八ヶ岳 やつがたけ 2899m 中岳・赤岳・横岳・硫黄岳 長野県 |
登山日 | 2009年7月19日(雨)〜20日(晴れ) | しんぷるライフ、IT、SN |
行 程 | 1日目 美濃戸(7:50)…行者小屋(9:55-10:15)…文三郎尾根分岐(10:25)…中岳のコル(11:15-20)…中岳(11:45)…文三郎尾根分岐(12:15)…赤岳頂上小屋(12:45) 2日目 赤岳(5:40)…赤岳天望荘(6:10)…地蔵の頭(6:15)…三叉峰(7:10)…横岳(7:40)…硫黄岳山荘(8:15-35)…硫黄岳(8:55-9:10)…赤岩の頭(9:30)…赤岳鉱泉(10:30-11:10)…堰堤広場(11:55)…美濃戸山荘(12:30)…やまのこ村(12:40) |
■美濃戸から行者小屋 美濃戸口から悪路を抜けて「やまのこ村」に着いたときには小雨となっていた。前日の天気予報では明日は晴れ、当てにはならないがそれにすがって歩き出した。美濃戸山荘は赤岳鉱泉へ続く北沢と行者小屋へと続く南沢との分岐地点になる。今日は直接赤岳を目指すので南沢を行くことになる。北沢はしばらくの間林道歩きだが、南沢は分岐からいきなり登山道だ。沢に沿って何度も右岸左岸を行き来しうっそうとした深い樹林帯を歩いていく。多くの登山者と抜きつ抜かれつしながら行者小屋に着く。 |
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美濃戸山荘前の案内板 |
柳川南沢を行く |
賑わう行者小屋 |
■行者小屋から中岳のコル 小屋から10分ほどで文三郎尾根と道を分ける。阿弥陀岳山頂を踏みたいというわずかな希望を捨てきれないので分岐を中岳へと進めた。稜線の風は強いのだろうが、この道は穏やかで明るい感じが心地よい。ミヤマキンポウゲやキバナシャクナゲを楽しみながら高度を稼いでいく。下ってきた登山者に稜線の風のことを尋ねると、「中岳は穏やかだが赤岳方面はかなり強い」とのこと。途中崩壊箇所を整備された巻道を行くと稜線に出た。道標は立っているが文字は消えている。ガスで展望が得られない阿弥陀岳は残念ながら断念だ。中岳を目指す。 |
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文三郎尾根と中岳コルへの分岐 |
岩場にはミヤマダイコンソウ |
石碑だけの中岳頂上 |
■中岳コルから赤岳 ガスで先の見えない中岳への上りに入る。ハイマツと低木をかき分けるように歩いていく。そこを抜けると露岩帯となりミヤマダイコンソウなどが慰めてくれる。一上りで石碑の置かれただけの中岳山頂だ。展望はないので足下ばかり見ながらの歩きが続く。中岳からは露岩帯を下るが砂礫帯にはコマクサが点々と咲いている。群生地を過ぎると赤岳とのコルだ。 |
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イワヒゲ |
高山植物の女王コマクサ |
ミヤマシオガマ |
赤岳への上りに入ると先ほどの登山者に言われたとおり風が強くなってきた。ガスも濃くなり眼鏡も直ぐに曇ってしまう。突然に文三郎尾根からからの道を合わせる。間もなく本格的な岩場の上りとなるがチョウノスケソウやイワベンケイなどが登山道を飾る。ガスと風の中でレンズを向けながらダラダラと上っていく。赤岳直下は強風が吹き荒れ恐怖すら覚えるほどだった。ふとトムラウシ山の遭難事故が頭をよぎる。やがてガスに煙る赤岳南峰に出た。頂上小屋に急ぐ。 | ||
チョウノスケソウが多い |
雨と強風の赤岳直下、権現岳分岐 |
ガスに煙る赤岳南峰 |
■赤岳頂上小屋 小屋に入って宿泊手続きをする。一泊二食\8500、缶ビール350mL\550、ペット水500mL\400、天水は無料。天気の悪さから昨日に次いで半数近くはキャンセルのようだが、それでも布団2枚で3人と言われて案内を受けた。掲示板の明日の天気予報は霧のち雨一時曇り(^^;)…うそだろ〜。予報は当てにならないからな。風雨荒れ狂う中のんびりと時間を過ごす。 明け方になっても風は鳴りやまずにいた。気圧計は前日の700→703hPaへと上昇している。宿泊者が次々と起き出したので外に出てみた。雲海の空に朝焼けだ、やったね! 風の強い山頂で記念写真を撮る。山頂からは今日歩く硫黄岳までの縦走路がはっきりと見て取れる。東には5年前に縦走した権現岳が北岳を盟主とする南アルプスの山々を遠景にどっしりと鎮座している。南には富士山がすっきりとした姿で存在感を示す。そして昨日断念した阿弥陀岳が近い。中央アルプス、独立峰の御嶽山、乗鞍岳から延々と続く北アルプスの山々、雲海には火打・妙高が浮かぶ。 |
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雲海に待望の日の出だ |
富士山も姿を見せる |
左から三ツ峰・権現岳・編笠山・西岳 遠望は南アルプス |
朝焼けの赤岳南峰 |
これから歩く縦走路を望む |
赤岳頂上をバックに |
■赤岳頂上小屋から赤岳天望荘 小屋の前に県界尾根の分岐がある。待望の天気の下、笑顔の仲間達と縦走路を歩き出す。先ずは天望荘への急峻な岩場の下りだ。浮き石が多く落石に中止しながらの歩きとなる。ゆっくりと縦走路を楽しもう。振り返りながら下りていくと風車が特徴的な天望荘へと着く。特に用もないのでそのまま素通りだ。 |
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赤岳頂上小屋前から県界尾根が派生する |
赤岳頂上を振り返る |
赤岳天望荘は直ぐそこだ |
■赤岳天望荘から横岳 天望荘からは上りとなる。上り始めると直ぐに地蔵尾根への分岐に当たる地蔵の頭に着くと、ツアーガイドが下りるための注意事項を面白おかしく登山客に伝えている。下山路としては最短なんだろうな。二十三夜峰、大権現の石碑を過ぎて三叉峰だ。地図では三叉峰を過ぎてから大権現となっているがどうしたわけだろうか。三叉峰で杣添尾根を右に分ける。横岳一帯は梯子あり鎖ありとやっかいな登山道が続く。前を見ても後ろを振り返っても変化のある展望が楽しめる。 |
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地蔵尾根を見下ろす |
赤岳を振り返る |
はいポーズ |
三叉峰は杣添尾根への分岐だ |
歩いてきた縦走路を目に焼き付けよう |
大同心と硫黄岳 |
台座ノ頭と硫黄岳 |
富士山ズーム |
賑わう横岳頂上奥の院 |
槍・穂高連峰 |
大同心 |
珍しい白色のコマクサ |
■横岳から硫黄岳山荘 山頂標識の立つ奥の院は多くの登山者で賑わっている。奥の院を過ぎ、カニの横バイがある横岳核心部は大した危険性もなく難なく通り過ぎていく。コマクサが咲き乱れる砂礫地帯をゆっくりと下っていく。硫黄岳山荘が建つ大ダルミは風の通り道だ。どうも稜線の山小屋周辺は風が強いらしい。ウルップソウは時期が少し遅いらしく元気な花にはあまり出会うことが出来なかった。 |
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コマクサ群生地となっている |
硫黄岳山荘から青空が広がる |
硫黄岳へはケルンが道案内 |
■硫黄岳山荘から硫黄岳 山荘で用を足して出てみると青空が広がってきている。雨でなかっただけ幸運なものをもう少し時間を遅らせて歩き始めればよかったかななどと不埒な考えが頭をよぎる。大きく積まれたケルンと緑色の細いロープに従って硫黄岳への緩やかな上りを行く。やがて石を敷き詰めた硫黄岳の山頂だ。広々とした頂上大地はゆったりと登山者を迎えてくれる。爆裂火口は硫黄岳の名にふさわしい迫力をもった雰囲気がある。 |
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縦走路を振り返る 右は阿弥陀岳 |
爆裂火口 |
同じく火口をのぞき込む |
北八ヶ岳方面と蓼科山 |
硫黄岳で記念写真 横岳・赤岳・阿弥陀岳 |
白砂の砂礫地へと下る |
■硫黄岳から赤岳鉱泉 硫黄岳では北八ヶ岳がおいでおいでと誘っているようだ。最奥は蓼科山だがかなりの距離があるなあ。見下ろせばオーレン小屋だ。赤岳から硫黄岳までの稜線歩きはなかなか快適だ。今回のコースは日帰りでも充分楽しめるコースだろう。雨量計近くから白砂の鞍部へと下る。いよいよ八ヶ岳縦走路ともお別れだ。前回の満たされない気持ちがすっきりと晴れ渡っている。シラビソやダケカンバの樹林帯をジグザグと下りジョウゴ沢を渡れば赤岳鉱泉だ。やれやれ遭難することはもうあるまい。テーブルを借りて簡単な昼食とした。缶ビール350mL\500で山頂より50円安くなっている。 |
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白砂と緑と青のコントラストが素晴らしい | いよいよ稜線を後にする |
キバナシャクナゲも多い |
歩きやすい赤岳鉱泉への下り道 |
シラビソの樹林帯 |
赤岳鉱泉に降り立つ |
■赤岳鉱泉から美濃戸 うっそうとした南沢とは違って明るい北沢をゆっくりと下っていく。今日の天気には感謝だ。堰堤広場直前で増水時の巻道を合わせて登山道は終わる。あとは美濃戸へと続く車道を歩いていくだけだ。シロバナヘビイチゴやオダマキの咲く道は火照った足をクールダウンするにはちょうど良い。花の種類は多いとは言えないがその量には圧倒されるものがある。 |
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赤岳鉱泉 |
赤岳鉱泉と大同心・小同心 |
柳川北沢 |
キバナシャクナゲ、ミヤマダイコンソウ、タカネツメクサ、オヤマノエンドウ、チョウノスケソウ、コマクサ、イワウメ、ミヤマシオガマ、コケモモ、ハクサンイチゲ、ゴゼンタチバナ、ハクサンイチゲ、ウルップソウなど稜線を通して咲いている花数が多い。美濃戸山荘前で南沢からの道を合わせ周回の度は終わりだ。やまのこ村では缶ビール\400となっていた。 |