縦走だと言われる。しかし飯豊は大きな山塊で、避難小屋泊まりを強いられるためハードルの高い山となっていた。今回の山旅は最短コースで飯豊本山を登ってこようというもの。計画は二泊三日、ザックは重くなるが何とかなるだろう。

林道終点まで歩く

左から読むんだね

ブナの森だ
 作業道に入るとすぐに幾筋かの沢を渡る。沢を渡り終えるとブナの森が始まる。天気は曇りで日差しはないが気温は上がっている。このところ涼しい日が続いていたので体に堪えるのだ。小さい秋、見~つけた。山は少しだけ紅葉が始まっている。しかし道は急登の連続だ。

黄葉が目につく

オオカメノキの赤い実

時々展望が開けるが…

横峰に着いた

アカモノが咲く

アサギマダラだ
 今日は三国小屋を目標に歩き、調子次第で切合小屋まで行ければいいなあといった感じ。途中の滝を楽しんだりしながらのんびりと登っていくと横峰に着いた。ちょうどいい時間なので日陰に入りランチ休憩とした。静かだなあ、前にも後にも登山者の姿は見えない。休憩後、地蔵水場道を行くと水場が現れた。水量は豊富だ。しかも岩から染み出ている岩清水だ。ライフさんが口にしてみると「冷たくておいしい~。」どれどれと口にすると本当に冷たくて美味い。これは最高の水場だ。帰りにも是非立ち寄ろう。

地蔵水場道の道標

水場 峰秀水

イワイチョウ

地蔵山かな

険しい岩稜帯だ

剣ヶ峰岩稜帯に入る
 地蔵山西分岐を過ぎると平坦な道になる。それも束の間で剣ヶ峰の岩稜帯に突入だ。周囲にはガスが巻き岩稜帯の全容が見ることができない。指導標通りストックを仕舞い剣ヶ峰に取り付く。どうやら剣ヶ峰は痩せ尾根の岩稜帯のようだ。特に危険な感じはないが要注意。

アキノキリンソウ

オヤマリンドウ

剣ヶ峰の標柱

イワショウブ咲く

鎖場だ

ようやく岩稜帯も終わり三国小屋へ
 剣ヶ峰の岩稜帯には、ところどころ秋の高山植物が咲いている。特に珍しいものはないが、ガスの中に見つけるとそれなりに嬉しい。次々に現れる岩場を越えていくのも疲れてきた頃に三国小屋の標識が目についた。ようやく岩場から解放だ。やれやれ、とりあえず今日の目的地には着いた。でもまだ元気が残っている。切合小屋までは歩けそうだ。

ついたぞ~ まだ元気あり

ミヤマクルマバナです

まだまだ岩場が出てくる

ウツボグサとコゴメグサ

ミヤマキンポウゲ

切合まで1km
 三国小屋からは一旦下って登り返す。小ピークに立つと次のピークが見えてくる。それが何度もなんども繰り返されて、まるで無限ループのようだ。もうヘロヘロ。足元にはコゴメグサ、センジュガンピ、ウメバチソウなどが切れることなく咲いている。それでも種蒔山を過ぎると先が見えてきた。

コバイケイソウ満開

ヨツバシオガマ

ヤマハハコ

ようやく視界が開けてきた

もう直ぐ切合

雲がいい感じ

大日杉コースと道を合わせて

色濃いマツムシソウ

大分近づいてきた
 ここまで一人の登山者とも会わず、ひょっとして切合小屋は貸切りなのでは等と話していくと、姿が見えるんだよね不思議と。切合小屋の前から一人の登山者がこちらを見ている。平日とはいえ、さすがに貸切りはないわな。今日は管理人さんがいないとの情報できたが何故か居ます。素泊まりの受付を済ませて中に案内されると、ザックがいくつか置かれている。案内された二階は熱気がこもって居心地が悪い。直ぐに小さな窓を開けると涼しい風が入ってきた。自炊なので明るいうちに済ませましょう。食料は持ち上げたほうが不満は少ないかも。

切合避難小屋入口

豊富な水だ

外で自炊 久しぶり~

二日目の朝

草履塚と一ノ王子

飯豊最高峰の大日岳方面
 眠れたような眠れなかったようなで朝を迎えた。夜中は曇って星空が見えなかったが二日目は期待通りの天気のようだ。草履塚とその後ろに飯豊山頂かと間違える一ノ王子のピークが見える。さあ、出発だ。昨日と違って花は朝日を浴びて輝いている。心ウキウキ。

モミジカラマツ

ヨツバシオガマ

遠く磐梯山か

草履塚からのパノラマ 大日岳までの稜線だ

左手に飯豊本山が見えた

草履塚 展望良し
 今日は心なしか足が軽い。草履塚まで登るとようやく飯豊本山が見えてきた。展望良しだが早くもガスがかかり始めている。姥権現には若者らしきパーティーが見える。切合せ小屋からの先行者も御秘所を軽快に登っていく。残念だが姥権現まで下っていこう。

姥権現

トリカブトと大日岳

大日岳をバックに一枚

御秘所 まだ岩場があった

綺麗に晴れた

縦走路には雪渓が残る

マツムシソウをアップで

歩いてきた稜線だ

ヒナウスユキソウ
 姥権現まで下り本山小屋をめがけて登り返せばすぐに御秘所の岩場。いくつも岩場が出てくるなあ。御前坂を難なく登っていけば一ノ王子の石積みを見る。そこから先は平坦な場所で、天場にもなっていて水場も近くにあるようだ。周囲の眺望を十分に楽しみながら歩いていく。

急登を終え

本山小屋はもうすぐ

大日岳を望む

静まり返った本山小屋

さあ山頂を目指そう

途中で一枚
 坂を登りきると本山小屋の前に出た。登山客はもう誰もいないようだ。飯豊神社前を抜けて飯豊本山を目指す。出始めていたガスは一気には広がらず展望は確保されている。よかったなあ、昨日、切合小屋まで来ていて。これぞ飯豊だ。たおやかな稜線が素晴らしい。残る雪渓は万年雪で残るのだろうか。さあ、飯豊山頂は目の前だ。山頂には誰もいない。ちょっとの間、飯豊山頂を独占。

飯豊本山は目の前

飯豊山頂

記念の一枚
 山頂からは北股岳から朳差岳へと続く稜線が見える。これぞ飯豊山塊の縦走路か。本当に飯豊山は縦走をしたくなる山なんだな。楽そうだし…。初夏には縦走路脇にお花畑が広がるとのこと。歩きて来た道を振り返れば、その花の多さを想像することは容易だ。今はもう秋で種類も限られているがそれは仕方のないことだ。再び飯豊山塊を訪れることができるだろうか。

飯豊山ともお別れ

リンドウや

ゴゼンタチバナの赤い実
 天気に恵まれて飯豊山頂を十分に楽しむことができた。山頂を後にする頃には周囲にガスが立ち込めてきた。三国小屋泊まりだったら間違いなくこの景色を見ることはなかっただろう。ライフさんは避難小屋泊まりはお断りと下山の意欲ガッチリ。まあピストンだからそれでもいいとは思うが体力が持つかどうか。意外な暑さに悩まされそうだ。切合小屋に戻り荷物を撤収し帰路に入る。先ずは三国小屋。昨日は終わりのないピークの繰り返しと感じていたが、今日は少しずつ高度を下げることもあって意外と苦にならなかった。

三国小屋までのアップダウン

三国小屋が見えてきた

一息ついて剣ヶ峰へ

今日は岩稜の全容が見える

登るときは苦しかったけど

天気が良く快適に下る
 三国小屋からはストックを仕舞って剣ヶ峰の岩稜帯を下る。今日はその全容が見えるので気持ちがいい。随分と険しい岩稜帯の痩せ尾根だったんだ。下りは気分的にも楽だし、気を付けて水場を目指そう。日が高くなりとにかく暑いのは変わらない。地蔵山の水場、そこでゆっくり休もう。

剣ヶ峰の標柱

地蔵山の分岐も見える

剣ヶ峰の岩稜帯が終わり
 剣ヶ峰の岩稜帯を無事に下ればしばらくは平坦な道で一息つける。そして待望の水場に着いた。冷たい水で汗をぬぐい、体を拭き、渇いた喉を潤す。生き返った~。サーモスにたっぷりと冷たい水を満たし再び歩き始める。

平坦な道へ

シラカバなどの広葉樹

沢に出れば登山口はもうすぐ

着いた

今も十分に手入れが

駐車余地には登山者の車が…
 横峰から小白布コースに入る。ひたすら下りだが足は疲労困憊。ライフさんはダウン寸前。それでも宿で冷えたビールと風呂を頭に描き何とか登山口に降り立った。一人車を回収に行くと、前日は一台だけだった桑ノ沢橋先の駐車余地には7台の車が泊められていた。この登山口は林道飯豊檜枝岐線の施工工事中に利用できなくなり、御沢コースと近いこともあり管理上の理由から閉鎖されたものである。しかし、今でも作業道として整備されていて、このコースを利用する登山者は多いようだ。とにかく天気に恵まれて飯豊登山は成功に終わった。

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