後袈裟丸山
あとけさまるやま
1908m
みどり市
左:後袈裟丸山 右:前袈裟丸山
登山日 2007年5月20日(曇り一時晴れ) しんぷるライフ、tomo
行 程 郡界尾根登山口(9:22)…石祠(10:32-35)…後袈裟丸山頂上(11:35-12:30)…石祠(13:10)…1415三角点(13:55)…登山口(14:25)
 2台の車で三国トンネルを抜けると空は厚い雲におおわれ冷たい雨と風にさらされた。これでは峠から稲包山への山行はどう考えても無謀である。戻りながら別の行き場を考えた。tomoさんが袈裟丸山郡界尾根のアカヤシオがよいと言うが、彼自身が昨日も登っていることを考えると躊躇していた。しかし私の妻も誘って行ってみようということになり、改めて出発した。赤城黒檜山は雲におおわれ天候は決してよいわけではないが、これ以上は悪くならないだろう。根利牧場の脇を通って後袈裟丸山の登山口である郡界尾根登山口へと車を進めた。
 この時期の袈裟丸山は全山ピンクに染めるほどのアカヤシオが有名で、県内外から多くのハイカーが団体で訪れる。特に弓の手コース折場登山口はごった返して路上駐車が延々と続くことになる。今年は開花してからの強風で、弓の手コースのアカヤシオは大きなダメージを受け花は傷つき蕾は落下の憂き目にあったらしい。ところが郡界尾根コースはダメージが少なく正に今が最盛期である。tomoさんには二日続きの郡界尾根山行となったがそれだけの価値のあるアカヤシオだ。私も二度目の山行きとなるが、アカヤシオは終わりシャクナゲの時期だった記憶がある。

郡界尾根登山口

雑木林を登っていく

笹原の郡界尾根に出る
 登山口はハイカーの車もそれほど多くはなく、遅い出足にもかかわらず楽に駐車することが出来た。後袈裟丸山頂上まで4.4km,2時間50分のコースとなっている。準備を整え丸太階段を上り出す。いきなりの急登はペース作りが難しい。息を切らせて登っていけと道標の立つ笹原へと出る。郡界尾根である。ここからは傾斜も緩やかになり足取りも軽くなる。時折熊棚が見られる疎林を行くと八重樺原に出る。白樺の巨木が見られ前袈裟丸山の展望がよい。笹原を切った道を歩いていけば正面の山肌にアカヤシオの濃いピンク色が目立つ。今年も何度かアカヤシオ山行を行ったが、やはり袈裟丸山のアカヤシオはひと味違う。笹原から再びコメツガが混じる樹林帯に入る。登山道にシャクナゲの蕾やアカヤシオの花が目立つようになると石祠に着いた。ここで一息だ。

八重樺原

八重樺原から望む袈裟丸山

アカヤシオのトンネルを行く
 ここからはまさにアカヤシオの回廊となる。花付きもよく発色もよい。この郡界尾根コースはシャクナゲコースとしても有名だがアカヤシオも見事である。逆に今年のシャクナゲは花芽が少なく期待が持てそうにない。ただシャクナゲの花は一輪一輪が見栄えするからアカヤシオの花数ほどは必要ないのかもしれない。花のトンネルも終わりシャクナゲの急登に入る。展望のない道を我慢して歩くとやがて傾斜が弛み山頂が近いことを思わせる。やはり花芽の少ないシャクナゲを登山道に見ながら一登りで後袈裟丸山頂上に着いた。前袈裟丸山と違い決して広くない山頂は多くのハイカーで賑わっていた。

石祠と道標:山頂まで1.7km

延々と続くアカヤシオ

シャクナゲも咲き始めた
 混雑した山頂から縦走路を奧袈裟方面へわずかに進み昼食とした。灰色の雲に覆われた空は時折青空を覗かせるものの風が冷たい。山頂近くにはわずかに雪が残り、コメツガの葉の樹氷のかけらが時折風に吹かれて落下していた。奧袈裟から三角点のない最高地点、さらに皇海山へと続く縦走路はいつか歩いてみたい道である。のんびりと過ごすはずの山頂は寒く手がかじかんできた。久しぶりに温かい珈琲を楽しんで下山とした。

混雑する後袈裟丸山頂上

案内板(東村制作)

白樺と青空
 下山を始めると冷たい風に細かな雪が混じってきた。初夏とはいえまだまだ油断は出来ないなあ。急な斜面を一気に下り高度を下げると、風はほのかに暖かく気温も上昇して春らしさを感じられるようになる。心なしかシャクナゲの蕾もふくらみアカヤシオも花の見事さを増したようだ。八重樺原に戻ると多くのハイカーが笹原で何か捜し物をしている。何かと見るとワ○ビだ。久々に山菜採りに興じた。この郡界尾根コースは弓の手コースほど人気はないようだが、なかなかいいコースである。もっともっと歩かれてもいい登山道であると思う。今回も八反張を歩くことはなかったが、特に危険はないそうである。
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