編笠山・権現岳 あみがさやま・ごんげんだけ 2524m・2715m 八ヶ岳 |
8月末から9月に跨った職場の引っ越しと職場環境の整備が終わり、漸く仕事も落ち着きを取り戻してきた。今更ながらだが夏休みを取らなければ。今年は短時間の山歩きだけで体力も落ちている。こんな機会だから少し足も延ばしてみたい。そんなわけで八ヶ岳と瑞牆山を計画してみた。 |
登山日 | 2015年10月25日(晴れ) | しんぷる |
行 程 | 観音平6:15…7:00雲海展望台…7:40押手川7:50…8:55▲編笠山9:15…9:40青年小屋9:45…10:20のろし場…11:05権現小屋…11:20▲権現岳12:05…12:45三ツ頭…13:20木戸口公園…13:30ヘリポート13:35…14:35八ヶ岳横断歩道…15:05観音平 |
寒さで目を覚ますと夜が白々と明け始めていた。一台また一台と登山者の車が入ってくる。昨日、観音平は登山者の車で溢れていたようで、路上駐車の車が数台あった。八ヶ岳の紅葉はこの辺りまでの標高が見頃のようだ。腹ごしらえをしてから他の登山者に交じって歩き出す。青い笹と黄葉のカラマツ林の中、木漏れ日を浴びながらゆっくりと歩く。やがて雲海に出ると富士山が大きい。 | |||||
観音平で |
カラマツとの雑木林を歩き出す |
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カラマツの黄葉が素晴らしい |
ダケカンバの林も良し |
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雲海展望台から ススキが良いんだね |
シラビソの樹林帯 |
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押手川にでる。展望台5分と道標にあるので往復してみることにした。戻らなければ編笠山を巻いて青年小屋へと出る道だ。特に標識はないが富士山が見える開けた場所があった。雲霞の展望と同じような展望。おそらくここが展望台と判断して押手川に戻る。さあ編笠山を目指そう。ここからは岩ゴロの道だ。赤いペンキやテープを頼りに急登を登って行く。時折、風の音が聞こえる。朝、ライフさんから沼田地方は強風で凍えるようだとメールがあったが、こちらはそんなに強くないようだ。 | |||||
南アルプス北部 北岳が盟主 |
富士山が大きい |
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八ヶ岳の山々が目の前に広がる |
中央アルプスと右端は御嶽山 |
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やがて青空が広がってくると編笠山の頂上に着いた。風が強い。冷たさはさほどでもないが風圧が強くてよろけてしまう。カメラを持つ手はぶるぶると振るえて焦点が定まらない。山頂からの展望は抜群で日本アルプスが一望だ。白馬、立山、槍・穂高など北アルプスは白く冠雪している。北アルプスはもう冬山になっている。風の強さに長居は無用。脚はまだ元気そうだ。権現岳まで足を延ばしてみよう。 | |||||
北アルプスを一望する 右は蓼科山 |
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御嶽山 |
乗鞍岳 |
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槍・穂高連峰 |
白馬岳 |
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北岳 |
言わずもがなの富士山 |
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編笠山をあとにする |
青年小屋へ下る 中央ギボシ、その右が権現岳 |
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青年小屋までの下り坂も風が強い。シラビソの樹林帯の中を容赦なく風が吹き抜けて行く。どうやら編笠山から青年小屋の立つ鞍部までは風の通り道になっているようだ。急な斜面を下り、岩ゴーロゴロの登山道をペンキを頼りに青年小屋を目指す。強風でふ、らつきながら下って行くと何とか無事に青年小屋に着いた。しかし青年小屋の周辺も強風が吹き抜け砂埃が舞っている。早々に権現岳への登りに入る。 | |||||
岩ゴロゴロ 赤ペンキが道案内 |
権現岳への上りが始まる |
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ギボシが迫る |
ギボシ山腹から編笠山を振り返る |
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ダケカンバの白が美しい 風で変形 |
編笠山、のろし場 遠望は中央アルプス |
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ギボシが豪快だ 権現岳がショボク見えるが… |
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登りではさすがに風も穏やかで、岩からも解放されたこともあり少し落ち着いて歩けるようになった。しかし高山、シラビソ林の樹林帯を抜ければギボシの岩場が待っている。降りて来た若者に上の方の風はどうかと尋ねると、岩場が半端なく酷いとのこと。やれやれ先が思いやられる。しかし実際歩いてみると、編笠山程ではなく、幾らか風の勢いが弱まってきたのかもしれない。もうすぐ通り過ぎて行くのだろう。 | |||||
八ヶ岳盟主赤岳 阿弥陀岳、横岳、硫黄岳も見える |
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権現小屋と権現岳 |
ギボシ頂上に登山者 展望よさそう |
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樹林帯を抜けた後の展望はよく、特に目前に迫るギボシの迫力が素晴らしい。権現岳よりかっこいい。登山道は、何度も鎖場があったり、幅50cm程のバンドを越えたりとか結構緊張を強いられるが、特に危険ではない。ギボシの山腹を権現小屋を目指して高度を稼いでいくが、何と足に違和感が。なんか足が攣りそうだ。こんなところで攣ったらとんでもないので、休み休み歩くことにした。何組か若者たちが下って行ったが、ここにきて上ってくる登山者が多くなってきた。 権現小屋に着くと山頂まではもうすぐそこだ。振り返ればギボシに登っている登山者もいる。登れないのかと思っていたが踏み跡があるようだ。さぞかし展望が良いだろう。権現岳頂上への道ははっきりしないが、何となく踏み跡があるので歩いていくと落ち着かない岩の頂上に着いた。何年か前に南八ヶ岳を縦走した際に、ここで写真を撮ってもらったことを思い出す。岩陰に下り、腹ごしらえとした。 結果的にはこのままピストンした方が良かったようだが、三ツ頭に行ってみたかったので周回コースを取ることした。こちらから上ってくる登山者も意外と多い。周回コースをとるのか赤岳まで縦走するのか。とにかくこちらは三ツ頭を目指す。 |
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金峰山方面 |
権現岳を振り返る |
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ハイマツの道 |
三ツ頭頂上から権現岳を振り返る 右は赤岳 |
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展望は大きく変わるわけではないが決して飽きることはない。間近な山は見る位置によって色々な姿を見せてくれるし、遠くの山は光の加減や雲との共演で刻々と変化してしている。風があるせいで遠望もガスがかからずすっきりしている。三ツ頭への上り返しはきつくなくハイマツの中を歩く。三ツ頭には登山者が数組休憩していた。さあ、ここからは下りだけかな。 | |||||
立ち枯れの木が目立つ |
編笠山 |
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左からのろし場 ギボシ 権現岳 三ツ頭 かな… |
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立ち枯れの林を抜けシラビソの樹林帯に入る。ここからは展望ともお別れだ。風もすっかり穏やかになり強風に悩まされた編笠山の山頂が嘘のようだ。やがてカラマツの林に入って行く。きつい下りではないが足の疲労が堪える。カラマツの黄葉は既に終盤で茶色が濃い感じ。八ヶ岳周辺は浅間山系と同様にカラマツ林が主になっている。八ヶ岳高原ラインの紅葉も見事なものだ。この季節の八ヶ岳山域は本当に素晴らしいと思う。疲労した足をかばう様に先行者を追うように下って行く。 | |||||
ヘリポートから北方面 |
富士山は何処から見ても立派 |
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やがてヘリポートまで下ると展望が広がる。ここで最後の休憩。前日にむいてもらった陽光の残り二かけをたいらげる。気温が高くなく水分への欲求が少なかったこともあり、大玉の陽光半分で十分な水分を摂取出来たようだ。さあもう少し頑張ろう。 | |||||
八ヶ岳横断歩道で |
同じく |
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八ヶ岳横断歩道は楽チンな道かと思っていたが意外とアップダウンがあった。これが権現岳からピストンすれば良かったと思う理由。まあ実際歩いてみなければわからないから、それはそれでいいか。横断歩道は広葉樹が多くそれなりに紅葉を楽しめた。久しぶりの長丁場だったが少し自信が付いたような気もする。気持ちよい疲労感とともに山歩きを終えた。 |