高妻山
たかつまやま
2353m

戸隠連峰
長野県・新潟県

 北信五岳。斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯綱山の5つの山を指す。その存在感は長野平野から見ると半端ではない。今年10月初旬に飯綱山に登った際、雲海に浮かぶ北アルプスを観てこの山域の展望のよさに感動した。そして、別の山で快晴の展望を楽しみたいと思っていた。百名山の高妻山は入っていないが、戸隠連峰として含まれているのかもしれない。
登山日 2017年10月27日(晴れ) しんぷる
行 程 戸隠登山者駐車場06:20…06:52弥勒尾根入口…08:43六弥勒08:54…09:06七薬師…09:32八観音…09:44九勢至…10:41十阿弥陀…10:46▲高妻山11:35…12:33九勢至…13:25六弥勒…14:35弥勒尾根入口…14:52手打ちそば岳
ルートマップ(ヤマレコ)

 戸隠キャンプ場から道を挟んで広い登山者用駐車場がある。平日でもあり、紅葉は既に終盤のためか登山者の数は多くはないようだ。このところ膝の痛みや体力的な自信の喪失があり登りきれるか自信はない。時間に余裕を持って早めの行動を心がけよう。

戸隠キャンプ場

戸隠山 五地蔵山が朝日に染まる

戸隠牧場と黒姫山

戸隠山

弥勒尾根に入る

沢を渡る
 キャンプ場に入ると戸隠連峰が朝焼けに染まっている。モルゲンロートというやつだ。朝は冷え込む予報だったためか少し手がかじかむ。戸隠牧場は放牧期を終えたのかひっそりと静まり返っている。キャンパーもまばらだ。牧場内の案内板に従って弥勒尾根入口を目指す。大洞沢は登山道が流出して歩き難いと言うし、先日の台風で水量が増しているかもしれない。ネットの記録を見ると大洞沢コースも問題なさそうであり、本来ならば周回したいところなのだが安全策を採る。大洞沢そして名もなき沢を渡り弥勒尾根へと入る。

ブナの黄葉はもう終盤

人間でいえば熟年か

急登にはロープや鎖が設置

ブナの林にダケカンバが混じる
 登山道はぬかっているとの情報があり足元を固める。入口からしばらくはブナの黄葉が終盤ではあるが綺麗だ。足元には落葉が登山道を覆いぬかるんだ感じはない。尾根コースであるからそこそのこ展望もあるだろう。急な場所にはロープや鎖が設置され登山者の安全がはかられている。ダケカンバの道を抜けると展望が広がってくる。ブナやダケカンバの巨木などがあるが意外と森林限界が低いのだろうか。黒姫山や飯綱山の存在感が凄いね。

黒姫山 野尻湖は雲海の下か

妙高ドームが顔を出す 左は火打山・焼岳

大洞沢コースと道を合わせる

そばには六弥勒

高妻山が見えてきた
 展望を楽しみながら尾根道を行く。鎖場を2ヵ所抜け、ぬかるんだ急な登りを終えると五地蔵山で、大洞沢からのコースと道を合わせる。傍らには六弥勒。高妻山そして白馬連峰が大きく見える。ここで一息つき空腹を満たす。ここまではまあまあな調子。コースタイムはあと2時間。何とかなりそうだ。一人の登山者が熊鈴を鳴らしながら一不動方面からやってきた。挨拶を交わす。特に休む気配もなく先行していった。

白馬三山がとても近い

頸城山塊 焼岳・火打山・妙高山
 さあ急ごう。ここからは一旦下る。標高は2000m近くで北側の日陰にはだいぶ雪がある。堅く締まっているわけではないのでアイゼンが必須というわけでない。50m程下ってから登り返と七薬師だ。再び下る。そして八観音。ようするに各ピークに置かれている訳ですね。その分アップダウンがある訳か。この稜線から見える北アルプス後立山連峰の展望は素晴らしい。そして高妻山の壁が目前に迫ってくる。

七薬師

赤い実は何?

戸隠山と西岳か

後立山連峰の後に立山・剱

高妻山の三角点は中央わずかに見える岩場
急な登りになりそうだ

戸隠山

八観音
 九勢至では先ほどの登山者が一息ついている。高妻山がだいぶ近づいてきた。山頂まで直登?他に道はなさそうだ。先に失礼する。振り返れば稜線の登山道が積雪で良く分かる。山頂直下の急登は積雪の下が岩場とあって下りに不安を覚える。やがて一人の若者が降りてきた。アイゼンは付けていない。なんとかなりそうだ。山頂には一人いるとのこと。どうやら今日3人目の登頂者になりそうだ。ストックを最短にして急登を登りきるとまだ道は続いている。ここまでさすがに疲れて立ち止るることも多くなった。のんびり行こう。

九勢至

歩いてきた尾根を振り返る

十阿弥陀
 山頂までは岩がゴロゴロして歩き難い。ヨタヨタしながら進めば待望の高妻山の頂きに出た。360度の大展望が広がる。今日は何となく大気が霞んでいてさほど遠望はきかない。ぼんやりと認識できる程度。まあ昨日楽しめたからいいか。

もうすぐ山頂

頂上だ 360度の大展望

セルフで一枚入れてみた
 山頂からの大展望を楽しんでいると挨拶を交わした登山者がやってきた。写真をお願いされたので引き受けた。こちらも撮ってくださると言うのでお言葉に甘えた。神奈川からの方で、昨日は黒姫山だったそうだ。山の話を幾つか交わした後、時間が押しているからと先に下っていった。この方とは下山後、蕎麦屋「岳」でご一緒になり駐車場まで送ってもらうことになる。

乙妻山 後方は頸城山塊

いつか登れるか戸隠山 蟻の戸渡りが怖い

雨飾山 ズームで
 大展望を堪能し腹を満たした後で下山開始だ。岩場の積雪には細心の注意を払って何とか降り切った。単独行が何人も登ってくるが雪支度はしていないようだ。声かけをして注意を促す。九勢至からアップダウンを繰り返して六弥勒まで戻った。積雪のために随分と時間を費やしてしまった気がする。大洞沢コースを降りてみるかなと一瞬誘惑にかられたが、下りは推奨しないとのことなので弥勒尾根を下ることにした。

ブナ仙人 →
 ぬかるんだ急斜面を過ぎれば、落葉が敷き詰められた快適な下りだ。心配していた膝も少しは痛むが疲労のせいだろう。黄葉帯を過ぎれば沢音が聞こえてくる。朝よりもすんなり沢を渡りきれば弥勒尾根登山口だ。もう遭難はあるまい。体力的に自信を取り戻すことが出来た山行となった。
 牧場を抜けキャンプ場に入ると手打ちそば「岳」がある。帰りに寄っていこうと思っていたので迷わず入る。山好きには引かれる名前だ。新蕎麦が入りましたとある。当然ながらざるを注文。美味いねえ、お勧めだわ。何故かキャンプ場内にあるのですいています。テラスで美味しく頂いていると、山頂でご一緒だった方が声を掛けてくれました。車を回収してから食べに来たそうです。ついでに駐車場まで送っていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
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