荒山
あらやま
1571m
前橋市

 荒山に登るには箕輪の荒山高原登山口が一般的だが、鍋割山登山口から往復する登山者も多いようだ。
登山日 2011年12月19日(晴れ) しんぷる
行 程 鍋割山登山口9:00…9:20獅子ヶ鼻…10:05▲鍋割山…10:50荒山高原…11:00展望の広場…11:30▲荒山11:47…11:56ひさし岩…
12:05上の避難小屋…12:27棚上十字路…12:36荒山高原12:45…13:22鍋割山…13:37鍋破山前不動…14:07鍋割山登山口
 赤城ICを降りて、からっ風街道を走ると前橋市街や西上州、奥秩父の山並みが一望できる。今日は真冬並みに冷えた朝を迎え、さぞかし展望がいいだろうと期待して来てみたが、前橋市街地も霞んでいる状態だ。鍋割山からの展望は期待できないしスカイツリーを見るなどは問題外だろう。それでは鈴ヶ岳でも登ってみるかと南面道路を路線バスの後について走ってみるが、路面の積雪であえなくUターン。仕方なく箕輪から林道鍋割相吉線を下って鍋割山登山口へと着いた。

鍋割山登山口

登山道へと入る

石の階段が歴史を刻む
 駐車余地には一台も止められていない。簡単に支度をして歩きはじめる。この道は南斜面で冬の日差しが暖かい。少し高度を上げると展望が開け榛名山の眺めが実にいい。伊香保の温泉街が山腹に伸びているのがよくわかる。浅間山や四阿山などが白く見えるはずなのだが、今日は雲に隠れて姿を見せてくれない。

榛名山

大きく右にシフト

冬枯れの登山道だ

鍋割高原が見えてくる
 背中に陽の光を浴びて大きく広がる展望を楽しみながら高度を稼いでいく。登山道脇の笹も薄茶色に枯れて何とも味気ない色彩ではある。獅子ヶ鼻は特に目立つところもない平凡な場所だ。

左:鍋割り山 中央は鍋割高原

前橋市街地は霞んでいる
 やがて鍋割高原への急な上りとなる。手元の高度計はどんどんと高度を上げていって気持ちがいい。子持ちはいいが息は切れる^^;)。急ぐ必要もないのでゆっくりといこう。

急な露岩の斜面となる

鍋割高原の分岐道標

誰もいない山頂
 突然に急登が終わると、そこは鍋割高原だ。つつじの林を抜けると鍋破山前不動への分岐がある。帰りはこちらを下ろう。山頂へと続く丸太階段を一段一段上っていく。左手には谷川岳が白く輝いている。展望は諦めていただけに少し意欲が湧いてくる。風のない静かな山頂に立った。誰もいない。箕輪駐車場にも車がなかったから当然かな。谷川連峰の銀嶺を見に荒山高原への稜線を歩いてみよう。

稜線から荒山方面を
 樹間から見える谷川岳は、あれ?雲に隠れているではないか。上空には雪雲が…。一気に意気消沈。一体どうしたものか。足取りも当然重たくなるというものだ。戻って榛名山でも行ってみるかなどと思いながら、何となくダラダラと歩いていく。やがて荒山高原からの登山者と1組、2組とすれ違う。めまぐるしく上空の雲は動いている。暖かな日差しを浴びて少し元気が出てきた。荒山まで足を延ばしてみよう、ここでゆっくりと遊ばせてもらおう。陽の光はあるが登山道はまだ凍結している。いつもの泥濘の登山道ではない。

竃山から鍋割山を振り返る

竃山から登山道と荒山
 やがて岩のピークへと着く。そこには竃山の標識。ここからの展望は良い。振り向けば鍋割山、前に荒山、北には谷川連峰だ。次のピークには火起山の道標。鍋に竈に火起こしとは何とも。荒山高原の下りでスパッツをつける。誰もいない荒山高原に降り立った頃にはすっかりと青空が広がっていた。さて、もうひと頑張りだ。展望のない展望の広場を抜け荒山への上りに入る。肌に感じる風はなく、そのくせ雲の動きは慌ただしい。

白樺が青空に映える

うっすらと降雪

▲荒山頂上
 徐々に積雪が増えてくるとフワフワと空中を漂うものがある。雪が吹いてきたのかと思えば氷のようだ。ダイヤモンドダストにちがいない。気温は氷点下になっているのだろうか。キラキラと輝きながら空中を舞っている。実に美しいものだ。岩場を越え誰もいない荒山の頂に立つ。気温は0℃。北登山道は閉鎖されたままだ。山頂の東橋からの展望はいい。水沢山でもらったキットカットをかじる。タフスリムの湯が温かい。

山頂東端から地蔵岳、長七郎山方面

北の展望岩から右端:鈴ヶ岳と雪雲の沼田方面
 北の展望岩からは雪雲に覆われた上信越の山々が寒そうだ。Gさんの標識の前を抜け南尾根を下る。ひさし岩からの展望は山頂と変わりばえがない。どんどん下ってわずかに上り返して荒山高原へと戻った。火起山への上りは予想に反して泥濘んでいなかった。

谷川方面は雪雲の中

武尊山の上にも雪雲だ

稜線から荒山方面を振り返る
 稜線を鍋割山まで戻るが、朝すれ違った登山者たちは既に姿が見えなかった。もうとっくに下山したのだろう。

榛名山の後ろに浅間山が見えている

子持山と小野子山はすっきり
 鍋割高原へと下り鍋破山前不動へと足を進める。笹の道はあまり歩かれていないようだ。高原の端からは急斜面をロープを頼りに下っていく。道標に急坂につき要注意とあった通りだ。この道は凍結するこの時期や濡れているときには歩くべきではない。要注意ではとても済まない。不動の前後には長いロープが続き、これなしでは上り下りに難儀する。よくまあこんな道を上ってきたことを忘れたものだ。急だった記憶はあったがこれほどとは。この登山道はいずれ廃道になるに違いない。

鍋破山前不動への分岐道標

鍋破山前不動

登山道
 身の丈を越える笹原を過ぎれば道標が立っている。明るい石の階段を下って登山道へと戻った。
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