朝日岳
あさひだけ
1945m
みなかみ町

 
登山日 2011年7月6日(晴れ) しんぷる
行 程 東黒沢登山口(5:15)…ヒノキのウロ(6:08)…松ノ木沢の頭(7:00)…▲白毛門(7:52-8:00)…▲笠ヶ岳(8:50-9:00)…烏帽子岳…▲朝日岳(10:05-10:45)…JP(11:02)…清水峠(11:55-12:10)…JR送電鉄塔(12:48)…白樺避難小屋(13:50)…JR見張小屋(15:07)…東黒沢登山口(16:15)
 平日ということもあってか東黒沢登山口には数台の車があるだけだ。準備をしていると女子単独行者(先行者)が挨拶をしながら登山口へと歩いていく。彼女を追って歩くことになるのだろうか。沢を渡って登山道へ入れば急斜面にブナの若葉が目に映える。長丁場だしペースを保って歩いていこう。程なくして先行者に追いつく。後ろ姿を見て歩くのだが、なかなか抜くことができない。このコースを一人で歩くのだから納得はできる。ヒノキのウロの手前で水分補給をしている姿が見えなくなってしまった。水分は2L、やや不安かな。

緑のブナ林が美しい

時折、谷川岳方面が開ける

ヒノキのウロ
 ヒノキのウロを過ぎるといったん傾斜が緩む。尾根筋に出るので展望も開けてくる。朝日が顔にあたって眩しいくらいだ。足元には白や黄色のニガナの花やアカモノなどが咲いている。やがて道は再び急登となり、フウフウいいながら歩いていくと松ノ木沢の頭に出る。先行者はいない。ここで一気に展望が開け、西には谷川岳から蓬峠までの稜線を一望する。前方には白毛門が緑に包まれている。登山道を歩く先行者が見える。大分間隔が開いてしまったが小休止だ。まだまだ先は長い。

谷川岳東面

白毛門とジジ岩・ババ岩
 松ノ木沢の頭からは見た目ほどきつい登りではない。振り返れば尾瀬日光の山々、武尊山、遠く赤城山や子持山が墨絵のように見える。展望の尾根を楽しみながら歩いていく。タニウツギはそろそろ終盤だが、足元にはタテヤマリンドウ、ゴゼンタチバナ、ウラジロヨウラクなどが咲いていて心をなごませてくれる。鎖場を過ぎれば間もなく白毛門の頂上だ。頂上には誰もいない。

武尊山

遠くに赤城山と子持山
 山頂から笠ヶ岳への登山道を眺めてみると残雪の脇を歩く登山者が見える。先行者の先行者のようだ。とにかく小休止だ。谷川岳方面が素晴らしい。北には笠ヶ岳、烏帽子が待っている。山一面が緑に覆われ、その一部を雪渓が彩りをつける。登山道は一筋の線となって登山者を迎えてくれる。吹く風が頬に気持ちがよい。ここまでは予定通りのコースタイムだ。水500mL消費。さあ進もう。

白毛門から笠ヶ岳・烏帽子を望む

白毛門から谷川岳方面
 稜線には多くの花が咲いている。タニウツギ、ベニサラサドウダン、ウラジロヨウラク、シャクナゲ、タテヤマリンドウ、ツクバネソウ、ゴゼンタチバナなど。笠ヶ岳の草付きの登りになるまでは、低木の樹林帯を小さなアップダウンを繰り返していく。お、先行者が見えるぞ。30分くらいは離れてしまったようだ。やれやれ、疲れてきたぞ。立ち止まっては振り返りを繰り返しながら残雪の脇を登っていく。山肌を吹き抜けていく風が心地よい。一踏ん張りで、やはり誰もいない笠ヶ岳の頂上に立った。

タニウツギと烏帽子

ベニサラサドウダン

シャクナゲと白毛門

笠ヶ岳から谷川岳

笠ヶ岳避難小屋と烏帽子

七ツ小屋山と大源太山
 いよいよ目指す朝日岳が見えるようになった。まだまだ遠いなあ。ここ笠ヶ岳山頂からの展望もなかなか良いものだ。北には巻機山へと続く長い稜線、清水峠の先には七ツ小屋山と上越のマッターホルンが、そして振り返れば白毛門の先に県央の山々が霞む。馬蹄形縦走路もほぼ一望だ。さあ、もうひと頑張りだ。先を急ごう。

谷川岳・一ノ倉岳・茂倉岳・武能岳

白毛門を振り返る

ニッコウキスゲはこれから
 避難小屋へと向けて下りていく。鞍部はニッコウキスゲの花畑になるようだ。開花の準備を整えている。もう少ししたら一面黄色の花に覆われるのだろうな。白のカラマツソウも目立っている。烏帽子への登りは意外ときつくない。このコースの中で一番楽に歩ける稜線だろう。黄葉も良いが緑もまた良しだな。タテヤマリンドウが今を盛りと咲き誇っている。その数の多さには驚くばかりだ。白花のものもある。やがて広い山頂が見えてくる。岩場にはホソバヒナウスユキソウが盛りだ。一人の登山者とすれ違った。見れば朝の先行者だ。1時間は差が付いてしまったようだ。「強いですね。休みなしですか?」と訊くとはにかんだ様に「そんなことは…」と答えた。

笠ヶ岳を振り返る

シャクナゲと烏帽子岳

笠ヶ岳からの稜線を振り返る
 登山道にはタテヤマリンドウのほかにタカネバラ、ジョウシュウアズマギク、ミヤマダイモンジソウ、ハクサンチドリなどが足元を飾る。山頂直下の岩場にもウスユキソウが最盛期を迎えている。人の話し声が聞こえるようになると、初めて他人がいる山頂へと着いた。10人程の団体で前日から馬蹄形を縦走しているように見えた。やれやれ疲れた。予定していたコースタイム通り5時間ほどで辿りつくことができた。帰路はピストンの予定だったが、烏帽子・笠を越えて白毛門からの長い急斜面の下りを考えると戻るのが嫌になってしまった。清水峠への下りは楽そうに見える。きつい登り返しもないだろう。さっそく地図を取り出してコースタイムを計算する。6時間20分。16:30までには戻りたい。水1300mL消費。

朝日岳山頂から谷川岳方面

朝日ヶ原と遠く越後三山中ノ岳・駒ヶ岳
 山頂からの展望は良い。北には巻機山へと続く長い稜線。その先には越後三山の中ノ岳・駒ケ岳が、八海山は頭だけを出している。朝日ヶ原には大きな雪田が残っている。そして唯一の木道が敷かれ、谷川山系とすれば独特な風景だろう。咲き遅れたチングルマや雪田脇のイワイチョウの白花を楽しんでジャンクションピークへと向かう。ムシトリスミレも一株見られた。

巻機山へと続く長~い長~い稜線

ジャンクションピークを少し下って七ツ小屋山と大源太山
 やがて巻機山への分岐点だ。道標には「難路・道ナシ」とある。そこには長く険しい道なき道が続いているのだろう。ジャンクションピークからは木の根が張り出していたりガレ場があったりと歩きにくい。とにかく時間を短縮しなければならないと急ぐ。でも時々、小さな花をみて足を止める。ウサギギクやトキソウ・ツマトリソウなどだ。小走りを交えて清水峠に着く。いくつかニッコウキスゲが咲いている。白崩避難小屋の前を通過しJR監視小屋前へと出た。道標が立ち蓬峠・清水・土合への分岐点となっている。大分時間を稼ぐことができた。ここまですれ違った登山者は2組だけ。静かな山歩きと言えるだろう。天気も上々で梅雨の季節としては最高だろう。水の残り500mL、きびしい。

登山道が明確に見える清水峠

清水峠から望む朝日岳山塊
 土合に向けて旧道に入るとすぐに水場があった。顔や腕を冷やしペットボトルに冷水を満たした。元気を取り戻したところで旧道を行く。この道はタニウツギの街道と呼べるほど木が見事に続いている。道は時に消えそうになったり、突然良くなったりと変化に富む。時に不安に駆られるが、新しい踏み跡が残されているので先行者がいるようだ。旧道にはサンカヨウ、シラネアオイ、ムラサキヤシオなどが咲いている。いくつもの沢を渡り、下草がうるさい道を行く。すると今日3組目の登山者2人組。先に年配の登山者とすれ違ったとのこと。さらにデブリ雪渓では下流を巻いたことなど話してくれた。消えて無くなりそうな旧道を登ってくる人もいるのだなあ。旧道は歩けど歩けど標高が下がらず、白樺避難小屋までわずかに150mを下っただけだ。ほとんど時間を稼げなかった。ここからは新道を行く。かつて歩いた道なので記憶に残っているから一安心だ。時刻には間に合いそうだ。新道では一気に高度を下げ、湯檜曽川に沿って歩き、主要な沢を渡って登山口に戻った。もう足はヨレヨレだ。日帰り馬蹄形縦走などは夢のまた夢。

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