武尊山
ほたかやま
2158m
川場村・片品村・みなかみ町
登山道から左:沖武尊 右:中ノ岳
登山日 2007年6月21日(曇りのち雨) しんぷる
行 程 川場スキー場ゲート(8:30)…リフト最上部(9:50)…剣ヶ峰山(10:20-30)…武尊山頂上(11:35-12:30)…剣ヶ峰山(13:20)…リフト最上部(13:35)…川場スキー場ゲート(14:25)
 天気は案外と悪くなく急きょ武尊山に登ってみることにした。川場スキー場に着くと青空まで出ているではないか。出遅れもあり最短コースを選んだつもりである。ゲート前に駐車し歩き出す。管理者、従業員等スキー場関係者がいるときは場内通行許可を受けてから歩きましょう。ゲレンデ西側に続く作業道路を辿りリフト最上部を目指す。もし夏山リフトを運行し最上部まで歩くことなく行けたならば一時間半余りで武尊山の頂上に立つことが出来る。そうなれば大勢のハイカーが団体で押し寄せてくることになるだろう。どちらが良いのかはわからないが…。
 ピンクの花を咲かせるタニウツギを楽しみながら確実に高度を稼いでいく。右手を見れば山頂から前武尊山への稜線がはっきりとしている。さすがに雪も溶け山肌にわずかな雪渓を残すのみだ。人気のないレストハウスをいくつか通り過ぎると先方に大岩壁が見えてくる。そうなるとリフト最上部は近い。

川場スキー場

右から前武尊、剣が峰、家ノ串、中ノ岳

リフト最北部からの大岩壁
 駅の先が笹刈りされている。正規の登山道ではないため道標も何もないが、笹刈りの跡を忠実に辿ればわずかで登山道と合流する。既に森林限界に近い高度のためか樹林帯の登山道はすぐに終わりだ。岩壁に向かって道は続いている。途中に道標があり剣ヶ峰山まで0.5Kmとある。直に消えそうな道標である。多少荒れた丸太階段の急登を一気に上るとハイマツの原に出る。朽ちそうなベンチが置かれハイマツについての説明板が立てられていた。そこからは緩やかな上りで、再び丸太階段を上り上げると登山道の一部のような剣ヶ峰山の頂上に立つことができた。西には玉原湖とその周辺の山々がなんとか見える。その向こうには谷川岳だ。山頂先の岩の上に腰を下ろし一休みだ。

登山道に入る

剣ヶ峰山と沖武尊へと続く稜線

登山道の一部のような剣ヶ峰山頂上
 武尊山までの稜線はいくつかの小ピークを越えていかなければならない。山頂はガスに覆われている時間が多くなかなか姿を現わさない。山頂から急な岩場を注意深く下っていく。樹林帯を抜けてから足元にはマイヅルソウやミツバオウレンが見受けられたが、ヒメイワカガミが岩場に群生していた。剣ヶ峰山から武尊山までの稜線はシャクナゲの街道になっている。もちろんハイマツとの共生になっている。さすがにシャクナゲは終わりになっていてわずかに遅咲きを残すのみだ。それでもオオカメノキやミネザクラはまだまだ花を咲かせていた。登り始めは青空だったが雲が覆い始め、川場谷からはガスが上がってきていた。多少のアップダウンはあるがなかなか快適な稜線だ。時々振り返るが天に突き刺す剣が峰の姿は見事なものだ。最低鞍部を過ぎいよいよ武尊山への登りとなる。背丈以上のハイマツやコメツガが登山道を覆う。その中を潜るように歩いていくと雪田に出た。わずかに踏み跡が残りその先のガレ場に続いている。カランコロンと音を立てながら登っていく。以前の登山道は崩れ落ち新しく道が付けられている。最も注意を必要とする場所であろう。急なガレ場を過ぎると中ノ岳方面からの道と合わせる。山頂はすぐそこだ。

剣ヶ峰山を振り返る

唯一残っていた雪田

山頂はすぐそこ
 誰もいない山頂だ。天気予報も悪いし、平日でもあったからだろうか。武尊山の本格的な登山シーズンはまだ先ということかな。玉原方面や谷川方面も少し見ることができた。平ヶ岳もわずかに姿を現わした。池のある窪地はしっかりと残雪に覆われていた。山頂に腰を下ろしのんびりと一人の時間を堪能した。まだ前武尊山からここまで歩けたことはないがいつかは歩いてみたい。結局、誰も山頂には現れず1時間弱のあいだ山頂を独占してしまった。

武尊山頂上

山頂から剣ヶ峰山方面を望む

山頂から中ノ岳、家ノ串、剣ヶ峰主峰
 帰路に入り急なガレ場を過ぎた頃から空は厚い雲に覆われ暗くなった。そしてポツリポツリと雨が降り始めた。その後は視界を得られることもなく歩き続けるはめとなった。往路では気が付かなかったイワカガミやシラネアオイ、ハクサンイチゲなどが目に付いた。武尊山は植生豊かな山だとは思わないが、そこそこハイカーの目を楽しませてくれる山だと思った。初夏のシャクナゲと秋の紅葉は素晴らしい山である。スキー場に戻ると本格的に雨が降り出した。車に戻ったときには汗と雨で全身ずぶ濡れになってしまった。
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