吾妻耶山
あずまやさん
1341m
みなかみ町

 秋の吾妻耶山の紅葉は見事だ。仏岩からの登山道にはシャクナゲが多くこの時期に花を楽しもうと思っていた。頃はいいと出かけてみたが…。
登山日 2013年5月10日(晴れ) しんぷる
行 程 仏岩ポケットパーク10:03…10:24赤谷越…10:28仏岩…10:55中腹コース分岐…11:15赤谷・高原千葉村分岐…11:31大峰山分岐…12:02▲吾妻耶山12:05…13:10赤谷越…13:27ポケットパーク
 利根川を流れる水は雪代が多く勢いがある。谷川連峰の雪解けも進みそろそろ登れるかなといったところだ。平日の仏岩ポケットパークには一台の車もない。簡単な支度をして登山口から歩きだす。この地域も山ヒルの生息地帯となりこれからの時期は要注意だ。

登山口道標

スギ林にはエンレイソウ

アズマイチゲも咲く
 登山口からはしばらくスギ林だ。雪解けの後にエンレイソウが咲いている。稜線に出るまでは取り立てて展望もない。落葉の堆積した道をゆっくりと踏みしめて高度を上げていく。足元にはスミレが咲いている。新緑が映えてくるようになると赤谷越へ出る。

赤谷越の古い道標

仏岩だ
 ここから先は稜線歩きだ。仏岩近くまで来ると道脇には白いタムシバが延々と続いている。記憶にはなかったがずいぶんと数が多い。昨年はシャクナゲも終わりに近かったこともあり、タムシバはすでに落花した後だったのだろう。これだけの数はここ以外は知らない。

タムシバが多い尾根道

谷川岳が輝く
 さて今日の目当てはシャクナゲだ。この稜線の秋の紅葉は見事だがシャクナゲの木も多いので、最盛期には是非歩いてみたいと思っていた。さあ歩いていこう。シャクナゲの木は出てきたが花が付いていない。ひょっとして終わり?いくら今年が花が早くてももう終わりはあるまい。まさか早かった?いく株か赤い色が目につくが、とにかく花芽がない。残念ながら今年ははずれ年だ。

数少ないシャクナゲ

タムシバをズーム

もうすぐ開花
 意気消沈して歩いて行く。歩いては行くがシャクナゲの花がないことには変わりがない。まもなく山頂と中腹道との分岐に出た。目当てのものが駄目だったしもう戻ろうか。谷川連峰は初夏の日差しに残雪が輝いている。中腹コースは歩いたことがないのでもう少し歩いてみることにした。

山腹コースを行く

スギ林に突入

やれやれ道標だ
 道の最上部まで来るとさすがに新緑の色も薄い。やがて道は下りだす。すぐに道標があり、新しいものは破壊が酷い。古いものには左方向が吾妻耶山とあるが、すでに道はなく藪になっている。もう少し行けばいいのかもしれない。すぐにスギ林となり赤テープに導かれて歩いて行くがどんどん高度を下げていく。このまま千葉村に下ってしまうのではないか、地図もなく道も頭に入っていない不安から引き返そうかとも考えた。たびたび足を止めたが、杉林が終わるまで歩いてみようと思い直した。ゆっくりと彷徨ってみよう。深い林を抜ける頃正面に道標が見えた。やれやれ、これで戻らなくても済みそうだ。

カラマツの芽吹きが美しい

苔の生えた道標
 道標には吾妻耶山と大峰山の山名が書かれていた。スギ林の脇を歩いて行くと湯宿への分岐に出る。直進して山頂を目指すとそこはカラマツの林だ。芽吹きのカラマツ林は美しい。紅葉の時期にカラマツの針葉が黄金色に輝く時期に周回するのもいいだろう。

大峰山分岐

道標近くにカタクリが咲く

ジグザグの登りにスミレ
 道標には熊の仕業か破壊活動の跡が見られる。古い道標にはその跡は見られないから、ニスなどの塗料が塗られたものが対象なのか、はたまた新たに立てられたものが対象なのか、それはわからない。「ここは俺様の場所だ。こんなもの立てやがって許さんぞ。」などと思っているのかもしれない。

直登コースと道を合わせる

山頂直下にはキクザキイチゲ

三基の石祠のある山頂
 再びスギ林を抜けるといよいよ登りとなる。大峰山への分岐道標の近くには数株のカタクリが咲いていた。日向の道はジグザグと高度を上げ、足元にはスミレが今を盛りと咲いている。ほぼ登りきると見覚えのある道標が目についた。中腹道はぐるっと大周りをして道を合わせたようだ。あとは歩きなれた道を山頂に向かうだけだ。

山頂道標と展望写真

山頂から谷川連峰を望む
 気温が高く谷川連峰もどんよりとしてしまった。山頂直下には白や紫のキクザキイチゲが最盛期を迎えている。最後のひと踏ん張りで待望の山頂に立った。今までと変わることなく大きな石祠と霞んではいるが谷川連峰が一望できた。石祠には新しい紙垂が付けられているところを見るとなにか行事があったのだろう。

尾根東側の新緑が美しい

タムシバが続く
 シャクナゲは期待外れだったがタムシバやカタクリ、キクザキイチゲなどが楽しめた。来るたびに新しい発見がある山だ。帰路はいつものコースで下った。
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