至仏山
しぶつさん
2228m
片品村・みなかみ町
山ノ鼻から望む至仏山
登山日 2009年7月12日(曇り一時雨) しんぷるライフ、KM、U夫婦
行 程 鳩待峠(7:20)…山ノ鼻(8:15)…森林限界(9:00)…至仏山頂上(10:50-11:50)…小至仏山(12:30)…笠ヶ岳分岐(13:00)…原見岩(13:22)…鳩待峠(14:10)
 今年は梅雨らしい梅雨を迎えている。もっともこの季節は展望には優れないから近くの山並みが見えれば良いだろう。私の読みでは今日は何とか天気は持つ。そんなわけで年に一度はの尾瀬を歩くことにした。梅雨時期はおそらく一番花の種類が多いはずだ。鳩待峠からピストンするよりは東面から周回してみよう。250mも標高を下げてから登り上げるのも気が向かないが、それ以上の楽しさはあるはずだ。

鳩待峠から山ノ鼻に下る

オオレイジンソウが数株

鐘で人間がいることを知らせて下さい
 尾瀬戸倉第1駐車場に初めて駐車し鳩待峠を目指す。ここは標高約1000mだから650mほど乗り合いバスやタクシーで高度を稼ぐことになる。笠ヶ岳へ行くかの選択はあったが定番の至仏山を目指すことに決定。まだ歩いた事のない東面の上りを体験してみよう。山ノ鼻への下りは緑が深まり足下の花は少ないが、数多くのズダヤクシュが地味な花を咲かせている。ハクサンシャクナゲの白い花が最初に出迎えてくれた。木道脇には以前はなかったベンチが数台置かれている。また数カ所に熊避けの鐘が新たに設置されている。足早に木道を下っていけば山ノ鼻だ。

至仏山荘の手前にはショウキラン

山ノ鼻の道標

目指す至仏山
 軽く一息ついて至仏山を目指す。湿原にはニッコウキスゲが咲き出しワタスゲも元気だ。木道を進めば玉原湿原にも見られるサワランやトキソウも数多く咲いている。曇り空ながらお隣の燧ヶ岳もよく見える。

ニッコウキスゲとワタスゲ

湿原にに咲くサワラン

同じくトキソウ
 湿原の花を楽しんでから東面の樹林帯に入っていく。ベニサラサドウダンが迎えてくれるが落花もそれなりに多い。展望も風もなく一気に汗が噴き出してくる。

ニッコウキスゲと燧ヶ岳 

至仏山東面の上りに入る

ヒメシャクナゲ
 それでも草地帯には徐々に花が姿を見せ始める。やがて1620m付近の森林限界看板を過ぎると展望も開けてくる。鬱蒼とした樹林帯から解放された草花が主役になる。尾瀬の植物種は約420ほどあるそうだが一日のハイキングで何種類にお目にかかることが出来るのだろう。

ダイモンジソウ

コバイケイソウと燧ヶ岳

イワシモツケ
 鎖場の上からは尾瀬ヶ原が一望だ。森林限界から30分ほど、一息つくと良いだろう。

蛇紋岩の鎖場

鎖場の上から尾瀬ヶ原を見下ろす

シブツアサツキ
 ポツリポツリと小雨が落ちてきたが歩いていれば乾いてしまう程度のものだ。ガスも時折あがるが展望を妨げる程ではない。

ハクサンコザクラが残っていた

ヨツバシオガマとタカネシュロソウ

タカネバラも数多く見られた
 ハナニガナ、イワカガミ、イワハゼ、コメツツジ、ネバリノギラン、ジョウシュウアズマギク、ヒメシャクナゲ、ウスユキソウ、タカネシュロソウ、タテヤマリンドウ、ウラジロヨウラク、ハクサンチドリ、ウサギギク、チングルマ、ハクサンイチゲ、ムシトリスミレ、キバナノコマノツメ、シナノキンバイ、オゼソウなどが数多く咲いている。

そろそろ山頂は近い

小至仏山と武尊山遠景

大混雑の至仏山頂上
 森林限界を過ぎてから高山植物を楽しみながら上ってきたが、濡れた蛇紋岩は滑って歩きにくい。やがて登山者で大にぎわいの山頂に着く。三角点近くに腰を下ろし同行者を待ちながらの昼食だ。やや雲が厚くなり薄日も陰り寒くなってきた。久しぶりのラーメンで空腹と寒さを凌ぎました。

日光白根、錫ヶ岳遠景

西へと下る蛇紋岩の岩尾根

笠ヶ岳沢と武尊山遠景
 北には平ヶ岳から越後三山、西には巻機山から谷川岳が墨絵のように並ぶ。東には燧ヶ岳さらに日光白根山、南には笠ヶ岳その遠望に武尊山だ。重苦しい曇り空の下ガスに巻かれることもなく、それなりの遠望を楽しむことが出来る。

ホソバヒナウスユキソウ群生

キバナノコマノツメ

岩場に咲くヨツバシオガマ

小至仏山へと続く稜線

小至仏山頂上は寂しい

オヤマ沢田代へと続く登山道は花畑
 小至仏山を目指そう。蛇紋岩帯とぬかるんだ足下が要注意だ。歩き方が下手なものだからズボンの裾を汚す。スパッツが必需品だなあ。すれ違いに時間を使いながら転けないように進むしかない。ぬかるみを抜ければのんびりと花を楽しむことが出来る。ホソバヒナウスユキソウ、キバナノコマノツメが群生して咲いている。またタカネツメクサ、ホソバツメクサなどの白花も多い。タカネバラやヨツバヒヨドリ、ハクサンチドリ、イブキジャコウソウ等々今が旬だ。

チングルマもまだ元気だ

歩きにくい岩場が続く

ジョウシュウアズマギク
 小至仏山からオヤマ沢田代までもお花畑となっている。チングルマ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、オゼソウ、ジョウシュウアズマギク等々の歓迎を受けながらの下りだ。やがて樹林帯となりイワカガミ、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナなどが主役だ。

オガオヤマ沢田代を抜けると樹林帯に入る

尾瀬笠ヶ岳への分岐

ワタスゲを楽しむ

生き生きとしたイワカガミ

至仏山を仰ぎ見る

喧噪の鳩待峠
 変化の乏しくなった展望のない道を足早に下っていけば原見岩だ。ここも小さいながら花畑となっている。名前の通り尾瀬ヶ原を見下ろすことの出来るポイントとなっている。地元のタクシーに訊いたところ、6月の第1週、海の日、体育の日は大渋滞になるので避けて下さいと言っていた。出来れば静かな尾瀬を楽しみたいものだが。
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