安達太良山
あだたらやま
1699m
福島県
登山日 2006年10月15日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 薬師山頂駅(9:00)…仙女平分岐(9:40)…山頂直下(10:15)…乳首(10:25-:40)…牛ノ背(11:00)…峰ノ辻(11:15)…くろがね小屋(12:10)…勢至平(12:35)…奧岳P(13:30)

薬師岳から望む安達太良山
 奧岳の駐車場には観光客が続々と到着していた。混んでいたら、くろがね小屋からの逆回りを考えていたが「あだたらエクスプレス」は待ち客も少ない。予定通りゴンドラリフトを利用して登ることにした。歩けばおよそ80分ほどの行程だ。宿で入手した割引券を利用して\800を支払い6分で標高1350mを稼いでしまう。乳首まで標高差350m程度だ。時間にして1時間余りの道のりとなる。またまた楽チン登山だ。
 ところがそこに落とし穴が待っていた。山頂駅に降り立つとハイカーでごった返している。登山口から渋滞でとても自分のペースで歩けるような状態ではない。歩き始めて5分ほどで薬師岳展望台に到着。山頂とは別の地点である。この広場からは安達太良山の稜線が一望できる。山頂を乳首山と呼ぶそうだが当を得た命名と思う。

低木樹林帯を行く
 登山道は五葉松と石楠花の低木帯だ。足元には木道が敷かれすれ違うには狭い登山道となっている。完全に列の波にのまれて歩くしかない。傾斜は緩やかでゆっくりとした歩きになっている。紅葉のピークは過ぎ茶色が目立つ道である。やがて石がゴロゴロとした広場に出る。石に腰かけて休憩しているハイカーが多い。その先には仙女平分岐があった。ここぞとばかり先を急ぐが、やはり大渋滞には変わりなく一列になってノロノロと進むだけであった。
 分岐からは傾斜を増し進み具合も遅くなったような気がした。振り返れば登山道をハイカーの列が切れることなく続いている。宿のオーナーが言っていたがもはやここは観光地である。静かな山歩きは叶わないのであろう。 

主稜線

乳首直下

船明神山方面
 やがて低木帯を抜け足元がガレ場になってくると乳首が目の前に現れた。乳輪は多くのハイカーで一杯だった。とにかく上っておくことにした。途中ちょっとした鎖場があり交互通行になっているため、ここでもずいぶん待たされることとなった。ようやく立つことが出来た山頂からは安達太良連峰が一望である。昨日上った吾妻山も機嫌がいいようだ。山頂からの下りはコースを変え、牛ノ背方面へ梯子のかかる岩場を下りた。道は一気に様相を変え植生のない稜線を行く。牛ノ背からは沼ノ平の噴火口跡がまるで別世界のように眼前に広がった。

峰ノ辻からくろがね小屋へ向かう
 牛ノ背から馬ノ背経由で鉄山へ行くコースはパスして峰ノ辻へ下る。登山道は湧き出る水で濡れている。峰ノ辻からは勢至平コースとくろがね小屋へのコースとに分岐する。全山紅葉になるというのは勢至平から五葉松平周辺のようだ。残念ながら紅葉の最盛期は終わっており、くろがね小屋付近の紅葉が見頃を迎えているとの情報である。また小屋周辺の紅葉は当たりはずれがないとも言われているようだ。分岐から乳首を振り返りくろがね小屋に向かって下りていく。
 緩やかな下りを勢至平方面の紅葉を楽しみながら歩いていく。傾斜がきつくなった頃にはくろがね小屋が見えるようななる。小屋周辺の山肌を飾る紅葉は見事なものだった。何とか鮮やかな紅葉を目に焼き付けることが出来た。小屋を見下ろす台地で昼食にした。見上げれば牛ノ首が高い。
 くろがね小屋からは緩やかで道幅の広い林道を下っていく。まさに紅葉が見頃だ。勢至平からの道を合わせ、さらに歩いていくと旧道との分岐に出る。馬道と呼ばれる広く緩やかな林道とは違い旧道は従来の登山道である。直線的に続くため時間短縮が図れる。烏川橋を渡ってわずかで奧岳に着いた。これで福島県の山旅はひとまず終了だ。

くろがね小屋を見下ろす
inserted by FC2 system