坂戸山
さかとやま
634m
新潟県

 坂戸山は、上杉景勝の難攻不落の要塞といわれた坂戸城跡で、国指定の文化財となっているそうだ。何よりもカタクリの群生地が多いことで訪れる登山者が多い。コース取りとしては、花が多い城坂道を登り、展望がよく階段が多い薬師尾根道を下るのが一般的なようだ。
登山日 2010年5月2日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 鳥坂神社(8:25)…坂戸山頂上(9:25-35)…大城(9:43-10:06)…坂戸山頂上(10:20)…桃の木平(10:30)…城坂道入口(11:00)…鳥坂神社(11:23)
 鳥坂神社駐車場への道は係員が立ち、満車であるため別の駐車場へ止めるように指示を受けた。100m程戻り、簡単に支度をして歩き出す。道は薬師尾根登山道への道標が適当な間隔で立っている。地元では直江兼続生誕の地、またカタクリ群生地として観光客誘致をしている。神社脇から薬師尾根道が始まる。階段を過ぎ、桜咲く広い道になると「今日、4往復目の人が直に下りてくるよ。」とすれ違いざまに聞かされた。この坂戸山は六日町の里山であり、群馬でいえば吾妻、水沢、戸神山などと同様に、地元市民に愛されている山のようだ。

登山口 鳥坂神社

薬師尾根を上る

山桜が満開
薬師尾根コース:桜、イワウチワ、ショウジョウバカマ、イワナシ、マンサク、タムシバ、ミネザクラ、ミツバツツジなど
山頂から大城コース:カタクリ、ショウジョウバカマ、タムシバなど
城坂コース:カタクリ、ショウジョウバカマ、イカリソウ、キクザキイチゲなど

広く穏やかな上りを行く

六日町を見下ろす

イワウチワがびっしり
 一本杉への分岐を左に分けて尾根道を行く。足元にはイワウチワが延々と続く。丸太階段が続く道は結構ツライものがある。この道を上る登山者は決して多いとは言えないようだ。おかげでゆっくりと写真を撮りながら歩いていける。やがて足元にはイワナシが数多く見られるようになる。軽く目線を上げればマンサクや純白のタムシバが青空に映える。振り返って見れば、魚野川の清流が輝く六日町が眼下に見える。遥かに目をやれば残雪の苗場山がいつもと違う山容で姿を見せている。

タムシバにカメラを向ける

清楚な白が美しい

大好きなイワナシの花
 この山域は八海山しか登ったことがないのでまるで不案内だ。山地図を持ってこなかったことを後悔した。家に戻って調べるしかあるまい。階段が一段ときつくなると山頂は近い。ロープ場を過ぎると富士権現社の建つ坂戸山頂上に出た。ここは実城と呼ばれ広場となっていて展望がよい。社の脇にはカタクリとショウジョウバカマが咲いていた。

金城山

実城と呼ばれる山頂

小城、大城へと続く稜線
 さて、一面カタクリ畑になっているとの大城に足を運ぼう。わずかに↓↑があるが楽チンだ。稜線もカタクリの道となっている。小ピークの小城を過ぎ、行き止まりの大城へと着いた。前方の大きな山は金城山だ。金城山の後ろには巻機山が隠れている。左へ目を移すと丹後山・大水上山から中ノ岳への稜線、そして八海山が白い雪を残している。そんな景色を見ながら小休止だ。金城山からの展望がどうだかはわからないが、立木に邪魔されなければ素晴らしいものがあるだろうなあ。後で調べてみよう。

八海山・中ノ岳方面
4
魚野川と苗場山

大城と金城山
 下山は城坂道だ。この道はカタクリの群落が、これでもか〜とばかりに続いている。山全体がカタクリで覆われているような感覚さえ覚える。それに混じってショウジョウバカマも多い。桃の木平はまだ残雪の下だ。ここのカタクリの群生が素晴らしいらしい。

城坂道を見下ろす

城坂道入口

カタクリが群生している
 この城坂道は登ってくる登山者が多く、すれ違うのも大変だ。途中に雪田や雪渓が残る。低山にもかかわらず残雪の量を見れば、冬の雪深さが想像できるというものだ。やがてキクザキイチゲが混じるようになると城坂道の入口へと出る。桜咲く遊歩道をダメ押しのカタクリに見送られながら神社へと戻った。

 帰路に「与六のお茶飲み場」に寄ってみた。地元ボランティアによる無料の茶屋だ。山菜を使ったお茶受けを御馳走になり、帰りにはコスモスの種と折り紙に入れられた楊枝を土産にもらった。うれしい1日となった。
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