至仏山
しぶつさん
2228m
片品村・みなかみ町
登山日 2008年7月20日(晴れ) しんぷるライフ娘、IT、OR
行 程 鳩待峠(7:05)…65…原見岩(8:10)…30…オヤマ沢田代(8:40)…60…小至仏山(9:40)…12…至仏山頂上(10:30-11:10)…110…山ノ鼻(13:00-13:30)…70…鳩待峠(14:40)
 尾瀬国立公園の西端に位置する至仏山は、蛇紋岩特有の貴重な高山植物が数多く見られる日本を代表する花の名山である。しばらくの間、山ノ鼻からの直登ルート(通称 東面登山道)は荒廃し植生復元のために通行禁止となっていた。しかし、復元のための調査と整備が終わり上り専用にて通行可能となっている。また5月の連休後は、雪解けが終わる6月一杯まで、同様に植生保護のため登山禁止となっている。
 仕事の合間を縫って帰省した娘が同僚を連れてきた。利根沼田地方は尾瀬や谷川が有名である。体力には自信があるというので尾瀬を案内することにした。1時間ほど寝過ごしてしまったためか戸倉の駐車場は満車で、スキー場まで回される羽目になってしまった。今はニッコウキスゲの最盛期であり、鳩待峠には環境ボランティアが登山者の指導に当たっていた。

尾瀬笠ヶ岳を望む

小至仏山頂上から至仏山を望む
 至仏山登山道に入っていく。ミズナラやブナの樹林帯を抜け原見岩で定番の休憩だ。岩の周辺には小さな湿原があり色鮮やかな高山植物が目立ってくる。見下ろす尾瀬ヶ原はうっすらと霞んでいる。ここから先はやや急登となるがゆっくり歩いていけばオヤマ沢の水場だ。階段を上ればオヤマ沢田代の小湿原に出る。木道の両側にワタスゲ。尾瀬笠ヶ岳への分岐を左に分け小至仏山へと足を進める。やがて森林限界となって登山道は岩が多くなってくる。それと同じくして高山植物が数多く見られるようになる。花と展望を楽しみながらのんびりと歩いていけば小至仏山の頂上だ。そこからは至仏山へと続く道がくっきりと見える。登山者の数も多いなあ。山頂の手前では大渋滞だが、登山者が自覚をもって交互通行を心がければ気持ちよく先に進める。

混雑する山頂目前の登山道

登り専用の東登山道を下る
 花や展望、そして心地よい風を楽しみながら歩いてきた道も至仏山頂上に着くと一端は終わりだ。三角点近くの蛇紋岩に腰掛けて昼食にする。この蛇紋岩のために森林限界が低くなっているのだ。今日は残念ながら遠望は利かない。

尾瀬ヶ原を見下ろす

山ノ鼻に降りてきた
 普通ならば往路を戻ることになるが、娘が尾瀬ヶ原に下りたいという。尾瀬と言えば至仏山や燧ヶ岳よりも尾瀬ヶ原なのだろうなあ。鳩待峠に戻って原に下りるよりも東面を下りる方がおもしろそうだ。ルールを破って直接、山ノ鼻に下ることにした。木段が整備されていて、登山者の数さえ過剰でなければさらなる荒廃は進むようには思えない。相変わらず高山植物が目を楽しませてくれる。ハクサンイチゲ、ウサギギク、タカネナデシコ、ニッコウキスゲやアヤメなどが迎えてくれる。すれ違う登山者は直登コースに疲労の色が隠せないようだ。鳩待峠からのルートと標高差200mの違いも大きいだろう。

山ノ鼻

鳩待峠
森林限界を下りシラビソやコメツガなどの針葉樹林帯を抜ければ山ノ鼻だ。湿原にはサワラン、トキソウなどの小花もあるが、何といってもニッコウキスゲが見事である。地塘にはオゼコウホネが数少ない花を咲かせていた。山ノ鼻で休憩をとった後鳩待峠に向かって歩き出す。途中、ショウキランなど今までカメラに納めていない花も見受けられたが、渋滞の中の歩きではゆっくりとカメラに納めることもできなかった。
 ORさんはこの小さな旅が一生の思い出になると大変喜んでくれた。要するにこちらの山行予定に合わせてもらっただけだが、こうまで行ってもらえると嬉しくなるね。夏の山行は谷川、武尊、尾瀬、これだけは毎年訪れたいものだ。
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