山急山
やまきゅうやま
992m
安中市
稲村山から望む山急山
登山日 2007年1月19日(晴れ) しんぷる
行 程 登山口(9:50)…鉄塔(10:00)…748m峰(10:12)…稜線への基部(10:35)…稜線鞍部(10:45)…南峰(10:52)…鞍部(11:05)…山急山頂(11:25)…見晴岩(11:50)…山急山基部の鞍部(11:55)…彷徨(30分)…登山口(12:45)

登山口と呼ばれる地点
 登山口に至る林道は、小柏で碓氷バイパスに架かる上信越道の大きなアーチの直前から右折する。小さな集落を過ぎて分岐を右に進む。林道は舗装されているが左右から灌木の枝が伸びていて、ガリガリと車を擦る。周回コースを辿るため紹介されている登山口間近に駐車する。2〜3台の駐車は可能だ。林道からはっきりとわかるペンキやテープが杉の木に付けられている。支度をしていると犬連れの男の人に声を掛けられた。「山に登るんかい?ここから行くんだよ。上は凍結しているかなぁ、軽アイゼンが必要かもな。」そう言って犬を連れて登山道に入っていった。準備を終え送電鉄塔の建つ林道終点に向かう。路面は日陰になると凍結していてツルツルと滑る。それでも順調に林道終点に着いた。ここにも数台駐車可能だ。

送電鉄塔前
 「西群馬幹線57号に至る」と書かれた東電の黄色い標柱から入っていく。プラ階段を辿って鉄塔の背後に出る。振り返れば鉄塔越しに裏妙義、稲村山、高岩などが見て取れる。そしてそこは左が雑木、右が杉の尾根端となっている。踏跡やテープ等があり迷うことのない尾根道を行く。軽石が敷かれた直登は滑って歩きにくい。しかしそれもわずかで718m峰だ。峰から一旦緩く下っていくと立木の間に岩壁が見える。下りきった鞍部からは雑木林の急登となる。軽石に足を取られ大変歩きにくい。思わず手頃な枝を一本拾ってストック替わりにした。うっすらと汗が滲むようになった頃、岩壁の基部に着いた。ここは五輪岩の基部のようだ。

尾根を行く

基部の登り口

五輪岩稜線鞍部に出る
 基部を左に回り込む。相変わらずテープは切れることなく付けられていて迷う心配はない。最初の割れ目を通り過ごして足を進めると次の割れ目に到着。登山口の人が犬連れで降りていく後ろ姿が目に付いた。割れ目には立木が多く「↑山急山」の道標が付けられている。割れ目を過ぎてからが一気に急登となる。滑りやすい急斜面で立木や根に掴まりながら高度を稼いでいく。喘ぎながら登っていくと山急山本峰と南峰(地形図による五輪岩)の鞍部に着く。鞍部には雪が付いていた。立木に「下山道↓」と書かれた道標が目に付いた。北は榛名山、更に赤城山が遠望できる。

南峰

南峰から本峰を望む

ミニ丁須岩
 南峰を目指して先ずは右に進路を取る。人の背丈ほどの浸食された岩から右に進むと南峰だ。雪の残る痩せた岩場を慎重に進むとその先端に出る。西方には目指す本峰が近くに見えるし、その左に雪を被った浅間山が大きい。山急山本峰を間近に眺めるには絶好の場所であろう。展望を楽しんだ後、鞍部に戻り本峰を目指す。 稜線とは言うものの本峰へはもう一度急峻岩場を上がらなければならないようだ。稜線上の道はすぐ左に岩を巻くようになり南に競り出た支稜を越える。オーバーハング気味の岩壁基部を巻いていくとルンゼとなり、やがて十数メートルの虎縄の助けを大いに借りて上りきると最上稜線となる。見晴らしの良さそうな岩峰を左から巻き(上れる)、緊張する草付きを50cm程の虎縄や灌木につかまって登ると肩の見晴らしに出る。山頂は直ぐそこだ。灌木の中の平坦な道をわずかで待望の山頂に着く。南峰の後ろには裏妙義、三等三角点と「上州松井田町 山急山991.9m」と書かれた山頂標識がそこにあった。振り返れば先ほどの岩峰が空に突き出していて見事だ。

山急山頂上

見晴らしの岩からの展望

立木の道標
 平坦な稜線を進むと登山道は一気に落ち込む。急斜面を左側に向けて少し雪の残る道を慎重に降りていく。虎縄の助けを借りて下ると急斜面に氷柱が出来ている。さらにその下に虎縄が続いているが右に巻道がありそちらから降りていく。目の前に岩峰が現れ一登りしてみる。西側の眺めが大変に気持ち良い。北に目をやれば榛名山から浅間隠山・鼻曲山・浅間山さらに矢ヶ崎山から妙義山塊の盟主谷急山までの展望が楽しめる。紅葉を眺めるには絶好の場所だと思った。展望の岩峰を下ると山急山の基部だ。裾を回り込むように青テープが付いているし、直線的に直ぐ下の鞍部に向かっても赤テープが付いている。  基部の裾に沿って青テープを辿ると稜線鞍部下の割れ目に戻ってしまった。犬連れの人の後ろ姿を見た場所だ。予定していた下山路と違うため引き返して赤テープの鞍部に降りてみた。テープは先の峰に続いているが左の落葉が堆積している急斜面にもテープが付いている。急斜面を降りてみることにした。少し降りると立木に白ペンキで「←小柏 山急↓」と書かれていた。明確な踏み跡はないが滑り落ちるように降りていくとやがて明らかな登山道らしくなってきた。テープはやや距離を開けて付けられている。下るほどに踏み跡は確かとなりペンキも現れてきた。やがて杉林に入りテープに導かれながら下ると駐車しておいた登山口地点に無事に着いた。
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