笠ヶ岳
かさがたけ
2,897m
北アルプス

 笠ヶ岳の魅力は何だろう。日本中にある笠ヶ岳の盟主。山頂からの展望。とにかく槍ヶ岳山頂から見えたかっこいい笠ヶ岳に登ってみたかった。
登山日 2018年07月14〜16日(晴れ) しんぷるライフ、IT
行 程 【1日目】自宅5:00===6:50上田・菅平IC===8:45平湯9:40===10:15新穂高
新穂高温泉バス停10:26…10:38登山口10:43…11:30笠新道登山口…11:42わさび平小屋12:16…12:35小池新道入口…13:24秩父沢出合13:28…13:41チボ岩13:44…14:24イタドリが原…14:58シシウドヶ原15:11…15:59鏡池16:01…16:05鏡平山荘泊
【2日目】
鏡平山荘05:43…06:31弓折乗越06:44…6:59弓折岳(分岐)07:03…07:18大ノマ乗越…07:54大ノマ岳…08:53秩父平…10:08抜戸岳分岐10:12…10:52抜戸岩…11:26笠ヶ岳山荘12:13…13:58笠ヶ岳14:09…14:23笠ヶ岳山荘泊
【3日目】
笠ヶ岳山荘04:30…4:40笠ヶ岳04:55…05:06笠ヶ岳山荘05:45…06:12抜戸岩…06:50笠新道分岐…07:51杓子平08:02…09:56笠新道登山口10:07…10:47登山口10:53…10:59新穂高ロープウェイ駅
ルートマップ(ヤマレコ)

 新穂高温泉口で下車(新穂高ロープウェイ駅で下車が良かった)し、登山指導センターに登山届を提出して歩き出す。道は舗装された車道で緩やかな上り坂が続く。特に暑い気はしないがいつの間にか背中はびっしょりだ。笠新道入口の冷たい湧水を美味しく頂く。ここから笠ヶ岳までのコースタイムは6:50、どう考えても歩く選択肢はない。予定通り鏡平を目指す。

新穂高登山指導センターから歩き出す

笠ヶ岳への稜線が

案内板
 間もなく改築中のわさび平小屋に着いた。ここで休憩だ。そばを流れる湧水が冷たくて美味い。ここが笠ヶ岳ならいいのになあ。汗が引き腹が落ち着いたところで歩き出す。相変わらず緩やかな上りが続くが少しずつ高度は稼いでいるようだ。シシウドの大きさに感心しながらのんびり歩いて行く。やがて道は左俣谷を離れ小池新道へと入っていく。

改築中のわさび平小屋に着く

小池新道に入る

左俣谷の清流が涼しそう
 以前歩いた小池新道の記憶とはまるで違っている。人(自分)の記憶なんて当てにならないものだなあ。炎天下で開放的な登山道を歩いた記憶だけが残り、樹林帯の枯れた沢を展望もなく歩いて行くなんてまるで想定外だ。日陰ではあるが暑さがこたえる。時折出合う沢で涼を取り、喉を潤しながら登っていく。ライフさんは少しバテ気味のようで弱音を吐いている。

鏡平から槍ヶ岳

鏡池に映る槍ヶ岳
 道には日陰の花が現れカメラに収められていく。すっきり晴れていた空は幾らか雲がかかり、暑さからは多少解放されたが飲む水の量は減らない。やがて鏡平の稜線が見えてくると待望の鏡平へと着いた。槍ヶ岳は見えているが穂高連峰はすっきりしないので、冷たい生ビールの待つ小屋へと急いだ。三人で乾杯してから夢中でグラスを飲み干ほしたのだった。今日はここで宿をとる。
 3連休で混んでいますと受付で脅されたが、布団3枚に4人とのことで何故か喜んでしまった。さすが予約なしでもOKの鏡平小屋だなあ。2日目は4時半過ぎに目を覚まして5:45に出発。昨夜は満天の星空だった。鏡池を往復し笠ヶ岳を目指そう。池に映る槍・穂高は見ごたえがあるのだ。昨日と違って早朝の歩きは涼しくて、足元には高山植物が一斉に咲き誇っている。稜線に向かって歩いて行く登山者の姿が良く見える。

乗鞍岳の前に焼岳が雲海に浮かぶ

鏡平山荘から弓折乗越へと道が続く

鏡平を振り返る

槍・穂高連峰を望む

雪田の中に弓折岳分岐道標
 昨日はライフさんが暑さでバテ気味だったのでゆっくりと歩いて行こう。雲ひとつない最高の登山日和となった。携帯電話はどこからでも通じる。先行者について行けば弓折岳分岐に出た。ここから山頂までは長い稜線歩きとなる。抜戸岳辺りまでがアップダウンがきつく核心部となりそうだ。稜線からは黒部五郎岳や薬師岳が良く見えている。

双六岳だ

笠ヶ岳への稜線が見えてきた
 足元の花はミヤマダイコンソウ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ニッコウキスゲなど黄色系の花の他に、ハクサンイチゲやチングルマなどがずっと咲いている。高山では花が一斉に咲き始めるので見ごたえがある。花と北アルプスの大展望を楽しみながらのんびりと歩いて行く。ライフさんも昨日とは違い元気が出てきたようだ。

槍ヶ岳の三つの尾根が一望

秩父平から秩父岩?かな

ほぼ垂直に見えちゃう

黒部五郎岳 薬師岳が良く見えている 中央が双六岳
 やがて東側にガスが上がり槍穂は見えなくなってきた。しかし、それ以外はすっきりと見えているのでいい感じだ。アップダウンはあるが見た目ほどきつくはない登山道を元気に歩いて行く。稜線を吹く風が気持ち良い。双六小屋や黒部五郎小舎が良く見える。いつかあの稜線を歩く日がきっと来るはずだ。

笠ヶ岳はまだ遠い

徐々に近づく

歩いてきた稜線の向こうに燕岳

水晶 鷲羽 野口五郎
 抜戸岩を抜け、目の前に迫ってくる笠ヶ岳にむけて歩いて行くと笠ヶ岳山荘が見えてきた。雪渓が近くに残るキャンプ指定地を抜けると山荘に着いた。生ビールはなく麒麟のロング缶で乾杯とした。槍穂がすっきりと見えてきたら山頂まで行ってみよう。それまではゆっくりと過ごそう。 

笠ヶ岳神社奥社

山頂の風景

槍・穂岳連峰をバックに山頂標註
 そこそこガスが上がってきたので山頂を目指すことにした。わずかだが標高が上がるに連れ、剱・立山そして燕岳表銀座の稜線まで見えてきた。やっぱり北アルプスの稜線歩きはいいなあ。ついに笠ヶ岳の頂上に立った。計画してから数年経ってしまったがあこがれの頂上に立つことができた。
 明日朝食前にもう一度登ることにして山頂を後にした。小屋は布団2枚に3人。予想よりひどくなくてホッとした。空いているように見えた山小屋は時間が経つに連れ登山客が次から次へと登ってくる。あまり来ないでくれと願ってしまった^_^;。

三日間いい天気に恵まれた

杓子平へと降りていく
 朝ぼらけの笠ヶ岳の山頂は晴れていたが、北アルプスの展望はというとやや雲がかかりすっきりとしなかった。白山が昨日同様雲の上に浮かんでいる。中央アルプスから南アルプスそして富士山も見える。この3日間は天気に恵まれたな。抜戸岳まで戻って笠新道を下ろう。きつい下りが続くようだが足が持つかな。

焼岳 乗鞍岳 御嶽山

もうすぐ見納めの笠ヶ岳と錫杖岳
 朝の清々しい空気の中を快調に歩いて行く。ライフさんはすっかり元気になりペースが遅いと言い出す始末。それでは少しペースを上げましょう。足元にはハクサンイチゲ、チングルマ、イワカガミなどが相変わらず咲いていてくれる。名残惜しい稜線だが笠新道への分岐に入っていく。杓子平へと続く登山道がくっきりと見えている。一気に下って杓子平で一息つく。これで笠ヶ岳は見納めだな。ここまでは意外と快調だ。さあ恐怖の笠新道はどんなだろう。

杓子平から


杓子平から見納めの笠ヶ岳


 岩がゴロゴロする下りから始まった。一気に下ったり水平を歩いたり。振り返れば急な斜面だが思ったよりきつくは感じない。コースタイムも大幅にリードして下っていけた。案外登れる道じゃないかな。徐々に岩は小さくなりありふれた登山道になってきた。樹林帯だと思っていた道は意外にも日当たりの良い道で、ハクサンフウロは少なかったがニッコウキスゲ、シモツケが登山道を飾る。なんとササユリが咲いていたのには驚いた。北アルプスでは初めてだ。
 やがて樹林帯に入る。さすがに登ってくる若者もいなくなった。この道を1日でピストンするのだから凄いものだ。意外にも笠新道の下りはきつくはなかった。これならしんぷる隊も登れるかもな。笠新道入口に出て湧水で喉を潤した。ここまで来ればあとは惰性で歩ける車道だ。久しぶりの北アルプスは楽しい山行となった。
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