平標山
たいらっぴょうやま
1984m
みなかみ町・新潟県
ハクサンコザクラ

 平標山のお花畑のハクサンコザクラやハクサンイチゲなどは最盛期を過ぎてしまっただろうか。とにかく鮮やかに色付くくお花畑が見たい。昨日は登山者のピークだったようで駐車場は一杯で路上駐車も60台以上出たとのことだ。
登山日 2013年6月24日(晴れのち曇り) しんぷる
行 程 元橋登山口P8:10…9:03鉄塔…9:37△松手山…10:44▲平標山11:21…11:56平標山の家…12:31平元新道登山口…13:12元橋P
 平日の三国街道(R17)を通過する車は少ない。三国峠を挟んで生活圏が分断されているし、関越トンネルが交通網としての役割を担っているからだろう。苗場スキー場を過ぎて元橋の平標山登山口駐車場に着く。まあまあの台数かな。天気もそこそこ、準備を整えて歩き出す。登山道に入るとうっそうとした樹林帯だ。昨夜の雨のせいか足元はぬかっている。

松手山経由で登る

ヤマツツジが残る

鉄塔が見えるがまだ時間がかかる
 うっそうとした樹林帯にも木漏れ日が入る。その光が透過する木々の緑色は美しい。松手山コースは巨大鉄塔までの急登が大変だ。近くに見えるのだが結構時間がかかる。標高差400m程あるのだから仕方がないかな。ヤマツツジが咲く道をペースを確かめながら歩いて行く。このあたりのアカモノは落花し赤い実を付けているものが多い。

授粉し本当にアカモノになっていく

タニウツギが道脇に咲く
 鉄塔に着くと人で賑わっている。制服を着ているところを見るとどうやら鉄塔の保守点検が行われるようだ。ご苦労様です。少し先の日陰に入ってのどを潤す。鉄塔を過ぎるとギンリョウソウが目にとまった。久しぶりの様な気がして撮ってみたがピンボケになってしまった。マイヅルソウもわずかだが咲いている。

ベニサラサドウダンが多い
こちらはアカモノの花
 鉄塔を過ぎれば急登らしい急登はないし随分と楽に歩ける。樹林帯を抜け太陽の陽射しを浴びるようになると低木帯だ。ベニサラサドウダンやウラジロヨウラクが多くなる。足元にはアカモノが延々と続く。今が最盛期なんだ。近づいてみればなかなか綺麗な花だよね。

落ち着いた感じのウラジロヨウラク

松手山頂上に着く
 シャクナゲもまだ蕾が残っている。平標山が見えると間もなく松手山に着く。ここまで来れば距離はあるが山頂までの時間は大したことはない。階段が付くガレ場の急登には赤い花が咲いているはずだし、ハクサンイチゲの群落が見られるはずだ。

松手山から平標山を望む


エチゴキジムシロ
 松手山で再び喉を潤し歩き出す。笹原を開いた道にはイワカガミとアカモノが点々と続いている。笹の斜面にはコバイケイソウがニョキッと笹原から顔を出している。好きな風景の一つだ。振り返れば歩いてきた稜線も気持ちがいい。ツマトリソウも少々。

松手山を振り返る

コバイケイソウと平標山

笹道からガレ場に入るとハクサンチドリ

同じくヨツバシオガマ
 ガレ場の急登に入ると早速ハクサンチドリがお出迎え。すぐにヨツバシオガマ、コケモモ、オノエランなどが続く。そしてハクサンイチゲの群落だ。平標山に来たねえ。陽射しも強すぎず稜線を吹く風は心地いいなあ。

コケモモも咲いている

ハクサンイチゲの群落

コバイケイソウも数が多い

尾根の上の欄 オノエラン
 花を楽しみながら急登を過ぎれば山頂は近い。雲が低く下がり苗場山は見ることが出来ないが、松手山からの稜線がくっきりと見えていればそれでいいかな。山頂手前でひと踏ん張りと思っていたら山頂標識が見えてしまった。山頂には2組が休憩中だった。昨日の賑わいを想像すれば今日の山頂は静かそのものではないだろうか。

山頂手前で歩いてきた尾根を振り返る

山頂から平標新道方面

仙ノ倉方面はガスが… お花畑に降りてみる
 さてお花畑へ急ごう。今日はお花畑を見てお終いだ。上空に雲が居座るようになってきてこのまま天気が崩れそうな予感がする。仙ノ倉山方面から見る平標山は素晴らしいが諦めよう。今日は雨具の用意をして来ていないもんな。せめて雨傘でもあればよかったが。

まずはイワカガミ

ハクサンコザクラが迎えてくれた

ミヤマキンバイが手前に

チングルマはもうすぐ終わり
 階段を下りていくと何とか開花時期には間に合ったようだ。ハクサンコザクラ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲはまだまだ元気。チングルマは盛りを過ぎてほとんど落花してしまったようだがまあ良し。この景色を見に来たのだから今日はこれで満足だ。

ハクサンイチゲ

ミヤマキンバイ

仙ノ倉方面のガスが切れてきた

 いつまで楽しめるのだろう
 仙ノ倉山へ向かうもの、戻ってくるものがあるが必ずお花畑にカメラを向けている。山好きな誰もが良かったと思う瞬間だろうなあ。

平標山に戻る

平標山の家に下る
 山の小屋の良く冷えた湧水が飲みたくなった。延々と続く階段を下っていく。さて登山道にはどんな花があったけな。松手山コースは案外覚えているのだがこの下りは記憶にないぞ。正面に大源太山を見ながら山の小屋を目指す。

コバイケイソウと大源太山

シャクナゲが身の丈ほどに

大源太・三角山・三国山を正面に

小屋への道にはタテヤマリンドウが多い

ツマトリソウも
 足元にはイワハゼが最盛期。南斜面はシャクナゲはすっかり終わりのようですな。ゴゼンタチバナ、ツマトリソウもぼちぼち。階段を降りながら時折平標山や仙ノ倉山を振り返る。仙ノ倉山にはまだ雪渓が残る。山の小屋の湧水になるのだろうか。

湿地帯にはワタスゲが少し

アカモノ(イワハゼ)がずっとあった

仙ノ倉とベニサラサドウダン

タテヤマリンドウのそばにはモウセンゴケ
 仙ノ倉山と平標山の鞍部のお花畑とは植生が違うがそれなりに楽しめるね。タテヤマリンドウは意外と数が多い。山小屋が近くなると湿原が右手に出てくる。そこにはワタスゲの白い穂が風に揺れていた。さらにイワイチョウがわずかに残り、既にその花期を終えようとしていた。

マイヅルソウも群生している

平標山の家

山の家から平標山と仙ノ倉山
 足元の花を楽しみ、時折振り返って仙ノ倉山や平標山の景色を楽しみながら平標山の家に着いた。早速、冷たい水を御馳走になる。2本のペットボトルに詰め込んで焼酎の水割りに使わせてもらおう。小屋の前にも2組の登山者だけ。すれ違う登山者も数は少なかった。

平元新道を下り岩魚沢林道に出る

林道歩き中に小雨がパラついてきた
 美味しい水をもらって平元新道を元気に下っていく。樹林帯に入ったせいか薄暗くなってきた。良く整備されている丸太階段が延々と続く。そしてこの道は足元の花には乏しい。午後になって登ってくる登山者が数組。山小屋泊まりかな。足早に先を急ぐと丸太階段が終わり岩魚川林道に出た。立木に覆われた林道を歩いて行くうちに雲が厚くなってきた。立木から解放されるとポツポツ雨が降っている。早めに下ってきたのは正解だったようだ。
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