北岳・間ノ岳 きただけ・あいのだけ 3193・3189m 南アルプス北部 |
白根三山を縦走しようと計画した。北岳(白根岳)は富士山に次ぐ日本第2位の高峰で白根三山の一番北に位置し、キタダケソウをはじめとする高山植物の宝庫である。間ノ岳(相ノ岳)は日本第4位の高峰で白根三山の中央に位置しその山頂は広い。三山を縦走するなら奈良田から入るのがいいがアクセスの関係で芦安に入った。 |
登山日 | 2012年9月9日(晴れ)〜10日(曇りのち晴れ) | しんぷるライフ & Shige |
行 程 | 【9/09】 沼田IC1:20===佐久南IC-(佐久甲州街道)-須玉IC===白根IC---4:50芦安5:10***5:50広河原 広河原山荘6:25…(1:55)…8:20二股8:25…(2:50)…11:15八本歯コル11:50…(1:10)…13:00▲北岳14:00…(55)…14:55北岳山荘 【9/10】 北岳山荘5:40…(30)…6:10△中白根山…(55)…7:05▲間ノ岳7:20…(40)…8:00△中白根山…(23)…8:23北岳山荘8:42…(1:08)…9:50▲北岳10:00…(33)…10:33北岳肩の小屋11:20…(1:10)…12:30二股12:35…(1:45)…14:20広河原山荘…14:25広河原15:00***15:50芦安 |
後立山縦走を計画していたが、どうも北アルプスの天気は宜しくないようだ。息子の帰りを待って急遽予定を変更する。南アルプスはあまり乗り気がしないようだったが天気が悪ければ何にもなるまい。芦安無料駐車場の始発に間に合った。南アルプス林道をタクシーに揺られて広河原へと着く。天気は上々で成功登山が大いに期待できそうだ。 前回北沢峠越えで広河原に来て、時刻的にやや遅く登り始めたときの記憶がよみがえる。その時はとにかく暑くバテバテになった。今日は早朝で9月に入ったこともあって涼しい。インフォメーションセンター、広河原山荘で用を足して歩き始める。 |
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広河原から望む北岳 |
広河原山荘へと向かう |
南アルプスの水と植物 |
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山荘の脇から登山道に入る。白根御池小屋への分岐を右に分け大樺沢の左岸を歩く。ブナなどの大木が多い深い樹林帯だ。しばらくして右岸へと渡りハンゴンソウやキツリフネなどが咲く登山道を行く。再び左岸に渡り返して枯れた大樺沢を行けば二股に着く。気温は低く暑くはないが直射日光を浴びることになるので日焼け止めを塗る。 | |||||
大樺沢二股を後にする |
八本歯のコルに向けて高度を稼ぐ |
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このあたりから遅れ気味。Shigeが速いのはいつものことだけどライフさんもしかり。二人を見上げながら歩いていく。おやおや雲が。 | |||||
北岳バットレス |
大樺沢を見下ろす 向こうは鳳凰三山 |
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丸太梯子が延々と続く |
山頂がガスってきた |
八本歯のコル |
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梯子まで来るとすっかりバテバテ。先に行ってもらってマイペースで登っていこう。なんか右足が攣りそう。ゆっくりゆっくり。このところこんな感じを経験することが多い。白馬のときからかな。痛!。とうとう脹脛が攣ってしまった、がまだ半分程度。何とか踏ん張って戻そう。両手で足を持って伸ばす。治まったところで階段を登る。土踏まずをうまく使って一段落。しかしちょっとしたはずみで右大腿部が攣り出した。いやあ、まいったなあ。漢方68番があったはずと探すが番号違いだ。じっとして発作が治まるのを待った。 | |||||
北岳頂上を目指す |
ガスにやられた北岳頂上 |
山梨百名山の道標がむなしく立つ |
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最後の階段を登り二人が待つ八本歯のコルに着いた。やれやれ、辺りはすっかりガスの中でボーコン沢の頭も見えない。コースタイムを20分も超過。ここでランチにして山頂を目指そう。足がつったことを二人に話すがあまり真剣に聞いてはくれない。あまり重要には考えていないのだろう(^_^;)。足は大丈夫のようだがペースは全く上がらない。大分離されて一番後ろをトボトボと休み休み休み歩いていく。なんとか山頂にたどり着いた。 | |||||
意気消沈して登山道を下る… |
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山頂ではShigeの靴底が剥がれたと大騒ぎだ。何の準備もしていない。塩見岳から間ノ岳を経て縦走してきた一組にお世話になり事なきを得た。この程度の不測の準備はしておかなければいけないと思った。展望のない山頂のベンチでひと眠りしてしまった。寝不足で頭がグラグラだったのだ。目を覚ませば我々のほかに一組を残すのみ。ガスも濃くなって展望は得られそうもない。 | |||||
そろそろ草紅葉が始まる |
北岳山荘全景 |
稜線に立つケルン道標 |
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さて明日はどうしたものかと思案する。Shigeは初めての北岳で悔いは残るだろう。選択肢はいくつかあるから明日の天気をみて考えよう。3日間の天気予報は悪くはないはずだから。途中からわずかに雨に降られたが無事に北岳山荘に着いた。あまりのふがいなさにライフさんにもう山止めればと言われる始末、トホホ(^_^;)。でもコースタイムとあまりかわらないんだけどなあ。 山頂での展望がなかった上に寒くなったせいもあり、生ビールを飲む気にもなれず缶ビールでお疲れ様。日曜日の夜でもあり北岳山荘は比較的空いていてゆったりと布団は確保できた。野菜豊富な夕食はなかなか良かったね。従業員「明日は曇り時々晴れです。」朝起きてガスならこのまま下山もありかなどと話しながら眠りについた。夜8時の消灯時間より前に眠りに落ち朝4時まで眠ってしまった。こんなことは初めてだ。Shigeもライフさんも良く眠れたらしい。 |
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北岳山荘での日の出 良い天気だ |
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トイレのついでに外に出ると上空には星が出ている。この時間になると登山者がワサワサ騒ぎ始めるのだがみんなゆっくりしている。5時の朝食時に窓から朝焼けが見える。天気はいい。夕方近くに不安定になるとのことで間ノ岳ピストン、そして展望の得られなかった北岳を再登して肩の小屋で宿泊して下山することにした。農鳥は断念だ。下山後のアクセスも悪いし次の機会があったらとしよう。 | |||||
間ノ岳に向かって歩きだす |
▲中白根山(3055m)の道標 |
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間ノ岳はまだ遠い |
中白根山をバックに その向こう仙丈岳・甲斐駒ケ岳、北岳 |
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▲間ノ岳 |
記念写真を撮る |
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何度か偽ピークを越えて間ノ岳の頂に立った。山頂からの展望はすこぶる良い。広い山頂は落ち着ける。山頂南方面には富士山が鎮座しているし、南アルプスの山並みが延々と続いている。遂に見てしまった。これはヤバいかも。当初歩く予定だった農鳥岳が近くに見える。 | |||||
間ノ岳の山頂は広いぞ 三峰岳分岐にもなっている |
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北岳方面を振り返る 左から仙丈岳、甲斐駒ケ岳そして北岳だ 北岳の後ろは八ヶ岳 |
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間ノ岳から見る南アルプス南部の山々 遂に見てしまった もう少し先に行けば農鳥小屋が見えたようだ、残念 |
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富士山はシルエット 幾重もの山並みが重なる |
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北岳は何となく槍ヶ岳に似ている |
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北岳を背に記念写真 by Shige |
山頂は広い |
間ノ岳三角点と富士山 |
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良い景色だ |
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しつこいか(^_^;) |
草紅葉と仙丈岳 |
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間ノ岳で存分に展望を楽しんで小屋に戻る。 小屋でザックを回収して再び北岳を目指す。 あとはShigeが楽しみにしていた 北岳からの展望に間に合えばいい。 10時までに着けば何とかなるだろう。 今日のペースはまあまあ。 絶好の登山日和に心も軽い。 |
山梨県 北岳山荘 |
北岳山荘 090-4529-4947 (北岳山荘直通) 標高2900m 収容150人 テント80張 水洗 バイオトイレ 公衆電話あり 一泊二食寝具付き\7900 水1L¥100 生ビール¥900 |
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間ノ岳を背に北岳へと向かう |
photo by Shige |
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間ノ岳の山稜は大きい |
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もうすぐ北岳頂上 |
いつまでも美しく清らかに |
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北岳山頂手前から間ノ岳 農鳥岳も見える |
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中央アルプス一望 |
鳳凰三山 |
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よく晴れた山頂だ |
八ヶ岳を一望する |
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ほぼコースタイムで北岳山頂に立つ。相変わらず順番は同じだがどうでもいい。Shigeは南アルプスはほとんど意識していなくてろくに写真も見たことがなかったようだ。緑が多い山岳風景にはやや不満があるようだが、思っていたよりもずっと良かったと言っていた。遠く後立山連峰は雲の中に隠れている。どうやら正解だったかな。Shigeとの北アルプスは来年の楽しみとしておこう。 | |||||
南アルプスの女王 仙丈岳 |
貴公子 甲斐駒ケ岳 |
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富士山をバックに by Shige |
甲斐駒・仙丈をバックに by Shige |
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雷鳥とご対面 |
雷鳥の親子 |
親鳥 |
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肩の小屋までもう少しのところで雷鳥の親子と出合った。親鳥には足環が付けられている。捕獲調査で付けられたものだろう。我々にさほど警戒感を見せずに植物をついばんでいる。こんなにじっくりと観察できたのは嬉しいなあ。大樺沢では初めてオコジョにも出会えたしね。 | |||||
北岳肩の小屋のテラス |
北岳と肩の小屋 |
甲斐駒ケ岳が雲に囲まれる |
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肩の小屋でビールを買い求めてランチとした。もうここに泊る理由はない。ライフさんが頑張って今日中に下りてしまうと言う。15時の乗り合いタクシーに間に合うように下ればいいだけだ。小太郎尾根分岐から右俣コースを下る。ダケカンバの豊富な急斜面の下りだ。登ってくる登山者はつらそうだ。下りるほうは楽チン。元気よく挨拶を交わす。 | |||||
ダケカンバの樹林帯が続く |
二股 |
吊橋を渡れば山歩きは終わり |
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二股からが長かった。花はすっかり秋の花に。余裕で広河原に着いた。今夜の宿を岩園館に決めてタクシーに乗り込んだ。 |