那須岳
なすだけ
(茶臼山・朝日岳)
1915m・1896m
栃木市
ボルケーノスカイラインから望む茶臼岳、朝日岳
登山日 2007年10月7日(晴れ) しんぷるライフ、KM、IT
行 程 山頂駅(8:46)…35…茶臼岳(9:21-9:37)…30…峰ノ茶屋避難小屋(10:07)…31…朝日の肩・朝日岳頂上(10:38-11:41)…26…峰ノ茶屋避難小屋(12:07)…31…峠の茶屋P(12:38)
 峠の茶屋駐車場には沼田から3時間あまりで到着したが観光客でごった返していた。もはや駐車余地はなくUターンして下まで降りなければならなくなっていた。路上駐車が平然と行われており身動きもままならないし、係員のマイカー誘導がお粗末すぎるのも原因だ。こんな事で貴重な時間を費やしたくない。イライラを募らせているとおばちゃんが声を掛けてきた。茶屋の商売人らしく一日千円で置かせるとのことで直ぐさま契約をした。
 ロープウェイ山麓駅(1390m)まで石の階段を下りていく。定員100人を越える片道650円のロープウェイは18分間隔で運行されていた。待つこと20分、わずか4分で標高差300Mを稼ぎ山頂駅(1684m)に到着だ。那須岳一帯は快晴なのだが、遠望はと言うと春霞がかかったようで全く期待はずれだ。

山頂駅を出る

茶臼岳を仰ぎ見る

朝日岳を望む
 那須岳は那須町にある山塊の総称である。最高峰は穏やかな山容の三本槍岳(1917m)であるが、盟主は蒸気と火山ガスを盛んに噴出している茶臼岳(1897m、最高地点は1915m)であり、岩壁の朝日岳(1896m)を併せて那須三山と呼ぶようだ。また南月山(1776m)と黒尾谷岳(1589m)を加えて那須五岳とも呼ぶそうだ。茶臼岳以外の山はすでに噴火活動を終えている。
 砂礫の登山道を歩き出すと直ぐに南月山への分岐がある。分岐を左に分け茶臼岳を目指す。柵に沿って直登していくと樹木に覆われた南月山が南側に姿を現わす。茶臼岳とは対照的な山容である。北に目をやれば朝日岳が険しい岩壁を曝している。登山道が砂礫の道を終え岩場へと変わると山頂は近い。

茶臼岳頂上

姥ヶ平を見下ろす

無間地獄
 茶臼岳山頂には鳥居があり那須嶽神社が祀られてる。頂上から先の岩場を少し下りてみると無間地獄が顔を覗かせる。噴煙の向こうには日の出平方面の紅葉が始まっていた。那須連山のほぼ中央に位置する山頂からは北方面の眺めがよい。これから目指す朝日岳もバッチリだ。今日は朝日岳の往復までとするお手軽3時間コースである。

峰ノ茶屋跡と朝日岳方面

小槍のようだ

鎖場を行く
 峰ノ茶屋避難小屋を目指して頂上から下っていく。頂上を周回するような感じで下りていくと噴火口を見下ろすことが出来る。避難小屋のある鞍部は風の通り道として有名で相当な強風に曝されるらしいが、今日は風を感じる程度で吹き飛ばされることはなかった。避難小屋から剣が峰に差掛かる地点に「危険 この先難路です。」との看板がある。剣が峰は東側の草付きの山腹を巻くように進む。足元には紫のエゾリンドウが花を咲かせていた。草付きを抜け剣が峰の先にでると横に走る鎖場だ。道幅が狭く交互通行になる。ハイカーが連れていた犬が難なく通過していく。その後は痩せた岩壁の稜線を直登していく。ここにも鎖が付いているが中央分離帯のような感じだ。特に険しい感じはなく無事に通過する。

朝日の肩から熊見曽根

朝日岳頂上

朝日岳から茶臼岳
 やがてなだらかな砂礫の道となるとベンチが置かれた「朝日の肩」に着いた。山頂は直ぐそこだ。ザックをデポして頂上へ急ぐ。狭いと思われた頂上は案外と広くゆったりと展望を楽しみながら腰を下ろせる場所が充分にあった。ザックを背負ってれば良かったが後の祭り、一通りの展望を楽しみ記念写真を撮って肩に下り昼食とした。今日はご褒美を持ってこなかったので喜び半分である。

剣が峰から続く稜線

剣が峰山は巻いていく

茶臼岳山腹を横切る登山道
 熊見曽根の南斜面は紅葉が始まり、灰色の砂礫と緑そして青空付きの風景が何とも目に気持ちの良いものだった。ささやかな昼食を楽しんでいるうちに周囲が徐々にガスに覆われ始めた。日光が遮られると肌寒くなってくる。さあ戻るとしよう。避難小屋までの難路を戻る。下山道との道標に従い茶臼岳山腹を横切る登山道を行く。時刻はまだ12時過ぎで下るハイカーも多いが登ってくるハイカーも負けずに多い。那須岳はお手軽なハイキングが楽しめる山なのだ。山の印象は安達太良山に似ていると感じたがどうだろうか。紅葉はまだこれから、ようやく始まったばかりだ。
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