谷急山 やきゅうさん 1162m 安中市 |
谷急山は2001年11月に同じコースで歩いている。当時は山歩きを始めて間もない頃で、最後は足が上がらなかった記憶がある。 |
登山日 | 2010年11月9日(晴れ) | しんぷる |
行 程 | 自宅(6:10)=入牧登山口(7:37)…渡渉点(7:55)…三方境(9:02)…P2(9:40)…谷急山頂上(10:22-11:37)…三方境(12:34)…入牧登山口(13:42) |
入牧橋を渡るとすぐに登山口になる三叉路に出る。見覚えのある道標が残っているが文字が消えて見えない。9年も経てば変わりもするのだろう。登山道の記憶もほとんどないので、ある意味、新鮮だ。道標近くの駐車余地に停めて歩きだす。見上げれば裏妙義の岩峰群が素晴らしい。人家を道なりに抜けると並木沢にでる。そのまま林道を進む。足元はジメジメして、背の高い枯れた雑草が残った道は気分がいいものではない。まして熊の生息地などという看板があればなおさらだ。娘にもらった熊除けの鈴を大いに鳴らしながら歩いて行く。 | |||||
渡渉点への下り口 |
並木沢へ下る |
杉林を抜けると雑木林の十三曲がり |
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ようやく道標が見えた。渡渉点のようだ。作業道の様な林道はさらに続いているが、道標に従ってここから沢に降りていく。黄色のテープとオレンジ色のペンキが付けられている。すぐに対岸に道標が見える。右岸へと渡り雑木林の道を行く。黄葉はまだ始まったばかり。少し進むと沢に丸太を幾重にも積み重ねた頼りない橋がある。その先は林道があり、どうやら渡渉点分岐から続いているようだ。帰路に渡ってみたら、案の定、繋がっていた。つまり、並木沢を渡渉しなくてもよかったのだ。杉の伐採作業に使ったものだろう。林道は杉林まで続いている。 | |||||
黄葉はまだこれから |
三方境 |
この道標が続く |
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さあ、ここから十三曲がりが始まる。雑木林のなかをジグザグと高度を稼ぐ。道は落ち葉が堆積してサクサクと気分がよい。十三曲がりが終わると、山腹に沿って道は続く。ところどころに色つきのよいものが見受けられるが、日差しが十分でなく朝のうちは冴えない。生温かな風が吹き抜けていく。西上州の道らしく、一人が歩く幅しかない。急斜面を切って歩くので油断はできない。足を滑らせれば大変だ。特に鎖場そして滝を高巻きするところは要注意。ただでは済まないぞ。 | |||||
日が射せば黄葉も輝きだす |
たまには赤系もある |
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今年は黄色が目立ち、紅は少ない。まあ、山全体が広葉樹と言ってもいいくらいなので、歩いていて心地よい。見とれていると足元が危ないぞ。登山道は切れることなくペンキとテープ、そして統一された道標が付けられているので間違えることはないだろう。やがて三方境に着く。ここは風の通り道になっている。木々を揺らして風が通り抜けていく。少し冷たくなってきたかな。左は烏帽子岩、右は谷急山、前は国民宿舎へと続く道だ。水分補給をして谷急山を目指そう。 | |||||
裏妙義方面を望む 烏帽子岩が天を衝く |
表妙義はシルエット |
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大きく下って女坂の分岐を分けると一気に急登となる。立木につかまりながら息を切らして登っていけばP1だ。再び下り、やせた尾根を登り返す。黄葉が光に輝きだしてきた。2連のロープを登って振り返ると烏帽子岩や丁須の頭が目に入ってくる。登山者がいれば見えるようだ。正面には荒船山、そして鹿岳などの南牧の山々が続いている。表妙義は墨絵のようだ。続いて鎖場を登り上げるとP2だ。浅間山、浅間隠、鼻曲山などが視界に入ってくる。 | |||||
谷急山は一番奥 |
山頂から高速道路、高岩と上信の山々 |
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目指す谷急山も近くなってきた。P3からはVキレット、そしてP4ととにかくアップダウンが多い。登りは急斜面で十二ヶ岳の男坂を思い出させるほどだ。息を切らせながら前に進むと谷急山の山頂へと出た。3等三角点が置かれた狭い山頂である。それゆえに展望には優れる。が、今日は雲が厚く、やや霞みがちだ。裏妙義山塊の眺めがよい。その遠景には榛名山が大きい。赤城山がその右手に霞む。 | |||||
山頂からのパノラマ(南方面180度) |
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鼻曲山と浅間隠山 |
雲を被った浅間山 |
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時折、突風が吹くが山頂は強くはない。風に舞い上がった落ち葉がまるで鳥のように流れていく。徐々に日が高くなり、表妙義もシルエットから解放されてきた。浅間山に厚くかかっていた雲も徐々に晴れてきている。もうすぐ白く化粧をするのだろうなあ。 | |||||
山頂ではゆっくりとした時間を過ごした。急斜面の下りは神経を使う。道が落ち葉に覆われていることが多く石車にでも乗れば大変。立木につかまりながら慎重に下りていく。風も出てきたようで、三方境から下っても、強い風が落ち葉を舞い上げている。サクサクと落ち葉を踏みしめながら広葉樹林帯を下っていく。三方境までの雑木林は素晴らしい。新緑の頃にも歩いてみたい道だ。ただ、道は危険個所が多く十分な注意が必要だ。 |