紅葉を堪能すべく谷川岳に出かけてみよう。既にいくつかの報告があるが何れも見事な紅葉が写されている。山頂はさすがに終わってしまっただろうから途中の尾根の紅葉を目当てに歩いてみる。土合橋手前の駐車場から歩き出す。ほかに1台止まっているだけだ。奥の方だから白毛門方面か。20分ほどの車道歩きで西黒尾根入口に着く。この辺りは紅葉がまるでない。山頂から徐々に下りてくるのだろう。前回茂倉岳に向かって歩いたときに、ラクダのコブの手前の鎖場でバテ気味になったことからゆっくり登ることを心掛けた。ザックは冬仕様に変え幾分軽量化を図っていて、服装もフリース地のものに替えている。衣替えといったところか。しかし歩き始めると暑く汗がにじんでくる。結局シャツを脱ぎ半袖一枚で歩くことにした。風はあるものの丁度良いくらいだ。 |
西黒尾根登山口 |
西黒尾根東側遠景 |
見事な紅葉 |
取り立てて代わり映えのない登山道を登っていく。登山道から清水峠方面を垣間見るとドンヨリと重苦しい雲が覆っている。紅葉はラクダのコブあたりだろうか。時々立ち止まって写真を撮るくらいで特に休憩することもなく鎖場に達した。ザックの軽量化が功を奏したかあまり疲労感はない。細い鎖を頼りに岩場を登っていくと突然それは素晴らしい紅葉が目の前に現れた。やったぁ〜。これを見られただけで大満足。このまま巌剛新道を下っても良いかと思ったほどだ。岩場北面の紅葉とマチガ沢の岩壁に点々と連なる紅葉は心を豊かにしてくれる。 |
ラクダの背 |
西黒尾根を見下ろす |
トマの耳とオキの耳 |
天神尾根の紅葉も素晴らしいものだ。やはり下るのはやめて山頂を踏んだ後天神尾根を下ることにした。ラクダの背を過ぎガレ沢の頭に下りる。ここまで一人のハイカーにも会っていない。平日とはいえ紅葉の最盛期にもかかわらず西黒尾根を歩くものは少ないのだろうか。時々薄日が差すもののなかなかスッキリとは晴れない。充分な紅葉を楽しむためにはやはり日光が必要になる。標高が上がったせいか寒さを感じてきた。長袖のシャツを着ることにした。さあ最後の急登をもう一踏ん張りだ。度々振り返っては歩いてきた道を確認する。氷河の跡まで来ると西黒尾根が手に取るように見えてくる。何故かザンゲ岩がやたらと存在感を示している。いつもは素通りしていたが立ち寄ってみようかという気になった。しかし道が不明瞭であるためあっさりと諦めてしまった。今回も登れずじまいである。さしもの急登も終わり笹の間を抜けトマの耳へ着いた。生憎山頂はガスに覆われ展望を楽しむことは出来なかった。 |
天神尾根の草モミジ |
中ゴー尾根 |
西黒尾根 |
山頂周辺はすっかりガスに覆われ肩の小屋も見えない。小屋の前のベンチで昼食をと思っていたがじっとしていると寒さが襲ってきた。小屋に入り昼食にした。肩の小屋には食堂に2人のハイカーが休憩していただけで休憩室には誰もいなかった。山頂付近にはそれなりにハイカーの数はあったが利用者は少ないと感じた。休憩室を独占して昼食とした。一缶のアルコール飲料を楽しんだ後に少しばかり寝込んでしまったようだ。自分の鼾が聞こえた気がした。 |
吾妻耶山方面遠望 |
避難小屋を下ってからの登山道 |
田尻尾根から望む谷川岳と西黒尾根 |
相変わらず山頂周辺はガスの中だ。天神尾根を下る。下るにつれ視界が開けてくる。ガスがかかっていたのは山頂付近だけのようだ。見下ろす天神尾根は西黒尾根から眺めたとおりの紅葉の登山道であった。やれやれ何とか紅葉を楽しむことが出来た。ロープウェイで下るか考えていたが田尻尾根を下りてみることにした。比較的露岩の少ない道である。登山道から見る谷川岳は見慣れたものではなく新鮮な山容を見せてくれる。木の葉は黄葉が多くなかなか雰囲気のある登山道だ。急斜面を下っていくと工事用道路に出だ。ここに「田尻尾根入口」と書かれた道標が置かれている。真上にはロープウェイが忙しそうに動いていた。工事用道路を西黒沢に沿って下りると西黒沢橋に出る。この道はロープが張られ立ち入り禁止になっている。これでは田尻尾根から上る人は少ないだろう。白毛門のへの登山道も紅葉真っ盛りである。 |