前武尊山
まえほたかさん
2040m
川場村
前武尊山頂上の日本武尊像
登山日 2007年5月5日(晴れ) しんぷる、HK
行 程 川場谷野営場駐車場(5:55)…不動岳分岐(6:20)…スキー場分岐(7:50)…前武尊山頂上(9:05-11:22)…駐車場(13:35)
 久しぶりの早立ちだ。天気は上々、気分が高鳴る。川場野営場から登るのは7年ぶりとなる。その時は6月であり、シャクナゲが良い色を出して咲いていた。また残雪があり注意深く登ったことを思い出す。今回は1ヶ月も早い登山であり、降雪の少ない今冬とはいえ残雪は覚悟しなければならない。駐車場には一台の車が置かれており、先行者がいることは確かなようだ。
「武尊山7.1q」の道標に従って林道を歩き出す。早朝の空気は心なしか肌寒く素手は若干凍え気味だ。程なく不動岳分岐に着く。「川場谷野営場1.2km」「不動岳2.1q」「前武尊2.5q」と書かれた道標が立っている。武尊山(沖武尊)までは前武尊を以て道半分といったところか。分岐を過ぎると登山道らしくなってくる。川場谷から徐々に離れ尾根に乗りあげていく。

不動岳方面を望む

ダケカンバとコメツガの樹林帯

残雪が現れる
 足元には時折、ショウジョウバカマが花を咲かせている。高度を上げるにつれ徐々に残雪が見られるようになった。ブナとダケカンバは未だ冬眠中のようだがコメツガは元気に青々とした針葉を纏っている。どこからか聞こえる鳥のさえずりも耳に気持ちが良く、春の訪れを感じさせる。尾根に乗りあげると日陰は残雪に覆われていた。夏道に沿って歩いていく。しばらく平坦な道を行く。やがてコメツガの樹林帯を抜けると、オグナほたかスキー場が見えてくる。雲一つない真っ青な空が一面に広がっている。リフト終点駅脇を通りいよいよ前武尊への上りに入る。夏道は徐々に残雪の中に消え、踏み跡を辿って雪の斜面を登っていく。

登山道から前武尊山を望む

山頂近くから日光白根山・錫ヶ岳

山頂近くから赤城山
 山頂を目前に降りてくる単独行者と挨拶を交わした。野営場からの先行者だった。不動岳経由で回ってきたそうで、予想以上の雪に難儀したと話してくれた。見れば装備不足を否めない。沖武尊は断念し下山とのことである。直ぐ下で足の痛みをかかえ休憩している相棒を励ましてくれるようお願いして別れた。山頂を踏む。道標は頭だけを出して雪の中に埋もれていた。相棒が来るまで山頂周辺を歩き回り展望を楽しんだ。日本武尊像がある前武尊山頂はほとんど展望がなかったと記憶していたが、まるで違っていた。像が顔を向ける東南の方向はスッキリとした視界が確保されていた。さらに武尊牧場から続く尾根の上には至仏山や笠ヶ岳、更に平ヶ岳までが姿を見せていた。

山頂から剣が峰、家ノ串、中ノ岳を望む

山頂から至仏山、尾瀬笠ヶ岳、平ヶ岳

西武尊山への稜線と谷川連峰、朝日岳
 展望を楽しんでいると相棒の声が聞こえてきた。その後ろから単独行者が登ってくる。登山道に残る雪の感じで武尊山登頂は断念した。武尊山が初めてだという単独行者はコースを確認し、行けるだけ行ってみると言って次のピークを目指して歩いていった。我々は下山するだけなので、春山気分を味わいながらのんびりと昼食を摂ることにした。
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