立岩
たついわ
1265m
南牧村
登山日 2007年2月11日(晴れのち風花) しんぷるライフ、他4人
行 程 線ヶ滝登山口(9:38)…東回り分岐(9:43)…基部ガレ沢(10:31)…鞍部(10:44)…西立岩山頂(11:09-12:08)…小岩峰(12:24)…経塚山分岐(12:38)…威怒牟幾不動(12:50-55)…登山口(13:37)
 立岩は西上州のドロミテと言われるらしいが本家を知らないのだから何とも言いようがない。大上集落から仰ぎ見る東西2つの立岩の大岩壁は見事の一言に尽きる。紅葉の季節も味わいがあるとのことだが、奇しくも前回と同じ冬の登山となってしまった。南牧村の奥に入って来ると、狭い渓谷の中に石垣を積み上げて家が建っている。また山の斜面には猫の額ほどの段々畑が累々としている。こうした山村の風景には妙な懐かしさを覚える。線ヶ滝への降り口を過ぎると県道の終点だ。駐車場にはわずかに1台の車が止められているだけだった。この岩山は積雪や凍結の恐れがある厳冬期には登山に向かない山であろう。しかし今年は暖冬で積雪や凍結がなさそうである。

杉の林の中を行く

杉林を抜けると明るい雑木林

階段で高度を稼ぐ
 支度を調えて歩き出す。思った通り雪はない。直ぐに荒船山への分岐を右に分けて威怒牟幾不動方面へと向かう。更に数分で立岩への分岐だ。1.8km中級者向け(直登)とある。このコースは下りを採ると上級者コースとなる。杉の植林帯を進む。道は杉の葉が敷きつめられている。手入れの行き届いた植林杉を眺めながらジグザグと登っていけば落葉した明るい雑木林に出る。暖かい陽射しの中を行けば再び杉林だ。丸太階段を上っては右方向に進むこと数回でベンチに着く。ここまで40分ほど。一息入れる。さらに長い階段を上り終わると立岩の基部である。

鎖を頼りにガレ沢を登る

ガレ場の次はバンド

東西立岩の鞍部に出る
 50mと言われるガレ沢を鎖を頼りに落石に注意しながら上る。鎖は一本の立木によって支えられており、その鎖は年月と共に幹に半ば飲み込まれていた。風の通り道となっているのか帽子が飛ばされそうだ。沢を上りきると今度は幅50cm、長さ30m程のバンドが東に向かって付いている。鎖が付けられていて注意深く進めば問題ない。目の前に灌木が見えるようになると東西立岩の鞍部に出る。東立岩方面にテープが付けられ踏み跡があった。どうやら登れるらしい。立岩0.5km道標に従って階段を行く。

眼下を見下ろす

西立岩山頂

北面の鎖場
 快適な尾根歩きで南側の展望も開けてくる。やがて道は尾根を外れ北側の日陰へと入っていく。所々に残雪が見えるが歩くには支障がない。暗い谷を抜け5m程の鎖を上ると待望の稜線に出た。一気に展望が広がる。眼下を見下ろせば星尾集落だろうか。稜線を進むと見覚えのある西立岩の頂上に着いた。冬型の気圧配置で長野側は雪雲に覆われている。ここからは八ヶ岳が大きく見えるのだが、今日は浅間山の眺望もおぼつかない。山頂は風が強く寒い。南に見える西上州の山々は風花のせいで霞んでいる。風を避け少し先の見晴台にて休憩することにした。
 兜岩山のローソク岩から始まり経塚山そして毛無岩〜トヤ山〜黒滝山へと続く稜線が一望である。いつかは歩いてみたいコースである。大屋山の西側岩壁も見応えがある。

痩せ尾根を行く

立岩を振り返る

経塚山への分岐
 帰路は周回コースを採る。見晴台からは急な斜面を降りていく。北側に回るとさすがに登山道にも残雪があり凍結している。しかしそんな場所にはしっかりと鎖が付けられていて差し迫った危険を感じることもなくに下っていける。高度を下げるにつれ凍結もなくなり快適な道となってきた。岩峰を左から巻いていくと程なく目の前に小岩峰が現れる。2本の鎖が平行して付けられていて簡単に上れる。上りきると痩せた稜線だ。振り返れば立岩がモッコリとしている。稜線を行くと経塚山への分岐だ。道標には手書きで「行塚山」と書かれ、笹が刈られ道が付けられている。
 道標からは稜線を外れ威怒牟幾不動へと下っていく。急な杉林の斜面をジグザクと降りていくと赤屋根の東屋が見えてくる。やがてオーバーハングした大岩壁の上から水が滴り落ちる威怒牟幾不動へと着く。東屋で一息入れ、丸太橋を数回渡り返して登山口まで戻る。線ヶ滝を見物して帰路についた。
inserted by FC2 system