平標山
たいらっぴょうやま
1984m
みなかみ町・新潟県
松手山手前から望む
登山日 2008年6月17日(快晴) しんぷるライフ、IT
行 程 元橋P(6:30)…鉄塔(7:30-40)…松手山(8:10-15)…立札(8:45)…平標山頂上(9:35-10:55)…平標山乃家(11:35-55)…平元新道登山口(12:45)…元橋P(13:40)
 平標山は昨年の5月以来となる。2005年から4年連続となるから毎年1回は訪れる山になりそうだ。夏至が近く1年で最も日照時間の長い時期ではあるが朝の登山口はまだ肌寒い。元橋の登山者用駐車場トイレ前に見慣れない立て看板が置かれていた。そこには「平標登山口駐車場有料化のお知らせ 平成20年7月1日より有料となります。普通車1日500円…」と書かれている。仕方ないのだろうか?
 いつも通りに松手山経由である。平元新道コースは林道歩きが長く、山の家までの登山道も展望がなく植生も優れないのでお勧めできない。松手山手前まで我慢できれば、あとは展望や高山植物を楽しみながらの尾根歩きが待っている。その代わり日陰がないので夏の平標山は暑いのだ。
 登りは薄暗い階段の急登から始まる。それでも花は直ぐに出迎えてくれる。鉄塔までの登山道にはクルマムグラ、チゴユリ、アカモノ、ヤマツツジ、タニウツギ、サラサドウダン、ミヤマキンポウゲなどが足下を飾る。時折振り返れば残雪の苗場山が姿を見せる。登山口から見上げた鉄塔に着けば夏の日差しが一面に注がれている。ここで一服入れるのがいいだろう。次の目的地は松手山だ。

平標山頂上と苗場山

平標山から仙ノ倉山への稜線
 鉄塔からわずかに進むと再び樹林帯に入っていくが、それもわずかで抜けると笹の登山道となり松手山が見えてくる。目指す平標山は逆光の中黒い山肌を見せている。鉄塔から松手山までの登山道にはマイヅルソウ、ツクバネソウ、アカモノ、ベニサラサドウダン、花が終わったエンレイソウ、ムラサキヤシオなどが咲いている。松手山頂上では松手尾根からの登山道と道を合わせる。まだ歩いたことはないがどんな登山道なんだろうか。稜線を吹く風は心地よく、天候に恵まれたことに感謝しながら緩やかなアップダウンの道を進んでいく。乾燥した登山道は歩くと砂埃が立ち上るようだ。たおやかな山容の平標山はいまだ逆光の中だ。ゆっくりと高度を上げていくと「高山植物や…」の立て札がある。ここまでムラサキヤシオが点々と咲き、イワカガミが多い。イワナシ、ミツバオウレン、ツマトリソウ、ツバメオモト、ベニサラサドウダンなど。興味あるが花の名前はほとんど知らないITさんはカメラで花を撮りまくっている。ザックの中には花の本を密かに持ってきていたのでした。やはり平標山が成せる技かも。

巻機山方面とと谷川連峰

平標新道となっている尾根
 稜線に出てからは階段歩きを免れていたが、立て札から少し行ったところから急登となり再び階段が始まる。少し苦しいが、高度を上げるにつれ苗場山方面の展望が大きく開け、また歩いてきた稜線がはっきりと見えてきて気分がいい。大好きな風景の一つだ。階段を上り始めて程なくハクサンイチゲの群生があった。期待通りだぞ。ツツジの一群はほぼ終わりになってしまったが、花の平標山はまだまだ始まったばかりだ。階段を一歩一歩我慢して上ればケルンの広場に出る。やれやれ、山頂まではもう少しだ。シャクナゲ、ミネザクラはほぼ終わり、ナエバキスミレ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ミツバオウレン、イワカガミなどを見ながら山頂へと出る。平日とあって登山者はそれなりに少ないようだ。平標山から仙ノ倉山へと続く稜線もまた大好きな風景の一つだ。一通り展望を楽しんでから山頂直下のお花畑へと下る。

お花畑から平標山、いい写真が撮れるかな

山の家を見下ろす先は大源太山・三国山
 階段を下りガレ場に出ればそこがお花畑だ。今を盛りと咲いているのは、白いハクサンイチゲ、黄色いミヤマキンバイ、ピンクのハクサンコザクラ、そしてツツジ科の小低木ミネズオウだ。これから種類を変えて次々に咲いていくのでしょうね。マナーを守り草原には踏み込まないようにしましょう。平標山に登る登山者は仙ノ倉山まで足を伸ばすのが習いだが今日はここまで。山頂に戻って昼食としよう。北アルプスもぼんやり見えているなあ。
 山の家を目指して下っていく。シャクナゲ、イワカガミ、ミツバオウレン、ハルリンドウ、イワイチョウ、チングルマなどが目に付いた。階段をゆっくりと下っていけばやがて山の小屋だ。平成19年に水質検査が行われた冷たい水を頂く。仙ノ倉山の山腹脇にエビス大黒ノ頭が険しい山容を見せている。ここからさらに三国峠まで歩いていくのも魅力的だなあ。

ハクサンイチゲ

目一杯開いたハクサンコザクラとミヤマキンバイ
 山の家からは林道まで長い階段歩きだ。森林限界もここまでで、けたたましいセミの鳴き声の中をゆっくりと下っていく。樹木の若い緑が目に優しく写る。しかしこの登山道の足下には花が少ないし展望もない、それが残念ではある。急な下りも唐松林に入るとなだらかとなり階段からも解放される。小さな水場を過ぎれば林道に出る。閉鎖されているはずの林道だが、いつも何故か自動車が数台止まっている。緩やかな下りの岩魚沢林道を元気よく歩いていくとゲート直前に水場がある。ここの水も冷たくておいしい。盛夏には本当にありがたい水だ。
 さらに歩いていくと、今年新たに整備された登山道への入口がある。別荘地を通らずに元橋駐車場へと行ける登山道だ。ライフたちと別れて歩いてみることにした。最初のうちは足下が悪く嫌だなと思ったが、そのうちに杉林になると大変歩きやすい道となる。右手には川が流れている。時間は舗装路をそのまま歩いて別荘地を通った方が早い。正直なところ一回通ってみればいいか…といったかんじ。平標山の花はまだまだ始まったばかりだ。
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