槍ヶ岳
やりがたけ
3180m
北アルプス

 息子の希望があって槍ヶ岳にした。一昨年、立山剣に登ってから山が好きになったらしい。昨年は奥穂高に登り、そのあとに一人で富士山に登ってきた。槍沢が楽だが違うコースで登りたい。まずは表銀座コースを計画したが煩わしいことが多い。コースタイムを検討して今回のコースとなった。一番の楽しみは鏡池から眺める槍穂高連峰の絶景である。
登山日 2011年9月10〜11日(晴れ曇り) しんぷるライフ&しげ
行 程 <0日目:9/9>沼田IC(16:15)=松本IC=平湯温泉・穂高荘倶楽部
<1日目:9/10>
新穂高6:40…7:40笠新道登山口…7:55わさび平小屋8:00…8:20小池新道登山口…9:05秩父沢出合…10:15シシウドヶ原10:35…11:15鏡平12:10…13:00弓折乗越…14:10双六小屋
<2日目:9/11>
双六小屋5:00…5:30樅沢岳5:45…7:25左俣岳…8:15千丈沢乗越…9:15槍ヶ岳山荘…9:40▲槍ヶ岳9:55…槍ヶ岳山荘11:05…11:20飛騨乗越11:30…12:15千丈沢乗越分岐…13:25槍平小屋13:50…14:25藤木レリーフ…14:30滝谷避難小屋…15:30白出沢出合…16:10穂高平小屋…17:00新穂高
 上高地だけが槍・穂への登山口ではないのだなあ。そんなに遅くはないと思っていたが路上駐車を強いられてしまった。久しぶりに登山届を出して歩き出す。道は車道であり、時折車が追い越していく。息子とは歩幅が違うのでいずれ徐々に距離が開くことになるから、待ち合わせ場所だけ指定して自分の歩調で歩いてもらおう。
新穂高
新穂高 登山者用Pは満車で路駐

しばらくは林道を行く

笠新道登山口で一息
 歩きだして1時間ほどで笠新道登山口に到着。水場がある。そのうちにこの登山道を歩くことになるのだろう。車道歩きは退屈だが楽チンでもある。どうやら小池新道登山口まで続くようだ。わさび平小屋で息子と合流だ。小屋の前は登山者も少なく新穂高の賑わいがうそのようだ。

わさび平小屋はまだ静かだ

小池新道へと入っていく

西鎌尾根と槍の穂先が見える

西穂高方面
 車道は左俣谷に沿って続くが、小池新道登山口からはいよいよ登山道の様相だ。左俣林道を離れ鏡平を目指して登っていく。たいした急登とも思えないのだが足が進まない。前を歩く息子の姿が時折見えるがあまり距離は開いていないようだ。奥丸山越しに西鎌尾根から槍の穂先が、南側には西穂高が見える。秩父沢で息子と合流して一緒に歩きだす。次はシシウドヶ原で待ち合わせとする。

秩父沢を渡り

シシウドヶ原で一息入れる

笠ヶ岳かな
 気温も上がってきて更に足が重くなる。休み休み歩けばシシウドがポツリポツリと見えだした。そろそろかなと思えばイタドリヶ原の標注だ。やれやれ。シシウドヶ原に出るとベンチが置かれ登山者が休憩している。標注の傍らで息子が迎えてくれた。一息入れよう。弓折尾根に遮られて槍は見えないが青空は広がっている。鏡池からの展望が期待できそうだ。今日第一の目的はこれに尽きる。 

鏡池から槍ヶ岳 これが見たかった
 木道を進むとパッと目の前が開ける。そこには期待していた風景が現実のものとして我々の目の前にあった。誰が見ても素晴らしい景色を絶景と呼ぶのであれば、ここはその一つとして数えられるのではないだろうか。齢80程の老人が若者たちと登っていた。大分遅れて双六小屋に着いたが小屋スタッフの対応からオーナーの小池潜氏だったようだ。家で調べてびっくりだ。


記念写真を撮りまくり

しつこく槍ヶ岳

ズームでもう一枚
 鏡平山荘前のテラスでは冷えた生ビールを楽しむ大勢の登山者がいた。この絶景をつまみに最高だろうなあ。しかし我慢〃〃。ここで飲んだら歩くの嫌になっちゃうよ。双六小屋まで我慢しましょう。昼食をとりながらゆっくりしていると何処からか嫌われ者が現れてきましたぞ。弓折乗越までいけばきつい登りもないだろう。さあ、もうひと踏ん張りだ。

弓折乗越へ

乗越しから鏡平小屋を見下ろす

鷲羽岳が見えてきた

そろそろ草紅葉が始まる

ナナカマドの赤い実と山頂が隠れる双六岳
 鏡平での休憩が効いたのか歩く足も軽くなったような気がする。嫌われ者が幅を利かすようになってはいるが、まあ山の天気だからと快く受け入れましょう。一番見たかったものは見られたからね。

落ちないように気をつけて

双六岳が姿を現した

双六小屋が見えてきた

双六小屋と鷲羽岳と左奥に水晶岳
 この一帯は高山植物が豊富なようだ。出来れば季節の狭間ではなく花が咲き乱れる時期に訪れてみたい山ではある。この時期といえばオヤマリンドウ、トリカブト、アキノキリンソウなどが主な花となるのだろうか。双六小屋が近付くにつれ鷲羽岳がくっきりと見えてきた。これもよく見る風景の一コマだ。テントの数は少ない。小屋もさほど混雑しないですみそうだ。

早朝の双六小屋

樅沢岳からの双六岳
 受付を済ませて部屋に案内される。予想通りゆったりと睡眠がとれそうだ。そう、うるさい鼾がなければね。時刻はさほどでもないが気温はぐっと下がっているようで肌寒さを覚える。ここまで我慢してきた生ビールもどうでもいい気分になったが、それはそれで暖かな談話室で乾杯だ。今日一日の疲れを癒すことにしよう。この小屋は水が豊富でトイレの臭いも気にならない。スタッフの対応もまずまずでいい感じの山小屋だ。夜中に起きれば月明かりと満天の星。明日も期待できそうだ。

樅沢岳から弓折岳・抜戸岳・笠ヶ岳

三俣蓮華岳から鷲羽岳への稜線 遠景に薬師岳
 朝5時の朝食をキャンセルして自炊。しんぷるライフとしては早立ちで槍を目指す。今回は双六岳の登頂は見送りとしよう。ここにはきっとまた来ることがあるだろう。今日は槍穂先での展望を第一に考えよう。日の出前に樅沢岳の山頂に立つ。ここから見る槍穂高連峰は逆光になるため朝焼けは期待できない。待つとすれば西鎌尾根へと続く稜線が明るくなるのを待つだけだ。さあ、槍ヶ岳に向かって歩き出そう。

ススキに秋の気配を感じる

遠くに焼岳〜乗鞍岳そして御嶽山 山頂が朝日に輝きだす

逆光だが北鎌尾根から穂高連峰が一望できる

槍ヶ岳はまだ遠い
 日が高くなるにつれ気温も上がってくる。徐々に薄着になって槍への稜線を歩く。槍から縦走してくる若者の単独行が多いなあ。どこまで行くの?と尋ねると嬉しそうに雲ノ平と答えが返ってきた。いいね、いいね。こちらまで嬉しくなってしまう。さすがにこの稜線は3人で大きく離れず歩いていく。遅れるのはただ一人、執拗に写真を撮りながら歩いているしんぷるだけだ。とってこられるのは写真だけだからね。

振り返れば三俣蓮華に連なる峰々

鷲羽岳と水晶岳

笠ヶ岳は一際目立つ
 徐々に高度を上げ、振り返るたびに少しずつ北アルプスの中核部は姿を変えていく。何度となくデジカメのシャッターを押してしまう。ライフさんは、同じ写真ばっかり撮ってというが、どれ一つ同じものはないのだ。

歩いてきた尾根を振り返る

稜線で一息つく
 息子は今回の山行は親任せで表銀座コースを期待していたようで、少し意気下げていたがそれなりに楽しんでいるようだ。天気予報で北岳・間ノ岳に変更すると言った時にはがっかりしたようだが、ライフさんの一言で北アルプスに来てよかった。表銀座を歩きたければ自分で計画して来ればいいさ。

大分歩いてきた 槍ヶ岳は近い

振り返るたびに全容が見えてくる 立山・剣も
 西鎌尾根は特に危険な個所はなく、鎖場に気をつければいい程度だ。岩場の急登をゆっくりと上がれば槍の穂先が見えてくる。山小屋にザックを置いて山頂をピストンする。周辺の山々には雲やガスがかかり始めてきてはいるが何とか間に合った。

槍ヶ岳の肩から稜線から雲ノ平周辺の山々を望む
 初めて来たときには雲ノ平周辺の山々はわからなかったけれど、今回は事前学習を行ったおかげで大分同定することができた。山頂でシャボン玉を飛ばすおばさんに勧められて、ライフさんも数多くのシャボン玉を青空に飛ばしていた。北鎌尾根を単独で登ってきたという若者も、そのシャボン玉を見て山頂を確信したと言っていた。とにかく、今回の槍ヶ岳登山は大成功だ。

やった〜 槍ヶ岳の山頂だ

燕岳から大天井岳

表銀座稜線 常念岳も見える

笠ヶ岳方面
 山荘に戻ってビールで乾杯。目的は果たしてしまった。ここで時間をもて遊べないのがしんぷる隊の悪い癖。のんびりと山小屋に泊まればいいものをすぐに降りたがる。まあ、ガスもかかってきたことだし、出来ればゆっくりと下界でのんびりもしたいし、ということで1日早く下山することにした。

殺生ヒュッテと槍沢

雷鳥がこんにちわ
 テント場を過ぎ飛騨乗越へと下る。槍沢方面を見下ろしていると雷鳥の親子に遭遇。実に白馬岳で見かけて以来だ。ビデオを撮りながら愛らしい姿をゆっくりと観察することができた。西鎌尾根を歩いているときに飛騨沢から登ってくる登山者の姿が見えていたが、つらそうな姿で登っていた。ここを下るだけなのは嬉しい限りだ。すれ違う登山者とは対照的に楽しく下っていく。ところが石にシコタマ膝を打ち付けて悶絶、大分時間を失ってしまった。

飛騨沢へと下る
 下山路は長くつらいものがあった。槍平小屋に着いた頃にはやれやれと思ったが、まだまだ先は長い。なかなか標高が下がらずプロトレックを間隔も開けずに見てばかり。白出沢を渡り車道に出た時にはホッとした。思い足を引きずるように新穂高に着くと路駐の車はほとんどなくなっていた。下山届を提出して今回の山行を終えた。疲れた〜。

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