吾妻山
あづまやま
2035m
福島県・山形県
磐梯山より望む吾妻連峰
登山日 2006年10月14日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 ロープウェイゆもと(8:25)…北望台(9:25-30)…人形石(10:05-10:10)…梵天岩(11:00-:10)…吾妻神社(11:17)…西吾妻山頂上(11:40)…西大巓(12:25-13:30)…ゴンドラリフト山頂駅(14:45)…ホテルグランデコ(15:00)

北望台
 白布温泉にある天元台ロープウェイ駅まで送ってもらい、帰りはグランデコまで迎えに来てもらう有り難い山行きだ。
ロープウェイとリフト3本(¥1500)を乗り継いで北望台に立つ。標高1820mで山麓駅から標高差900m、時間にして2時間ほどを一気に稼ぐ。吾妻連峰最高峰の西吾妻山2035mとの標高差はわずかに215m。楽チン登山じゃ。ロープウェイ終点の天元台には長命水があり水の補給が出来る。ペンション村とかもあり広い台地になっている。リフトの終点が北望台だ。リフトを降り振り返ると西に飯豊連峰、北には朝日連峰その右手に月山が雲海に浮かんでいる。あいにく蔵王は雲海に埋もれていた。
 北望台からは展望がよいと言われる人形石を目指す。登山道に入ると直ぐに分岐だ。直進すればかもしか展望台、ここは道標に従い左折する。展望のないコメツガの林だ。北アルプスに雪を降らせた低気圧の影響だろうか、時折倒木があり登山道を塞いでいるがバイパスがつくられていて歩くのには問題はない。傾斜の緩やかな登山道である。やがて人の話し声が聞こえてくるようになるとゴロ石の台地に出た。人形石である。先ずは展望を楽しみながら一息入れる。最も背の高い岩が人形石だそうだ。東には吾妻連峰の主稜線や弥兵衛平を望め、中吾妻山が大きい。西に目をやればゆったりとした平らな西吾妻山も見える。
人形石

人形石付近から西吾妻山を望む
 この吾妻連峰はどっしりとした大きさを感じる山だ。ちょうど湯ノ丸山をいくつも並べたような感じだ。まさにお山と呼ぶのが相応しい山である。
 人形石からはハイマツと笹に覆われそうな低木樹林帯の木道を行く。低木帯を抜けると光り輝く草モミジの中を歩くようになる。所々に池塘があり、下りきったところが大凹(おおくぼ)の湿原だ。水場を過ぎると露岩の急登となる。大股で登りきると池塘群があるいろは沼に出た。ここで大型バス2台ほどの団体と一緒になってしまった。梵天岩へ長蛇の列が続き10分ほど足踏み状態が続いた。人人人である。

飯豊連峰を望む

梵天岩と吾妻連峰東側

西吾妻山頂上
 列に埋もれてやっとの事で梵天岩に立つことが出来た。最も高い岩の上に立つと再び大展望が現れた。天狗岩も見えてきたぞ、とにかく一息つこう。展望のある道を行けば直ぐに天狗岩だ。ここも人形石以上にゴロ石の場所だ。この広場の一角に吾妻神社が置かれている。登山の安全を祈願しておいた。さて、団体の列に埋もれないように西吾妻山の山頂を目指す。一旦下ってからコメツガなどに覆われた樹林帯に入る。道はぬかるんで滑りやすい。傾斜の緩い道を足早に進むと全く展望のない西吾妻山の山頂に着いた。

西吾妻小屋
 記念写真だけ撮って必要もないが先を急ぐ。西側に下っていくと湿原となり木道が敷かれている。その中にカマボコ型をした西吾妻小屋が静かにたたずんでいた。天狗岩からは山頂を経由しないルートもあるようだ。さて、西大巓(にしだいてん)へ向かおう。再び下る。西大巓に向かう道は人形石から大凹を経て梵天岩へ登った道のようだ。山腹を横切って道は続いている。鞍部に水場があるが水量の少ない沢水でとても利用する気にはならなかった。

西大巓から望む西吾妻山
 ガレた道を登りきると西大巓の頂上に出た。ちょうど辺り一帯ガスの中で展望が全くない状態だった。腰を下ろし昼食とした。徐々にガスが薄くなり檜原湖をはじめとする裏磐梯の湖沼群が姿を現しだすと、続いて磐梯山が墨絵のように見えてきた。磐梯山の左手には猪苗代湖も見える。右手には雄国沼もはっきりと見ることができた。最後まで愚図っていた安達太良山もようやく姿を現した。下山に先立って宿に迎えの電話を掛けた。山頂から南側のデコ平に下りるのだ。

西大巓へ続く道

青空とダケカンバのコントラストを楽しむ
 ガレ場を過ぎると展望のない急斜面の樹林帯に入る。道はぬかるんで木の根が張りだし露岩もあることから歩きにくい道だ。ここを上り下りするハイカーは少ないようでようやく静かな山歩きを楽しむことが出来るようになった。1600m付近まで下りてくると展望がなかった樹林帯が切れデコ平が見えてきた。樹林帯から解放された道は広く、露岩の赤ペンキを頼りに下っていく。振り返れば綺麗に晴れ渡った青空にダケカンバの黄葉が映える。紅葉を楽しみながら歩くとパノラマゴンドラの山頂駅、展望園地に着いた。\800を出して眼下の紅葉と周囲の山々の展望を楽しみながらゴンドラで山麓駅まで一気に下る。待つこと少しで迎えの車が到着した。上りも下りも文明の利器を利用した楽チン登山だった。
 今回は吾妻連峰の西の端を歩いたに過ぎない。出来ることならば縦走してみたい山だ。高原台地が連なった様な大きな山塊が吾妻山である。
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