乗鞍岳
のりくらだけ
3026m
北アルプス
(長野県・岐阜県)

 乗鞍岳は大きな山だ。岐阜県側から乗鞍スカイライン、長野県側からは乗鞍エコーラインが、標高2700m余りの畳平まで延びている。乗鞍岳を最初に訪れたのは、もう15年も前になろうか、子供たちとキャンプを楽しんでいた時のことだ。当時は畳平までマイカーを乗り入れることができた。その時は、小石が飛んでくるほどの強風に登頂を諦めた。
 2度目は山歩きを始めてからだが、雨の中、登頂を果たしたものの、山頂はガスの中で何も見えなかった。今回は、地元観光会社のエクセレントツアーに参加してみた。
登山日 2010年7月28日(曇り一時晴れ) しんぷるライフ
行 程 畳平(9:50)…肩の小屋(10:20)…蚕玉岳(10:50)…剣ヶ峰(11:05-35)…富士見岳往復(12:30-45)…お花畑最奥(13:10)…畳平(13:25)
 バスの中でうつらうつらしていると、乗鞍スカイラインを経て畳平に着いた。マイカー規制のため観光バスしか乗り入れはできないのでかつての混雑はない。弁当とお茶を配られて歩き始める。まずはお花畑を通って行こう。ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、チングルマ、クロユリなどが咲いている。種類は少ないが数は多いのだ。

標高2702mの畳平、マイカー規制がある

お花畑のハクサンイチゲ・ミヤマキンバイ

ミヤマダイコウンソウも多い
 お花畑から一旦車道に出る。ここから肩の小屋までは車道歩きとなる。コロナ観測所の建つ魔利支天岳は、一般者立ち入り禁止のため登ることはできないようだ。分岐を過ぎると肩の小屋と剣ヶ峰が見えてくる。

不動岳と不消ヶ池(きえずがいけ)

恵比寿岳と富士見岳を振り返る

剣ヶ峰が見えてきた
 森林限界を越えた高山はすっきりとした展望がいい感じだ。空には雲が多いが、なんとか持ってくれよ。

高天ヶ原と乗鞍エコーライン

ウサギギクが登山道脇に咲く

山頂はガスが…
 魔利支天岳を巻くような車道を進むと、終点の肩の小屋に着く。多くの登山者が休憩をしているが、疲れてもいないのでそのまま通過。

肩の小屋と魔利支天岳

魔利支天岳とコロナ観測所

蚕玉岳から剣ヶ峰を望む
 流れる雲と垣間見られる青空でめまいがするようだ。歩きにくい砂礫の登山道をヨタヨタと登っていく。剣ヶ峰には社が見えている。

白砂の蚕玉岳(こだまだけ)

剣ヶ峰から権現池を見下ろす

剣ヶ峰から大日岳(奥の院)・屏風岳・薬師岳
 白砂が美しい蚕玉岳までくると、眼下に権現池が見えるようになる。これは火口湖のようだ。頂上小屋の前を通り長野県側に乗鞍権現、岐阜県側に御嶽神社が置かれた剣ヶ峰に着く。社が大きくて景観を損ねるようだがどうだろう。岐阜県側には、大日岳・屏風岳・薬師岳が連なり、県境には歩いてきた蚕玉岳・朝日岳が火口湖である権現池を囲むように鎮座する。

剣ヶ峰から蚕玉岳を見下ろす

アオノツガザクラが咲く

ツバシオガマも所々に
 ガスで日が陰ると寒い。冷たい風をよけながらの昼食だ。その間、登山者がひっきりなしに入れ替わる。身体が冷え切らないうちに下山としよう。帰りは花を見ながらゆっくりと下ろう。

コバイケイソウ

チングルマだ

言わずと知れたコマクサ
 位ヶ原の大雪渓ではスキーヤーが夏スキーを楽しんでいる。リフトもないから担いで斜面を上っていくのも大変だろう。

帰路に振り返る剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳

富士見岳から下る

富士見岳から望む恵比寿岳と畳平
 富士見岳入口まで戻る。時間もまだ余裕だし、山頂まで10分とあるので往復してみよう。違った展望を楽しめるだろう。畳平がよく見える。遠くに槍・穂高が見えるはずだが、雲が厚いのだ。 来た道を戻り、再びお花畑の中を散策して畳平に戻った。湯けむり館の白濁の湯に浸かる頃には、すっかり雨となっていた。
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