笠ヶ岳
かさがたけ
1852m
みなかみ町
白毛門から左:笠ヶ岳 右:烏帽子
登山日 2007年6月24日(曇り) しんぷる
行 程 登山口(5:45)…ヒノキのウロ(6:35-45)…松ノ木沢ノ頭(7:25)…白毛門(8:05-15)…笠ヶ岳(9:00-45)…白毛門(10:25)…松ノ木沢ノ頭(10:55)…ヒノキのウロ(11:25)…登山口(12:00)
 1ヶ月程前に残雪の白毛門を目指して登ったのだが松ノ木沢ノ頭で雷とミゾレの出迎えを受け撤退した。谷川岳には何度も足を運んでいるが白毛門方面は1度しか登ってない。好天になるはずだった日曜日の天気は土曜日に繰り上げられて生憎と今日はドンヨリとした空模様だ。それでも日中は天気が持つとの予報を当てにして朝日岳を目指すことにした。谷川山系では高山植物が咲き始め花の便りが聞かれ出した。朝日ヶ原は高山植物の宝庫と書かれている。
 このところザックの重さが気になっている。武尊山の帰りに雨に降られて改めてザックの中身を見ると必要のないアイゼンまで入っていた。今日は長丁場であるので極力ザックの軽量化を図った。山頂ではバーナーを使わないことにしてガス、コッヘル等を抜いた。背負ってみると随分と軽い。これならば疲労度も違うというものだ。水は1Lで少々不安だが、曇り空なら大丈夫だろう。

ヒノキのウロ広場から望む松ノ木沢ノ頭

ヒノキのウロ上の広場

松ノ木沢ノ頭から白毛門
 東黒沢を渡り登山道標の前に立つ。ブナ林の急登を登っていく。前回には今を盛りと咲き誇っていたイワウチワは葉を残すのみである。木の根が張り出す道をうつむき加減に登っていく。ヒノキのウロが最初の休憩場所と決めてある。深い樹林帯は日が差し込むこともない。久しぶりにギンリョウソウを見る。ザックが軽いせいか幾分足取りも軽い気がする。快適な歩きでヒノキのウロの広場に着いた。一息入れる。樹林の間から見上げると松ノ木沢ノ頭と白毛門が見えるではないか。う〜ん、まだまだ遠いなあ。相変わらず樹林帯を行く。足元には花はなく木の根ばかりだ。やがて尾根上に出るとタラタラノセンと呼ばれる細い滝が見える。薄日が差し出したので日焼け止めを塗る。やがて岩場に差し掛かり短い鎖を頼りに上り上げると松ノ木沢ノ頭だ。谷川岳東面の大岩壁が見事だ。そしてマチガ沢や一ノ倉沢の雪渓が目を引く。足元にはアカモノがかわいらしい花を咲かせている。

松ノ木沢ノ頭を振り返

白毛門山頂手前から笠ヶ岳(左)

白毛門山頂と谷川岳
 一旦わずかに下って再び登り返す。タテヤマリンドウも目に付いた。さあ白毛門が大きく見えてきた。ジジ岩・ババ岩を横に見る頃から森林限界となり展望も大いに開けてくる。いくつかの岩場を過ぎると白毛門の頂上に出た。次の目的である地笠ヶ岳とお隣の烏帽子が目の前にある。やれやれ先ずは第一目標である白毛門に立つことが出来た。果たしてどこまで行くつもりなのか頭の中ははっきりと定まっていなかった。あと2時間ちょっとで朝日岳に着くはずである。前回登ったときは随分と遠くに感じたものだが案外大したことはないなあ。おにぎりを一つ頬張ってから笠ヶ岳に向かう。足取りは軽いぞ。
 漸く足元に花が目立ちだした。イワカガミやゴゼンタチバナが多い。マイヅルソウやミツバオウレンもそこそこ見られる。アカモノも所々群生している。ショウジョウバカマやイワナシなどは花を終えている。木ではムラサキヤシオ、オオカメノキ、ウラジロヨウラク、サラサドウダン、ベニサラサドウダンなどが目に付く。花のある登山道はやはり良いものだ。

白毛門を振り返る

笠ヶ岳

烏帽子とその先は朝日岳
樹林帯を抜け笹刈りされた笠ヶ岳への上りに入る。道は直線的に続き上りもややきついが思ったほど時間もかからず笠ヶ岳山頂に着いた。間もなく白毛門で一緒になったハイカー達も追いついてきた。朝日岳まで足を伸ばすか計算をしてみたが時間的には問題ない。しかし余り気分が盛り上がらなかった。脇に腰を下ろしゆっくりと過ごしてから下山することに決めて発泡酒を開けてしまった。その間に何組かのハイカーが朝日岳を目指して行った。高山植物の宝庫には未練があったが仕方ない。天気予報では雨は夜中になって降り出すとのことだが、大体予報より早めに推移している。下手をすればもうすぐ降り出すかもしれない。そんなことを考えながらしばらく横になっていた。気が付くと山頂に着いてから40分ほど経っていた。風が若干強くなっている気がした。雲も厚くなり心なしか辺りが暗くなってきていた。烏帽子を登っているハイカー達を見送りながら下山を始めた。今度来るときは馬蹄形縦走だ。
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