仙丈岳
せんじょうがたけ
3033m
南アルプス

 仙丈岳はその中に3つのカールを抱え、女性的でおおらかな山容が特徴的である。藪沢カールや山頂付近には花畑が点在していて、初夏には可憐な花が咲くことから「南アルプスの女王」と呼ばれている。北沢峠を挟んで対峙する甲斐駒ケ岳とは対照的な山である。
登山日 2011年7月17日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 北沢峠(5:20)…二合目(5:38)…五合目(6:32)…馬の背ヒュッテ(7:26-42)…仙丈小屋(8:35-40)…▲3033m仙丈岳(9:08-46)…▲2855m小仙丈岳(10:43)…五合目(11:16)…北沢峠(14:15)
 大平山荘から藪沢コースを上るつもりだったが、登山道は残雪のため通行止めとのことで小仙丈尾根を五合目まで登り馬の背へと出ることにした。山小屋の登山者の朝は早い。時間を見計らって出発だ。朝も早いせいか原生林の中は涼しい。一合目を過ぎ道が平坦になると二合目だ。ここでキャンプ地からの道を合わせる。今日は登山者が多いなあ。抜きつ抜かれつペースは似たようなものだ。

北沢峠から小仙丈尾根へと入る

2合目 トウヒ・シラビソなどの原生林

5合目大滝頭
 三合・四合と過ぎて広葉樹が混じる道を行くと五合目(大滝頭)に出る。ここは馬の背方面への分岐になる。予定通り馬の背に向かい歩きだすが、他の登山者は小仙丈尾根を行くようだ。小仙丈尾根は正面に甲斐駒ケ岳を見ながらの歩きがいいと、昨夜一緒に食事をした登山者が力説していたのでそれに従うことにしたのだ。

北アルプス北部を望む
白馬岳・五竜・鹿島槍ヶ方面だ

馬の背までは何度か沢を渡る

雲海も素晴らしい
 
 この道は北斜面にあるためか大変に涼しい。山腹にはキバナノコマノツメ、カラマツソウ、バイケイソウなどが咲いている。すれ違う登山者はそれなりに多い所を見ると下山に使う登山者が多いということか。藪沢までには幾筋もの名もない沢が流れ、冷たい水を味わうことができる。樹間からは槍・穂高を望むことができる。

バイケイソウと登山者
 

雪の残る沢だ

鋸山方面を望む
南アルプス一番の難路だと

藪沢小屋

藪沢へと出て藪沢コースと合流

馬の背ヒュッテ
 小さな藪沢小屋を過ぎると鹿の食害を防ぐネットが至る所に見られるようになる。やがて藪沢に出ると大平山荘からの道を合わせる。間もなく馬の背ヒュッテだ。ここで長衛荘の朝食弁当にした。稜線を見上げて写真を撮っていると小屋の窓から「残念なお知らせですが、撮っているのは山頂ではありません。名もない稜線の一部です。最近わかったのですが、仙丈岳山頂が南の窓に写るので見てください。」と山小屋の若者が教えてくれた。木の枝が邪魔で視界に入らないようだ。

仙丈岳稜線の名もなき峰

馬の背ヒュッテから望む小仙丈岳

ミヤマキンバイなどが保護されている

ハクサンチドリもチラホラ

馬の背への分岐
 ヒュッテからの道もネットで植生が保護されている。キンポウゲやシナノキンバイなど黄色の花が多い。やがて森林限界を抜けるとハイマツとナナカマドの道となる。ナナカマドは清楚な白い花を咲かせちょうど見頃になている。足元には黄花シャクナゲが多いが既に花期を終えてしまった。

馬の背ヒュッテからは植生保護されている

馬の背 その遠景に八ヶ岳を望む

藪沢カールが見えてきた

乗鞍岳から槍・穂高連峰

チングルマの群生

歩いてきた稜線を振り返る
 徐々に高度を上げていくと登山道わきにはチングルマやコイワカガミなどの群生が見られるようになる。時折ハクサンイチゲも見られるが数は少ない。歩いてきた稜線を振り返れば馬の背の向こうに八ヶ岳が遠望できる。

仙丈小屋が見えてきた

コイワカガミの群生

仙丈小屋から望む藪沢カール

登山路を振り返る 甲斐駒ケ岳の稜線に鋸山 八ヶ岳を遠望する

仙丈小屋

いよいよ仙丈岳が近くなる
 仙丈小屋手前で冷たくおいしい水を頂く。いやあ、生き返るねえ。藪沢カールは美しい。登山道わきには高山植物が切れることなく咲いている。どのピークが仙丈岳なのだろうか?登山者が沢山たむろしているピークに違いない。

イワツメクサと中央アルプス

ミヤマダイコンソウと中央アルプス
 仙丈岳へと続く稜線からの展望も素晴らしい。仙丈岳はなんて良い山だろうか。仙丈岳は登る山、甲斐駒だけは眺める山と誰かが言っていた。多くの登山者で賑わう狭い山頂へと着いた。

小仙丈尾根と甲斐駒ケ岳
 

山頂はすぐそこだ

北岳・間ノ岳
富士山遠景

山頂から小仙丈尾根と鳳凰山を望む

甲斐駒ケ岳と栗沢山からの早川尾根

小仙丈尾根と甲斐駒ケ岳

甲斐駒ケ岳の白い山頂
 山頂からの展望は申し分ない。心地よい風が吹き抜ける「南アルプスの女王」の頂を堪能する。登ってきた登山者の楽しそうな声が山頂に響いている。登ってくる途中も大人の声で「ヤッホー」と何度も聞こえていたなあ。心が解放されるのだろう。

藪沢カールを見下ろす

快適な歩きになりそうな小仙丈岳への登山路

北岳 後ろには富士山

仙塩尾根と大仙丈岳

山頂を振り返る
 ゆっくりと時間を過ごしたいが13時のバスに乗る予定になっている。さあ小仙丈尾根を下っていこう。

鳳凰三山をズーム

小仙丈尾根は素晴らしい展望が続く

藪沢カールと頂上稜線

小仙丈カール側

甲斐駒ケ岳・鋸山を正面に下る

小仙丈岳を望む

北岳ズーム

小仙丈カールだ

小仙丈尾根を振り返る

小仙丈岳が高くなる
 小仙丈岳からは一気に下るようになる。ガレた道を注意深く下る。すれ違う登山者は苦しそうだ。それに合わせたように振り返れば、大きな標高差を感じてしまう。甲斐駒ケ岳からみた小仙丈尾根は歩き易そうに見えたがとんでもない。結構ツライ登りのようだ。藪沢コース経由で登ってきたのは正解だったかも。昨日、膝の痛みに襲われたライフさんは後遺症もなく歩くことができた。天気に恵まれ怪我がない山行はそれだけで大成功なのだ。満足のいく2日間だった。

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