五竜岳 ごりゅうだけ 2814m 北アルプス |
八方尾根は夏にトテッキング、冬にはスキーと何度も登っている。歩き易く展望も良くお気に入りのコースだ。今回は五竜岳を目指し八方尾根を上り遠見尾根を下ることにする。 |
登山日 | 2011年9月25〜26日(晴れのち曇り) | しんぷるライフ |
行 程 | <1日目>沼田IC4:30=7:30八方第3駐車場 八方山麓==(八方アルペンライン)==八方池山荘8:15…9:00八方池…10:00丸山ケルン…10:45唐松岳頂上山荘11:25…13:10五竜山荘…14:00▲五竜岳14:10…14:50五竜山荘 <2日目> 五竜山荘6:20…6:55▲五竜岳7:00…7:25五竜山荘7:30…7:40▲白岳…8:30西遠見山8:50…9:30大遠見…10:00中遠見…10:20小遠見…11:05地蔵の頭11:10…11:25アルプス平==(テレキャビン)==エスカルプラザ |
いやあ、快晴だ。白馬岳がすっきりと姿を見せている。今日は歩き慣れたような気になっている八方尾根を経由して五竜を目指す。八方アルペンライン(\1400)を利用して八方池山荘前までは楽チンで高度が稼げる。すでに標高1850mだから唐松頂上小屋(2620m)まで標高差770mほど。北アルプス入門コースとも言われている八方尾根は気持ちよく歩けて疲れを感じさせない。今回は八方池はパスして少しばかり先を急ぐ。明日の天気予報は曇りだから出来れば今日のうちに五竜岳頂上を踏んでおきたいのだ。となれば唐松岳の頂上もパスかな。 | |||||
アルペンクワッドを下りて白馬三山を望む |
八方池を眼下に白馬連峰を望む |
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今年は残暑が厳しかったためか少し紅葉が遅れている印象だ。少しは期待してきただけに残念な気もする。それでもこんな青空に迎えられれば贅沢は言えないなあ。目指す五竜岳は後立山の重鎮のように鎮座している。その背景には鹿島槍の双耳峰が一際目立つ。長野側から湧きあがるガスは鹿島槍を隠してしまった。雲の状況からすると白馬岳を目指したほうがよさそうだがなあ。 | |||||
目指す五竜岳とその左には双耳峰の鹿島槍ヶ岳 |
八方尾根を振り返る 北信の山々を遠望する |
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北アルプス入門のコースということもあってか山ガールも多い。山の装いもカラフルになったものだ。中高年にも広がっているが、やはり年齢相応の服装というものがあるような気がする。この尾根から北信の山々を見るがいつも墨絵のように見える。主峰の妙高山の頂はしんぷる隊にはいまだ遠いのだ。 | |||||
八方尾根を行く |
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歩き慣れた錯覚に陥りながら快適な尾根を歩けば唐松岳頂上山荘へと着いた。山荘のビールは前日に売り切れてしまったとのことで自販機もすべて売り切れサインが点灯している。好天気もあいまって登山者が大勢訪れたのだろうか。そんなことはさておき、頂上へと続く登山道の緑と白の色彩が大変美しい唐松岳だ。山荘の正面には剣・立山が見事。剣岳はバランスのとれた端正な山容が本当に素晴らしい。まさに名峰たるゆえんだ。その名峰を眺めながらベンチに腰をおろし昼食だ。 | |||||
唐松岳頂上山荘前から唐松岳 |
同じく剣・立山が見事だ |
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鹿島槍は雲に隠れてしまったし、目指す五竜岳の上空にも灰色の雲が徐々に集まり出している。のんびりともしていられないぞ。唐松岳はパスをして五竜へと急ごう。なにせ翌日の天気予報は曇りだ。下手をすればガスの中で何も見えないかもしれない。山荘を後に稜線を歩くことになる。「ストックは片付けて両手を開けて慎重に!!」鎖付きの岩稜帯を行くと「ここは、牛首 気を抜かず慎重に。」岩に付けられたマークを頼りに岩稜帯を行く。五竜岳の黒と白馬の白の対比もまた面白い。 | |||||
どっしりとした五竜岳 |
白岳の手前から唐松岳を振り返る |
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慎重に牛首を通過すればもう後には危険なところはない。最低鞍部からはハイマツ帯をじっくりと登っていく。振り返れば唐松岳一帯の色彩が何とも美しい。白岳頂上への分岐を左に分けわずかに進むと五竜山荘が見えてきた。五竜岳上空には厚い雲が垂れこめ、何時降り出してもおかしくはない感じだ。小屋にザックを置かせてもらい、山頂をピストンだ。とにかく明日の天気はわからないから、後悔ないように山頂岳は踏んでおこう。半分ほど登ったところでポツリポツリと落ちてきた。濡れるほどではないが意気消沈。わずかの雨でも岩が滑って危険度が増す。既に立山・剣の頂上は雲に隠れだしている。急がねば! | |||||
五竜山荘が見えてきた |
五竜山荘と白岳 |
▲五竜岳 |
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あ〜残念。残すところわずかで遂に山頂はガスに隠れてしまった。それでも山頂からは東谷がすっきりと見えている。ぼんやりと鹿島槍も見える。ホワイトアウトではないので良しとしよう。明日も期待はできないが可能性だけはある。頂上で記念写真を撮って五竜山荘へ急いだ。山荘の玄関脇には〜のペットボトルやアルミ缶が袋詰めされていた。もう少し置き場所を考えたほうがよいのではないかな。割り当てられた部屋はイワカガミで全館カイコ部屋のようだ。時期外れの日曜日ということもあって空いていたと思う。混雑時は7畳半に最高16人、しかも人数分布団がないから共有して寝て下さいときたもんだ。寝方の例まで描かれている。混雑時を予想するととても来られたものではない。この部屋に今夜は4人。やれやれ、一安心だ。五竜山荘の夕食はカレーと決まっている。手作りで味は良いと思うがいかがかな。 | |||||
山頂から白馬方面 |
五竜山荘と歩いてきた登山道 |
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翌朝起きてみると予報通りの曇り空。しかし目の前の五竜岳はすっきりと見えている。山頂からの展望も期待できそうだ。ライフさんを誘ってみるが、少し調子が悪そうで行かずに待っていると言う。さっさと行って来てと言うのでカメラだけ持って頂上を目指す。あまり疲れもなく快調に足が出た。途中で鹿島槍が姿を見せた。青空が見えない灰色の曇り空だがこれで十分だ。五竜岳山頂からの展望をカメラに収めると素早く下山に入る。頃を見計らってライフさんが下山の準備を終えて待っているに違いない。小走りで五竜山荘を目指した。 | |||||
鹿島槍ヶ岳が近い |
剣・立山を望む |
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山頂からの展望だ |
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あとは白岳を経由して遠見尾根を下るだけだ。白岳三角点からの眺めもなかなかだ。これから下る遠見尾根の全容が見えている。アップダウンを繰り返すとあるがそんなに厳しくはなさそうだ。八方尾根は登っているので出来れば遠見尾根を上りに使ってみたかったが、今回は一般的なコースを選択してみた。全般的な印象としては遠見尾根は下りではなく上りに使うべきとの印象を持った。振り返りながら展望を得るのではもったいない。 | |||||
白岳頂上へと向かう |
▲白岳から望む五竜岳 |
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遠見尾根を見下ろす |
西遠見池から五竜岳 |
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白岳から急な斜面を鎖を頼りに一気に下って西遠見へと入る。そこからは樹林帯となる。登山道にはオオカメノキやゴゼンタチバナ、アカモノなどの鮮やかな赤い実が目に入る。もちろんナナカマドの赤も多い。花ではオヤマリンドウの紫が美しいし、シラタマノキの白もなかなかだ。こちらの尾根のほうが八方尾根よりもわずかに紅葉を感じることができた。大遠見、中遠見と確かにアップダウンはあるがさほど苦にはならない。振り返るたびに五竜や鹿島槍、八方尾根などがその姿を変えて見せてくれるからだ。花の時期に是非に登ってみたい尾根だと思った。 | |||||
五竜岳をズームで |
爺ヶ岳も見えてきた |
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小遠見山からの展望 |
ナナカマドが紅葉を始めた |
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小遠見まで来ると一般観光客が足を運べる遊歩道的な雰囲気だ。八方尾根の八方池までのコースと同じような感じだろう。小遠見山からの展望は素晴らしい。ここでいいかな、と思ってしまうほどだ。名残惜しいが地蔵の頭へと下る。いよいよ終わりは近い。アルプス平の植物園には数種類の高山植物が花をつけていた。花だけを楽しむのならここで十分だろう。アサマフウロ、コウメバチソウ、コオニユリ、マツムシソウなどが元気に咲いていた。テレキャビン(\860)に乗りエスカルプラザへと下る。タクシー(¥2,200)で八方第3駐車場へと戻った。さあ次はどこにしようか。 |