後立山縦走 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳 2670m・2889m・2814m 北アルプス北部 |
後立山縦走だろ。五竜岳にこだわっていたShigeが言い出した。白馬、唐松は登っているので、当然、五竜・鹿島槍ということになる。どちらも別に登っているから遠見尾根、八方尾根、柏原新道はわかるにしろ、五竜から鹿島槍までの縦走路が問題だ。八峰キレットのほかにG4・G5など核心部が何か所もある。時間をかけて検討したが、扇沢柏原新道から五竜遠見尾根を2泊で歩く平凡なコース取りとなった。 |
登山日 | 2013年8月17日〜18日(晴れ時々曇り) | しんぷるライフ、Shige、IT |
行 程 | 【8/17】沼田4:10-(R145・144)-5:30鳥居峠-(菅平)-6:00長野市街-(白馬長野有料道路)-7:00信濃大町駅7:15---7:40爺ヶ岳登山口…8:35ケルン…10:30種池山荘11:20…12:30爺ヶ岳中峰…13:30冷池山荘 【8/18】冷池山荘5:35…6:30布引岳…7:20鹿島槍ヶ岳8:05…8:30吊尾根…9:35八峰キレット小屋9:50…10:50口ノ沢のコル…11:10北尾根の頭11:40…13:30五竜岳14:00…14:50五竜山荘 【8/19】五竜山荘6:40…白岳7:00…8:20大遠見…9:15小遠見…10:00地蔵の頭…10:20アルプス平---エスカルプラザ---神城駅12:34===信濃大町駅 |
このところガソリンの高騰が続いているし、高速道路料金もばかにならない。登山口までの交通手段にも気を使ってみた。最初はエスカルプラザに無料駐車し、神城駅から電車で信濃大町駅に出てバスかタクシーで扇沢に入ろうと思った。しかし電車に遅れると大変だ。結局、信濃大町駅前にあるアルプス第一交通のタクシーを利用して登山口へと向かうことにした。利用者の車を無料で預かってくれるのだ。下山後に神城駅から電車を利用するのだが、車に戻ったら、帰りは大町温泉の薬師の湯で汗を流すことにする。 | |||||
信濃大町からタクシー(¥5500)で柏原新道へ |
針ノ木岳とスバリ岳 下に扇沢駅 |
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3度目の爺ヶ岳登山口だ。信濃大町駅からのタクシーからは針ノ木・蓮華岳が良く見える。確認のため運転手に尋ねると、何んとも煮え切らない返事が返ってきた。山はわからないけど登山口には案内できると…。本業は農家でパート運転手だったから仕方ないか。チョット不安を覚えたが無事に登山口に着いた。登山口には登山者の数が少ないようだ。 | |||||
秋の花が咲きだした柏原新道 |
蓮華岳と針ノ木岳・スバリ岳 |
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柏原新道は良く整備され歩きやすい。針ノ木や岩小屋沢岳などの稜線を眺めながらの楽しい歩きが続く。針ノ木・蓮華と一口で言われるが、対照的な山容が面白い。ケルンまで来ると稜線に種池山荘が見えてくる。朱色の屋根が目立つなあ。 | |||||
新越山荘泊まりで周回した稜線 |
蓮華岳はどっしりとした山容 |
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ガラ場、このコースの核心部 |
雪渓ではステップ切の作業中、今年は量が多い |
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ガラ場での落石、雪渓での滑落に注意して進むと道は急登となる。鉄砲坂だ。ここを頑張れば山荘が見えてくる。ケルンから先に行ってしまったShigeはもう着いているだろうか。息を切らして登っていくと樹林帯を抜けて山荘への石畳だ。ハクサンフウロやウサギギクが咲く。コバイケイソウやチングルマはもうお終いになっている。8月ももう中旬で秋の花が咲き始める頃だ。 | |||||
鉄砲坂を過ぎると |
種池山荘がすぐそこ |
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爺ヶ岳南峰を望む |
立山連邦が見えてくる |
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山荘に着いて缶ビール2本を4人で乾杯。種池は相変わらず汚池(きたねいけ)だよ。ハイマツとコメツガの疎林のなかを爺ヶ岳に向かう。この登山道は振り返りながら登るのが楽しいのだ。ガスがなければ立山・剣の展望が素晴らしい。 | |||||
コバイケイソウが何とか残っていた |
爺ヶ岳に向かって歩きだす |
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爺ヶ岳南峰の上には青空が広がる |
おや、ライチョウのお母さん |
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爺ヶ岳登山道から剣・立山を振り返る |
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鹿島槍には早くも雲がかかっている |
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爺ヶ岳中峰から |
さあ冷池に下ろう |
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爺ヶ岳を振り返る |
同じく |
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赤岩尾根には猿の群れが騒いでいた。急峻な岩場をかけ登ってくる。とても二本足では無理だ。冷乗越に着くころにはすっかりガスが広がってきた。すれ違う登山者も少なく、爺ヶ岳からの登山者も同様だ。これは山小屋は空いているだろう。受付で先ずは生ビールを買い求めて、玄関前でごくりと一口。いや〜、うまい!(^^)!。汗が引かないうちに飲む一杯は最高だ。 | |||||
夕食 |
冷池山荘テラスから |
朝食 |
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生ビールを楽しんでいると、鹿島槍方面から団体25人が降りてきましたよ。今日はここに宿泊の様だ。ガイドに尋ねてみると、昨日は種池まで。今日は鹿島槍を往復して、明日種池から下山という楽々登山とのことだ。グループはともかく団体はかなわん。それでも予想通り山小屋は空いていた。新しい冷池山荘はトイレをはじめとして大変快適だった。初めて来たときもこうだったっけなあ、記憶が定かでない。 | |||||
玄関ですね 空いていますかと尋ねると 混雑の時よりゆっくりできると思いますと…? 生ビールが美味い! |
2階ロフト部の客室 新しくて布団も良質 ここでゆったり宿泊出来た ただ下と比べて暑い |
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快適だった冷池山荘 |
夕方になって鹿島槍が頭を出した |
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二日目の朝 夜中は満天の星。期待を持たせてくれたが、ご来光撮り隊Shigeが鹿島槍は雲の中だよと。チラシ弁当(¥800)をザックに入れる。まあ、日が上がれば雲もなくなるだろうと期待を持って歩きだす。稜線には高山植物が咲き乱れていた。道は緩やかだし楽しいひと時だ。 |
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テラスからの日の出 |
南峰は雲の中(^_^;) |
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山荘と爺ヶ岳を振り返る |
鹿島槍ヶ岳は雲の中だ、 晴れそうだけど… |
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今日もShigeはさっさと歩いて行ってしまう。待ち合わせ場所だけ決めて自由にさせる。マイペースが違いすぎるから仕方ないのだ。今日は鹿島槍を目指す登山者が多いぞ。しかし布引山もガスの中で期待薄。ゆっくりと行きましょう。 | |||||
チングルマの群落 |
こちらは既に穂になっている |
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爺ヶ岳 |
トウヤクリンドウが点々と咲く |
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布引山を過ぎると薄いガスの中の歩きになってきた。道は良くて歩きやすいが、気持ちはやや沈みがち。あれれ、ブロッケンが発生。一瞬のガスの晴れ間にShigeは大急ぎで山頂に駆け上がったとか。一瞬だが展望が広がって槍ヶ岳も見えたって。速足は得なようだな。 | |||||
ブロッケンが出たということは |
一瞬ガスが切れて綺麗な青空が広がったが… |
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南峰から北峰(写真提供 Shige) |
五竜も頭を出した(写真提供 Shige) |
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展望のない山頂では、本日鹿島槍を持って日本百名山を踏破した登山者のお祝いセレモニーが行われた。同行者が賞状を読み上げたり、祝福の拍手で賑やかな山頂となった。記念写真を撮ってもらって、展望が出るのを待つが駄目なようだ。時間が押すし先に進もう。 | |||||
ガスの中記念写真 |
縦走路に入る |
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縦走路こそガスで見えないが 南峰からの下りは急峻で神経を使う。 足を踏み外せば即アウトだし、落石にも注意が必要だ。 少し下って見上げれば、垂直の壁の様だ。 岩の陰には高山の花が可憐に咲く。 ホッとするひと時だ。 キレットのほうからポツリポツリと登山者が登ってくる。 しかも大きなザックを背負っている。 |
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吊尾根の雪渓で |
ガスの中の道標 |
残念だけど北峰はパスして |
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険しい岩と渓谷 (写真提供 Shige) |
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いよいよ八峰キレットに突入 このコースでの核心部中の核心部だ 鎖や梯子が整備され恐怖心は感じない 足場も比較的しっかりしていて鎖を手放さなければ大丈夫 左の写真のV字がキレット部 梯子を登る |
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先が見えなくなったと思ったら、眼下に八峰キレット小屋が見えた。Shigeがカメラを構えてこちらの写真を撮っている。よくもまあこんなところに小屋が建ったものだ。五竜から来た単独行さんが、盛んにキレットのことを訊いてくるので、全員でしっかり情報提供を行った。エビスビールはここでは我慢。安全第一だ。 | |||||
八峰キレット小屋のテラスで一息つく。 確かに小屋を作るとしたらここしかないかもね。 小屋から五竜への縦走路も険しそうだ。 目指す五竜岳はガスの中に頭を隠しているが 時折姿を見せてくれる。 |
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非対称形の稜線が続く |
口ノ沢ノコル(標高2416) |
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しんぷる隊が歩いています |
北峰の頭への登り |
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険しい縦走路が続く |
同じ写真ですが少し違う 東谷の雪渓 |
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五竜岳まではまだまだ大変 |
北峰の頭でランチ 自分でチラシ弁当 |
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上っては下る。細かいアップダウンを繰り返して進む。鎖あり梯子ありとなかなか一筋縄ではいかないのだ。それでも今日は、すれ違う登山者が少ないお陰ですれ違いの時間とかがなくて順調に歩けている。大町市側のガスは消えることはないが、立山側はガスはなくて展望があるので救われる。 | |||||
徐々に五竜岳が近づいてくる。赤抜を過ぎるとG5、G4だ。遠くから見るほど危険な感じはしない。感覚が多少麻痺してしまっているのだろうか。ウルップソウがあったがすでに花期を終えていた。最後の急登を登りあげると山頂への分岐だ。先を見るとShigeが腰をおろしてまったりしていた。 | |||||
やれやれの五竜岳頂上 |
五竜山荘がガスの切れ間に見える |
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鹿島槍に次いで五竜でも展望を得られなかった。残念だがこれも自然だから仕方ない。五竜山荘まで下りましょう。宿泊手続きをとってからゆっくりとする。今日の宿も混雑はないようだ。6人部屋のところ5人で寝られた。食堂では大鍋でカレーの仕込みが行われていた。ライフさんはお腹の調子が良くなくて、カレーはほとんど喉を通らないようだった。 | |||||
定番のカレー |
客室を両側にした通路 |
平凡な朝食 |
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三日目の朝 今日の天気が気になって、Shigeは夜中に目を覚まして外に様子を見に行くと、ガスガス。がっかりして布団にもぐりこんでいた。再び3時半ごろ起きだしてみると、五竜がくっきりと見えているとのことで、早速用意を整えて4時に山頂を目指して出かけて行った。中年組は足手まといになるので、星空を眺めた後で布団で休んで下山を待つ。 |
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早朝の五竜岳山頂からのパノラマ1 (写真提供 Shige) |
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鹿島槍ヶ岳と縦走路 (写真提供 Shige) |
立山・剣も見えていた (写真提供 Shige) |
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早朝の五竜岳山頂からのパノラマ2 (写真提供 Shige) |
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唐松岳、白馬岳方面 (写真提供 Shige) |
東谷山尾根だ (写真提供 Shige) |
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山頂からの展望は上の写真の通り。念願の五竜岳からの大展望を楽しめたようだ。山頂も一番乗りだったとのこと。日の出前の山頂には5人だけだったと話してくれた。この天気が昨日だったら最高だったのにな。下山してくるShigeを出迎えて遅い朝食にした。 | |||||
五竜山荘を後に |
満足満足 |
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白岳から唐松岳 |
同じく白岳から五竜岳と鹿島槍ヶ岳 |
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最高の天気 |
いよいよ下る |
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青空が広がれば心も元気になる。長い遠見尾根を五竜・鹿島槍の稜線を眺めながら下っていく。気持ちいいなあ。本当に、山はいいよ。 | |||||
カライトソウと青空 |
長い遠見尾根を下っていく |
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アズマギクが点々と |
五竜山荘が小さく見える |
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西遠見からのパノラマ |
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中遠見から |
地蔵の頭に着く |