仙ノ倉山
せんのくらやま
2026m
みなかみ町
平標山から望む仙ノ倉山
登山日 2006年9月25日(晴れ) しんぷる
行 程 元橋駐車場(6:50)…鉄塔(7:45)…松手山(8:20)…平標山(9:20-25)…仙ノ倉山(10:05-11:05)…平標山(11:50)…松手山(12:40-45)…鉄塔(13:05)…元橋駐車場(13:45)

松手山から望む平標山への稜線
 元橋から2度目の仙ノ倉山だ。今年6月の縦走の際に山頂を踏んでいることを加えれば3度目になる。過去2回とも山頂はガスの中で展望には縁がなかった。万太郎山から仙ノ倉山の稜線は最初に万太郎の山頂を踏んだときに見ているはずなのだがほとんど記憶にない。仙ノ倉山は谷川連峰の最高峰である。
 元橋の駐車場に着いたときは2台の車があっただけ。平日であり中途半端な時期でもあることから、普段は一杯の駐車場も今日は閑散としている。今年は平標山避難小屋と山の家が建て替えられることになり工事の真っ最中だ。終日ヘリが荷揚げに活躍している。11月には工事も終了し来年からは利用できる模様だ。
 元橋の登山口からは階段混じりの急登が続く。先ずは送電鉄塔が目標になる。遠くに見えるわけでもないのだが1時間ほどかかる。再び樹林帯に入り急登を行くと森林限界を抜け松手山の道標が見えてくる。ここまで来ればしめたもので平標山への稜線が眼前に大きく開けてくる。しばらくは緩斜面を進み階段混じりの急登を上れば気持ちのいい稜線歩きで平標山の山頂に着く。
 花はフシグロセンノウが最初に目に入った。アキノキリンソウやアザミ、サラシナショウマ、ウメバチソウ、マツムシソウなどが申し訳程度に咲いているだけだ。仙ノ倉へ向かう途中のお花畑には全く花はなかった。
 振り返れば苗場山が近い。南方は雲海が広がり、遠く浅間山、八ヶ岳、南アルプスさらに富士山が雲海の上に頭だけ出していた。北方面は雲はなく巻機山がどっしりとした山容を見せている。その背後には越後三山がうっすらと見える。平ヶ岳、燧ヶ岳、至仏山、日光白根などが逆光の中に雄姿を見せている。

平標山を振り返る

仙ノ倉山(左から2番目のピーク)
 既に紅葉が始まっていた。見上げる青空に浮かぶ雲は秋の雲。風もいつの間にか秋の風になっている。ああ、気持ちが良いなあ。心がワクワクしてくる。早く仙ノ倉へ行って、その先を見てみたい。今日ならきっと大丈夫だろう。
 上越のマッターホルン大源太山は小さいなあ。標高が1600足らずで山自体も小さいため明らかに見下ろしている。茂倉岳、一ノ倉岳、武能岳もクッキリと山肌をさらしている。草モミジと言うには物足りない登山道を行くと仙ノ倉の手前のピークに立つ。山頂へは階段が白く続いている。ようやく仙ノ倉山の山容をはっきりと見ることができた。感謝だ。一旦鞍部に下り階段を上り返すと、待望の仙ノ倉山頂上に立つことが出来た。

木道が続く
 3度目の登頂でようやく展望を楽しむことが出来た。すでに雲海はなくなりシルエット的だが360°の展望だ。ここから望む皇海山は綺麗な三角錐をしているなあ。縦走時には全くガスの中だったエビス大黒ノ頭がクッキリとその姿を見せている。そして万太郎山が尾根を従えてやけにおとなしい姿で目の前にある。このピークへと続く険しい稜線が今こうして目の前にある。万太郎山の後ろにはトマの耳がはっきりと見える。見飽きることのない展望を十分に味わうことが出来た。何一つ物音がしない静かな山頂。まさに至福の一時である。

山頂道標

エビス大黒ノ頭

万太郎山へと続く険しい稜線
 このままあと6時間も歩けば肩の小屋に着きそうだ。およそ10Kmの稜線歩きだ。一瞬行ってみようかと思ったが直ぐに正気に戻った。平標山の家の工事現場でも見ながら下りようかとも思ったが、これも止めた。日光の関係で始まったばかりの紅葉が輝き始めていた。平標山へと続く道をのんびりと戻った。かつて利用されていたショットカットコースの跡がクッキリと残っている。とにかく自分の中でようやく縦走路が繋がった気がした。山登りを止めるまで谷川には楽しませてもらおうと思った。
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