四ッ又山・鹿岳
よつまたやま・かなだけ
899m・1015m

南牧村

 西上州に紅葉を見に来るとすれば妙義山になる。その妙義山は来週に訪れるとして、さて、一体どこがいいのだろう。標高1000m以下の山で下仁田ICからも近い四ッ又山・鹿岳に行ってみようか。
登山日 2013年11月8日(晴れ) しんぷる
行 程 カナタケ山P9:00…9:17大久保登山口…9:50天狗峠…10:18▲四ッ又10:25…11:00マメガタ峠…11:45鹿岳のコル…11:55▲鹿岳二ノ岳12:55…13:20高原下降点…13:37伐採地(林道)…13:55木々岩峠登山口…14:08鹿岳登山口…14:12駐車地
 南牧ハーブガーデン跡地が「カナタケ山駐車場」になっていた。最初からここに駐車して周回するつもりだったからちょうどいいや。簡易トイレも置かれているし便利だ。いつも通りに大久保集落の四ッ又山登山口まで戻って登山道に入る。登山口には以前と変わらない愛嬌のあるオブジェが置かれている。ここにも数台置ける駐車場があるが混雑時は難しそう。

大久保の四ッ又山登山口

歩き始めると滝がある

分岐を右に 左マメガタ峠へ
 登山道は沢に沿ってついている。沢から離れるとすぐに杉の林になる。一旦抜けるが直ぐに本格的な杉林に入る。植林のための石垣なのか、よくもまあこんなに手をいれたものだ。やがて杉林を抜けると明るい雑木林となる。斜面は急でふくらはぎが伸びきっている。良いストレッチにはなるが、明日以降の筋肉痛が心配だ。

杉林を行く

こんなところにも石垣が積まれている

木々の葉はまだ青い
 ここはアカヤシオを見に来ていると思っていたが、冬に来ていることが多かった。もっとも西上州はアカヤシオの季節が終われば、初冬になるまで来ることもないからなあ。紅葉を見に来るのは実質初めてかもしれない。西上州の山はとにかく急峻な登りが多い。たびたび立ち止っては呼吸を整えるのだ。山全体を見ると紅葉していたが登山道にはまだ出てこない。

天狗峠の石像と石碑

ようやく色鮮やかな紅葉が

落葉に覆われた登山道

急登の尾根を行く
 急登を上りつめて天狗峠に出た。小沢橋からの登山道と道を合わせる。意外と風があるのは風早尾根だからだろうか。ここからは尾根を行くことになるが傾斜がさらにきつくなる。それでもポツリポツリ紅葉が目に入るようになってきた。四ッ又山はモミジ・カエデが少ないのかな。紅葉のシャワーは浴びられないかもしれないが、天気がいいので展望は期待できる。なんか久しぶりに歩くことを楽しんでる自分がいる。平日の西上州だし誰とも会わない可能性もあるなあ。

四ッ又山(P1)の頂上

鹿岳が良く見える
 急登が少し緩んでくると四ッ又山頂上への分岐だ。ちょこっと往復して来よう。以前と変わらない山頂がそこにはあった。東側から北側の展望が良い。標柱下に置かれた缶の中に一冊のノートがある。ネットから消えてしまった象まめ隊の記帳がないだろうか。錆びて開けづらくなった缶を何とか開けると、中には水が入り込んで記帳簿は水浸しになっていた。無理に開けば破れてしまうだろう。ボールペンが挟んであったページだけ開いて元に戻した。山頂からは目指す鹿岳が良く見える。さあ、分岐まで戻って先を急ごう。

四ッ又山P1からのパノラマだ

P2

P3

P4
 さすがに紅葉が出てきた。色付きもまあまあだ。しかし登山道はよそ見をしながら歩くと危険だ。四ッ又山は四つのピークを上り下りする。それぞれに石像と石祠が置かれている。道は狭いし岩稜登りもあるし油断はできない。落葉が急峻な登山道に堆積しているので滑りやすい。一度尻餅をついて右腕を擦りむいてしまった。ロープや立木を頼りに何とかマメガタ峠に降り立った。

鹿岳が近くなってきた

急な斜面を転げながら下りるとマメガタ峠
 峠に下ると下からクマよけの音が聞こえる。どうやら登山者の様だ。鹿岳の頂上を見ても人影はないし、独り静かな西上州の山歩きになるのかなと思っていたが違った。ちょっと先を急ごう。今日は独り静かな山歩きを楽しみたい気分なのだ。鹿岳に向かって急登を歩き出すと、あれれ、モミジやカエデの木が多いではないですか。こちらは期待できそうだ。
 となれば足取りも軽くなるというものだが、何せ急登でなかなかピッチも上がらない。標高を少しずつ上げると色付きもそれに伴って良くなってきた。今は標高800m位がいい感じだが、来週の妙義山はどうだろうか。

しれいた山(落沢岳) 背後に大桁山

御堂山の背後に妙義山

落ちたばかりの紅葉の上を歩く

見上げれば見事な紅
 素晴らしい色付きを楽しみながら歩くと鹿岳の基部まで来た。熊鈴は聞こえてこない。マメガタ峠で聞いてからずっと意識して歩いてきた。穏やかな心に邪念が入ってしまった(^_^;)。基部の岩壁の下を通り鹿岳のコルを目指す。一ノ岳はあまり展望がよろしくないので二ノ岳を目指す。ここにきて熊鈴が聞こえてきた。いずれにしろ山頂で顔を合わせることになるのだろう。

鹿岳の基部まで来た

鹿岳のコルは明るい

補修され使われ続ける梯子
安心感が出てきた

二ノ岳の岩稜

一ノ岳と四ッ又山

二ノ岳の頂上だ
 梯子そして鎖場を注意深く通過して鹿岳山頂に出た。北の山は雲に隠れているがそれを除けば最高だ。たっぷりと展望を楽しんでちょっと先の岩稜に腰を下ろす。熊鈴の登山者も登ってきた。太田からの登山者だった。数十年ぶりに登ったとか。

物語山が近い  浅間山はもうすぐ冠雪かな
 太田の単独行は来た道を戻っていった。地図を見る。西側眼下の岩稜へ下って木々岩峠登山口を回るコースタイムは2時間。コルから下るよりだいぶ余計にかかるが歩いてみよう。山頂道標から急峻な道を下っていく。どのみち急なのは変わりない。今度はコケないようにしないと。岩稜帯(地元では三ノ岳と呼ばれているとか)から二ノ岳を振り返る。裏から見る二ノ岳は大したことないなあ。

三ノ岳からの鹿岳
 道はやがて尾根道となる。道標はなく赤テープがあるだけだ。この道は初心者が使ってはいけない道だ。西上州特有のルートを探しながらの歩きを強いられるからだ。少しドキドキしてきた。紅葉は相変わらず素晴らしい。再び地図を見る。高原下降点から尾根を外れるようだ。下降点にのみ注意を集中して歩く。あった。標石が抜かれている。周囲を見ると道標に使われたと思われる棒が立っている。見れば赤テープもある。間違いない。ここから左に折れるのだ。少し下るとロープがある。テープも頻繁に現れるようになった。

こちらにも紅葉がある

下降点(標石が抜かれ横になっている)左へ下る

急な斜面をロープの助けを借りて下る

伐採地へと出た 踏み跡を探し林道へと下る
 とにかく足元の安全第一に下る。ルートを外さない様に踏み跡、赤テープを見失わない様に細心の注意を払う。やがて工事車両の音が聞こえてくると伐採地に出た。道は伐採地の上部を横に付いている。踏み跡を忠実に辿ると工事車両が作業をしている林道へと出た。林道脇の標註に林道木々岩線とあるから間違いないだろう。足早に林道を下る。

林道を下ると鹿岳木々岩峠登山口

鹿岳登山口
 やがて林道は終わり高原からの道へ出た。道標がある。舗装路を歩き駐車場へと戻った。久しぶりに西上州の山を堪能した。
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