高田山
たかだやま
1212m
中之条町
寺社平から望む
登山日 2008年1月10日(晴れのち曇り) しんぷる
行 程 駒岩登山口(10:00)…鳥居(10:22)…獅子井戸の水場(10:47)…石尊山(11:12-17)…高田山頂上(11:50-12:43)…石尊山(13:12)…獅子井戸の水場(13:28)…鳥居(13:40)…駒岩公民館(14:00)
 高田山は1度登ったきりである。2度目はわらび峠からと思って、昨年秋に登山口の下見に行っている。しかしながら高田山の頂上はあまり展望がよくない。駒岩から石尊山を経由してのコースは途中の展望に優れると紹介されている。このコースの記憶といえば、石の鳥居と石尊山から高田山へのアップダウン、それに高田山の山頂くらいなものだ。わらび峠からのコースは紅葉に季節に譲り、展望の季節ゆえに再び駒岩からのコースを選んでみた。
 高田山を見るために中之条森林公園から寺社平を経由して登山口に向かった。森林公園を過ぎると日陰の道に、前夜降ったと思われる雪がうっすらと道を覆っている。愛車は夏タイヤのため、下りの道をローレンジにシフトダウンし徐行走行で慎重に通り抜ける。寺社平集落の上部で写真を撮った後に四万川を渡り、登山口のある駒岩へ。石材店の奥様と思われる人に角の登山者記載所で記帳してくださいと声を掛けられる。前回も声を掛けられ記帳をしたはずだ。

駒岩公民館に駐車(標高550)

杉林の終わりに鳥居(標高740)

明るい雑木林の山腹をいく
 集落の途中に、「石尊山・高田山→」の道標、「注意 吸血性のヤマビルが生息していますので、忌避材として下の箱に10%の食塩水が入っています。靴やズボンの裾に吹き付けて下さい。 中之条町観光課」と書かれた看板とスプレー容器が置かれていた。吾妻地区一帯のヤマビルの生息は有名で、徐々に谷川山系まで生息範囲を広げているとのことだ。さすがにこの季節は心配ない。集落を抜け、猪か熊かそれともカモシカのためかはわからないが、何れにしても獣除けである電気線柵の戸を開けて登山道へと入る。簡易水道施設の脇を通り、薄暗い杉の林の中を行く。徐々に傾斜を増していくと石の鳥居に着く。脇にはいくつのもベンチが朽ち果てていた。暗い杉林はここで終わり、鳥居をくぐれば明るい雑木林となる。尾根筋を左手にして急な山腹をジグザクと上っていく。道には落葉が堆積しサクサクと乾いた足音を発している。やがて尾根に上りあげ急登を行けば「獅子井戸の水場」だ。

獅子井戸の水場(標高930)

うっすらと雪の残る尾根

石尊山頂上(標高1110)
 水は浸みだしてはいるが補給するには気が進まない。この先の尾根は急で右へと大きく迂回する。右手から伸びてきている尾根に移動するのだ。途中に、いかにも井戸といった感じの岩場が道の右手下に現れる。案内標識はないがおそらく「獅子井戸」だと思う。さらに行くと「駒岩」「高田山・石尊山」道標が置かれた尾根に取り付く。登山道は最初から赤ペンキやテープが絶え間なく付けられていて迷うことはないだろう。石尊山へと続く尾根には雪がうっすらと残されている。昨夜のものだろう。大きな露岩の脇を通り、岩場の急登を一気に上りあげるとそこが石尊山頂上だ。石祠と山頂標識「石尊山1049m」が置かれている。1049mとあるがおそらく違う地点の標高と思われる。

石尊山から中之条方面を望む

高田山が近くに見える

稲包山
 頂上から中之条方面を見下ろす。小野子山を背景に嵩山や蟻川岳が、高田山から南に派生する尾根の向こうには有笠山、薬師岳、吾嬬山など吾妻の山々が見て取れる。北側はやや立木の枝が邪魔だがそこそこの展望だ。歩き始めは晴れていた空も一面の薄雲に覆われて春霞の様になってしまった。残念ながら遠景は見て取れない。
 石尊山から高田山へはアップダウンを繰り返しながら痩せた稜線を行く。石尊山手前からの積雪はいくらかその量を増している。凍結はせず表面を覆っているだけで直ぐに融けそうだが油断は出来ない。下りは慎重に行く。最初の著明なピークは石尊山とほぼ同様の展望だ。第2のピークが北側の展望に最も優れる。形よい三角形の山頂を見せる稲包山の後ろには、見事に冠雪した谷川縦走路の主要なピークを望むことができる。しかしながら南側の展望はさっぱりである。

不納山を望む

痩せ尾根をいく

高田山頂上
 平坦な稜線をわずかに進むとロープが張られた急斜面の下りとなる。上り返せば第3のピーク、白砂連峰が見事だ。高田山の頂上は記憶に残されていたものと近かった。山頂標識を通してみる南側榛名山が見事だ。唯一展望が開けた方角だろう。他は立木に遮られ満足な展望は得られない。西側をのぞき見ればわらび峠方面が見下ろせる。丸太に腰を下ろし休憩とした。たった一人だけの静かな静かな山頂だった。
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