金北山
きんぽくさん
1172m

佐渡市 大佐渡山脈

 大佐渡山脈縦走は昨年も計画したが天気が悪く中止した。今年も予報は悪く降らなければいいやということで決行となった。佐渡にはタヌキ以上の大きな動物は生息しないので熊の心配がない。そして鹿がいないことから花の食害がなく、山脈は花数が年々増え続けているとのことだ。
登山日 2017年5月14(晴れのち曇り) しんぷる、HK、KM、FH、IT
行 程 アオネバ登山口6:25…7:45アオネバ十字路7:50…8:30▲マトネ…8:50石花越分岐点…9:40△真砂の峰10:00…10:10イモリ平…10:45天狗の休場10:50…11:12役の行者分岐…11:40あやめ池…12:15▲金北山13:00…14:15白雲台
ルートマップ(ヤマレコ)
タクシー代:あおきや→アオネバ登山口(港タクシー:\3,470早朝割増)、白雲台→佐渡汽船(おけさ観光:\6,620)

 ライフさんが直前になって腰痛で不参加になってしまった。楽しみにしていただけにとても残念だ。両津に前泊し、朝6時に旅館までタクシーを呼んで出発する。運転手に、佐渡の盛衰や動植物、朱鷺のことなどを伺いながらアオネバ登山口に向かう。朱鷺は大佐渡には飛んで来ないのだとか。予想外の狭い山道を行くと登山口に着いた。
 立派な案内板の下には小さなゴミ箱みたいな篭が置かれゴミがあふれていた。こんなものは置かない方が良いのだ。前日、防衛省に管理道路の通行届けの連絡をした際に、トレッキング協議会にも連絡を入れてくださいと言われ、その通りに連絡を入れると、「またやったか、防衛省は。必要ないのになあ。まあ仕方ないな。」と心の声が聞こえてくる対応で「登山届を出してくれればいいですよ。」とのことだった。案内板に登山届入れがあったが入れなかった(^_^;)。

アオネバ登山口

十字路を目指す

クルマバソウ
 アオネバ登山口は緑一色。足元には雪解けの水が清らかに流れている。さあ、お花見山行の始まりだ。既に5月中旬。雪融けの花はもう終わりだろう。青粘十字路を指す道標に従って歩きはじめる。白系の花は、ニリンソウ、ヒトリシズカ、オドリコソウなどが迎えてくれる。花数が多いことが普通なのだとしてもやはり多いね。ここにあった、あそこにあったではなく、なにせずっとあるのだから。

オドリコソウ

ズダヤクシュ

ホウチャクソウ

 何の花?

清流に沿って歩く

ミヤマキケマン
 今日は最初からスパッツを付けて正解だ。水川内沢の水量は豊富で、前日雨だったこともあり登山道はすっかりとぬかるんでいる。ニリンソウはまだ下を向き、シラネアオイは少し遅く花弁が痛んで濡れ落葉状態だ。オオイワカガミのやや薄いピンクは色褪せたのかと思わせるが、それが健全な色のようだ。白や薄紫のキクザキイチゲも点々とある。

沢を渡る

シラネアオイ

ようやく元気になってきたシラネアオイ

ヒトリシズカも群生が多い

ここにもシラネアオイ

金北山方面が見える
 大佐渡山系全体でみればもう少し種類も増えるのだろうが、アオネバ登山道ではシラネアオイ、キクザキイチゲ、エンレイソウ、ヒトリシズカ、オオイワカガミ、カタクリ、エゾエンゴサク、チゴユリ、オドリコソウ、ニリンソウ、ズダヤクシュなどが切れることなく咲いている。湿度は100%もあろうかと思われるが気持ちのいい登山道だ。

 稜線が近そうだ

ムグルマソウかな? 

アオネバ十字路
 標高を上げるに連れて花の元気具合が良くなってきた。シラネアオイ、カタクリが特に良い。今日は帰りの時間が決まっているので、計画したコースタイムを順守していかなければならない。予定時間は佐渡観光協会のトレッキングマップそのものだ。順調にアオネバ十字路に着いた。ここで一息入れよう。ここまで一人の登山者に会っただけ。まだ早いのかな。

縦走路にもシラネアオイ

ニリンソウ

キクザキイチゲ

カタクリ

サンカヨウ

マトネに着いた
 さあ、稜線歩きの始まりだ。標高を上げた登山道はシラネアオイ、カタクリが見事だ。延々と咲いている。それに交じってニリンソウも花を開いてきた。キクザキイチゲも存在感がある。稜線は樹林帯で展望はあまりないが陽は射し明るい。しかし何でシラネアオイがこんなに普通に咲いているんだろうか、本当に驚きだ。花花花でマトネに着いた。

金北山は遠い

両津港と加茂湖を見下ろす
 マトネからは展望のある稜線歩きとなる。前方には金北山が遠くに見える。これから約3時間あまり、そんなに大きなアップダウンはなさそうだ。行程には少し余裕がある。西には両津港と加茂湖が見える。佐渡の平野部をなす国中平野は田植を終えた水田だ。稜線から見ると二つの山脈に挟まれた湿地帯のようにも見える。

石花登山口分岐

シラネアオイが当たり前に咲く

タチツボスミレ
 樹林帯を抜ければ気持ちのいい縦走路。樹林帯に入ればいつでも花が迎えてくれる。いいもんだ。快調に足が進む

マトネを振り返る

何とかスミレ

ショウジョウバカマ

残雪が出て来た

カタクリ

雪割草

ユキワリソウ

オオミスミソウ
 稜線歩きになってようやく雪割草にご対面。残っていてくれましたか。株数は多くはなかったけれど見られて本当に良かった。

だんだん近くなってくる

振り返るよ〜

両津港はやや霞む

アルペン気分が出てくる
 皆も快調に歩き、予定よりだいぶ早く真砂の峰に着いた。ここで昼食の予定だったが、20分程の休憩をとって金北山で昼食にすることにした。前方には15人ほどの団体が見える。ドンデン山荘から歩いてきたのかな。なかなか快調に足が進んでいる。

真砂の峰

ハルリンドウ

エチゴキジムシロ

振り返る

振り返ればドンデン山が見える
 稜線の樹林帯にはタムシバの純白の花が今を盛りと咲いている。登山道からはやや外れてしまうのでその顔はなかなか見られない。天狗の休場を過ぎると夏道と残雪期のコースに分かれる。夏道を行けば役の行者を経てあやめ池、残雪期のルートをとれば直接あやめ池へと出るようだ。今は残雪期かな?何となく残雪期ルートであやめ池へ。

エゾエンゴサク

立木に遮られるが…

ミヤマカタバミ

タムシバ

シラネアオイ

キクザキイチゲ
 あやめ池までは道も水浸し。かろうじて登山道との区別はついていたが、ここまで来ると残雪が多く赤テープを目印に進むこともある。いよいよ金北山は近くなってきた。小さな雪の壁を越えてから次にロープとステップが付けられた壁を上っていく。雪は腐り加減でアイゼンもストックも必要なかった。付けられたロープだけで十分。

金北山が近い

あやめ平は水浸し

エンレイソウ

ここは大したことない

あやめ池を見下ろす 遠く両津港

ロープを頼りに

雪の上を行けば金北山だ
 雪の壁を登りきれば、あやめ池と役の行者が良く見える。前方を見れば金北山は目と鼻の先だ。少し遅れたHKを残して山頂へと急ぐ。

妙見山を望む

金北山神社

二等三角点は大事に隠されている
 佐渡最高峰の金北山山頂は、金北山神社とレーダー基地跡である。何ともしらける山頂だ。神社の周りには団体が昼食を摂っていた。我々も神社脇に腰を降ろし昼食とした。やがて先の団体が白雲台に向かい、誰もいなくなったところで三角点を探すがどこにも見当たらない。しばらくすると佐渡トレッキング協会の方々が登ってきた。三角点の話をすると在り処を教えてくれた。これではわからないはずである。ちなみに三角点は二等である。

防衛省管理道路を白雲台に向かう

金北山を振り返る

レーダー基地だ

金北山が遠くなってきた

交流センター白雲台に着く
 山頂からは防衛省の管理道路を通る。あちこちにレーダーが見える。戦後は旧ソ連の監視のためにアメリカ空軍が利用したが、今では北朝鮮の監視かな。このところ北朝鮮の動きが不穏であるし、基地隊員たちはピリピリしてるのではないだろうか。管理道路には沢山のフキノトウが花を付けていた。まじめに歩いたつもりだったがほぼコースタイム通り。交流センターでソフトクリームを楽しんだ。ここの展望もなかなか良い。観光客も訪れていた。
 今回はアオネバ登山口から大佐渡山脈縦走路の南半分を歩いたわけだ。金北山までは花と開放的な稜線を楽しむことが出来た。まだ金剛山からドンデン山までのコースが残っている。今度はこちらを歩いてみよう。
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