吾妻耶山
あずまやさん
1341m
みなかみ町

 吾妻耶山は大峰山経由で登ったことがあるがあまり好きになれなかった。仏岩経由での登山道はシャクナゲや紅葉がいいみたいだ。夏には山ヒルに注意とのことだ。
登山日 2011年10月27日(晴れ) しんぷる
行 程 仏岩登山口12:48…13:07赤谷越…13:11仏岩…14:05▲吾妻耶山14:17…15:18仏岩…15:34仏岩登山口
 昨日の冷え込みで谷川岳にも雪が降り稜線が少し白くなっていた。南は霞んでいるが谷川方面はすっきりとしている。当直明けでどうしようかと考えていたが山の誘いに乗らない手はなかろう。十二ヶ岳では冠雪には不十分だし、谷川岳に登るには時間が足りない。すっきりと姿を見せている谷川岳を見ないのは惜しい気がして、以前から少し気になっていた吾妻耶山仏岩コースを歩いてみた。
 仏岩ポケットパークには車が一台。登山者のものだろう。山ヒルに注意と大きな看板が立ててあるが、さすがにこの時期は問題ないだろう。歩きだしの北斜面はジメジメとして嫌らしい。この道はまだ少年だった息子と二人、借りたピッケルを持って残雪期の阿能川岳に登って以来だ。道の記憶は何となくおぼろだが楽しかった山行の思い出ははっきりとしている。その息子もたくましく成長してくれた。

仏岩ポケットパーク登山口

薄暗い杉の林から始まる

赤谷越 阿能川岳への分岐
 うす暗い杉林を抜けると赤谷越だ。ここは阿能川岳から南に派生する尾根の一部である。今では残雪期でなければ登るのが困難な阿能川岳だが、昭和30年代中頃には延長7200mあまりの登山道があったようだ。今日は南に向けて歩を進める。仏岩までは平坦で広い遊歩道が続く。カエデやモミジの類が多く紅葉も良いようだ。間もなく仏岩に着いた。法衣をまとった修行僧に似ていると名づけられたとのことだが、なるほど一目で名前の由来がわかる。上れそうだが上る人もいないのかな。

遊歩道の様な登山道だ

赤谷越からすぐに仏岩
 尾根の東側斜面はまだ緑が残りこれからの紅葉が期待できる。やがて登山道は道標から中腹コースとなる。尾根コース入口にはロープが張られ立ち入りを邪魔している。初めてだし道標に従って中腹コースを行こう。

東側斜面は緑がまだまだ残る

青空に映える見事な紅葉
 中腹コースは紅葉が大変良い。西側で午後ということもあるのか日光を透かして見る紅葉は実に美しい。実にいいときに来たものだ。

良い木が多い

落葉に敷き詰められた登山道

すっきりとした樹木が多い
 デジカメを出したりしまったり忙しい。落葉が堆積したふかふかな道もいいね。やがて道標が吾妻耶山を指し中腹コースと分かれる。風もなく静寂と素晴らしい紅葉をを楽しみながら歩いてきたが、いよいよ山頂に向けての急登になるようだ。ウィンドブレーカーを脱いで気合を入れる。紅葉は相変わらずで疲れを感じさせないのだ。

紅葉がいい感じ まだ楽しめる

色鮮やかでアップに耐える
 やがて頭上に大岩の堆積が見られるようになった。山頂かなと思ったが道標は岩の谷間を指している。立木には吾妻耶山回り道と書かれた道標がある。苔生した岩の谷間を行くと平坦な台地に着く。風致探勝林の案内板の後ろは谷を挟んで岩大岩の堆積が見える。道標に従って回り込むように歩くと見覚えのある山頂に着いた。

岩の谷間に出る

吾妻耶山風致探勝林の案内 後は岩場

平地になるともうすぐ山頂
 山頂からは谷川連峰が近い。tomoさん撮影の「吾妻耶山展望台からの眺め」が置かれ、山頂での展望の良さを現している。今では草木が伸び同じ写真は撮れなくなっているのが残念。展望は谷川岳でなくみなかみ温泉街の上には至仏山や尾瀬笠ヶ岳などの尾瀬・奥日光の山々、また武尊山なども近い。朝のうちに残っていた雪は既に解けてしまっている。展望台というのが気になって、ひょっとして途中の岩場の上かなと思い行けるなら行ってみようと思った。

山頂だ 石祠が大きい

阿能川岳の向こうには谷川主稜線
 少し戻り取り付きを探しているとロープが目に付いた。以前は通せんぼで使われていたと思われ、その先を見ると踏跡がある。行ける所まで行ってみようと谷の北側を行くと予想通り大岩が積み重なった岩場の上に出た。なるほど展望はあるが山頂より優れるものではないようだ。戻るのもなんだからこのまま進めないかと探っていると、なんと鎖が付いているではないか。踏跡といい、かつてここは登山道だったのだ。事実、踏跡の立木には木の名前が書かれた札が付けられている。踏跡を辿ると谷間入口の道標へと降りてきた。吾妻耶山回り道の道標もある。回り道の意味が理解できた。

左は大源太山 平標山 仙ノ倉 小出俣山などだ

岩場から谷川連峰を望む
 帰りは通せんぼされた尾根コースを下ってみた。道は大方残っていて十分歩けるが、中腹コースが歩き易いし紅葉も良い。大岩からの落葉の急斜面を注意深く下り緩斜面になればルンルン気分だ。同じ紅葉を楽しみながら仏岩パークへと戻った。
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