谷川岳 たにがわだけ 1963m みなかみ町 |
谷川岳は梅雨の晴れ間に訪れたい山だ。西黒尾根とトマノ耳からオキノ耳までの稜線で花と展望を楽しめる。 |
登山日 | 2010年6月22日(曇りのち晴れ) | しんぷる |
行 程 | 西黒尾根登山口(6:15)…道標(7:00)…巌剛新道分岐(8:15)…氷河の跡(9:05)…四ノ沢の頭(9:25)…谷川岳トマの耳(9:37)…オキの耳(10:00)…奥の院(10:05-10:15)…トマの耳(10:35-55)…熊穴沢避難小屋(11:45)…田尻尾根分岐(12:13)…車道(12:50)…国道291(13:02)…西黒尾根登山口P(13:10) |
谷川岳とはいえ、平日の梅雨空とあっては賑わうこともないだろう。西黒尾根登山口手前の駐車余地には1台の軽自動車のみ。隣に駐車して歩きだす。今日は花を楽しみに来たので、雨さえ降らなければ御の字だ。赤城山ではうるさかった春ゼミの合唱は全くない。山はまだ眠りから覚めていないようだ。いつもはブンブンと忙しく飛び回るクマンバチも小枝で寝ている。 | ||
西黒尾根のブナの巨木 |
ギンリョウソウは多く見かけた 別名:メダマオヤジ? |
登山道の緑が美しい |
静かな登山道を行く。いつもの様に鉄塔は素通りして道標で一服だ。道標から歩きだすと、ラクダの背へと続く尾根が見えるのだが、今日はガスではっきりと見えない。急登は少し緩んで一息つける。しかし汗がポタポタと滴ってくる。こんな日でも夏の山歩きには十分な水分量が必要だ。時折聞こえるホトトギスなどの鳥のさえずりが耳に心地よい。再び上りになってくると、いつの間にか春ゼミの鳴き声がどこからともなく聞こえてくる。ベニサラサドウダンはすでに落花。足元にはマイヅルソウが咲き始めている。 | ||
道標から先方はガスにけむる |
アブラツツジ?やっと焦点が合った |
タニウツギと昇ってくるガス |
樹林帯の花を楽しみながら行くと、タニウツギが咲く岩場へと出る。ここは一瞬展望が開けるのだが、再び樹林帯へと入っていく。ラクダの背に向かって傾斜が増してくる。露岩も多くなるが、それに伴って花も姿を見せるようになる。ハクサンコザクラやホソバヒナウスユキソウが姿を見せ始める。これらはまだ先にたくさん楽しめるはずだ。少し終わり加減だから、この先期待できそうだ。 | ||
ベニサラサドウダンも見頃 |
視界が少しはっきりしてきた |
ウラジロウヨウラクは好きな花 |
鎖場を何箇所か乗り越えていくと、あっさりラクダの背の道標が立っていた。ガスで展望がなく淡々と歩いていたせいかな。樹林帯を抜けてから、雲行きが悪く、嫌な風が吹いていたこともあり、駄目そうなら巌剛新道を下ればいいやと気楽に考えていたことも良かったのかな。まあ展望がないのは変わらない。 | ||
いくつかの鎖を過ぎればラクダの背 |
天神平方面はガスの中だ |
ムラサキヤシオがわずかに残っている |
ガレ沢のコル・巌剛新道分岐だ |
アカモノも群生している |
ラクダの背方面を振り返る |
ガレ沢のコルに立つと少し視界がはっきりしてきたこともあり、このまま頂上を目指すことにした。ここからが花が本番なのだ。岩場には黄色い道案内のペンキが目立っている。 | ||
いよいよ岩場に突入 |
ハクサンコザクラがちょうど見頃 |
ホソバヒナウスユキソウもいいね |
さあさあ、真打登場だ。ハクサンコザクラ、イチゲ、ウスユキソウが真っ盛りだ。稜線の北斜面に咲く花々を、マチガ沢の雪渓を見下ろしながら見られないのが誠に残念だ。でもこれだけのものが見られれば良しとしよう。トマの耳から奥の院までの稜線も楽しみだし。 | ||
ハクサンイチゲも丁度いい |
黄色はキンポウゲ |
登ったことのないザンゲ岩 |
氷河の跡、さらにザンゲ岩を過ぎると山頂はいよいよ近い。肩の小屋直下には雪渓が残り、その周囲にはショウジョウバカマやコシジオウレンが咲いている。ロープを便りにホワイトアウト状態の雪渓を渡る。道標が見えれば一安心だ。肩の小屋には寄らずにトマの耳へと急ぐ。 | ||
ウラジロヨウラクの小さいもの、色が淡い |
コシジオウレン(ミツバノバイカオウレン) |
道標も煙る |
誰もいない山頂は静かなものだ。風もほとんどなく、じっとしていると体が冷えてくる。先を急ごう。直下にはシラネアオイがいつものところに群生している。シラネアオイの先は雪渓が残りマチガ沢の頭になっている感じだ。足元には花が次々と現れる。のんびりと足を運ぼう。 | ||
誰もいない谷川岳トマの耳 |
山頂を下ると雪渓の上にシラネアオイが群生 |
雪渓はマチガ沢へと落ちていく |
チングルマもいい感じ |
ハクサンイチゲの群落 |
寂しい谷川岳オキの耳 |
オキの耳も静寂の中。奥の院のお花畑を目指す。奥の院の岩峰は花が咲き乱れているのだ。キバナノコマノツメ、ツガザクラなどが参戦だ。少し視界が良くなってきた感じだが、なかなかガスは切れてくれないのだ。さあ、花を堪能したら戻ることにしよう。 | ||
ハクサンチドリが一株だけ |
奥の院の周辺は花が多いのだ |
稜線を振り返りますが… |
雨に濡れたハクサンコザクラ |
白のコイワカガミ |
ツガザクラが岩場にひっそりと |
トマの耳に戻り、食事休憩をするが、誰もやってこない。さあ、天神尾根へ下ろう。先が見えず、奈落の底まで続くかと思われた肩の小屋直下の雪渓を注意深く下り天神尾根を足音軽やかに下っていく。しかし、一人の登山者にもあわないのはどうしたわけだ。おかしい。物好きの一人位いてもおかしくはないはずだ。6月か、ロープウェイの点検休業中?RWに注意して下っていくと、やはり動いていない。これは予定変更で田尻尾根を下るしかない。 | ||
肩の小屋下にはまだ残雪が多い |
残雪を注意深く下りれば |
天神尾根を下る |
天神尾根はイワカガミがずっと咲いている。ゴゼンタチバナも多い。オオカメノキの白い花は落下している。避難小屋を過ぎるとムラサキヤシオ、タムシバなどが少し残っている。西黒尾根のガスが上がってきているなあ。 | ||
田尻尾根を下ることに |
西黒尾根、雪渓が残るのは西黒沢かな |
白毛門・笠ヶ岳も見えてきた |
田尻尾根を下ることになった。紅葉の秋に歩くのはよいが、この季節はどうだろうか。残念ながら花には恵まれません。展望もなくひたすら樹林帯を進む。時折、北方の展望が開ける。ありゃ、天気がっ良くなってきている。もう少し、山頂で時間をつぶせばよかったかな。梅雨時期の天気予報は当てになりません。まあ、涼しい時に歩けたということで^_^; |