金峰山
きんぷさん
2599m
山梨県
川上牧丘林道から望む金峰山、右は鉄山
登山日 2006年9月17日(曇り一時雨) しんぷるライフ娘息子
行 程 大弛峠(9:47)…朝日峠(10:14)…朝日岳(10:40-45)…鉄山(11:06)…賽の河原(11:23)…金峰山頂(11:32-12:18)…朝日岳(13:06)…朝日峠(13:33)…大弛峠(13:55)

夢の庭園から望む金峰山(再奥)と朝日岳
 雨の鳳凰山へ登ったときに途中から金峰山がよく見えていた。鳳凰山ではなく金峰山に登れば良かったと思ったときから気になっていた山だ。甲武信岳も比較的近い位置にある。金峰山に登るにはいくつか登山道があるようだが、最短手軽な大弛峠からのコースを選んだ。標高2360mの大弛峠は車が通る日本一高い峠であり、標高2599mの金峰山との差は240m程である。問題は大弛峠までアクセスである。長野県側からはダートコースで道が荒れているとのことである。山梨側からのアクセスでは距離がありすぎる。しかし1998年に雁坂トンネルが開通し埼玉県を経由して直接山梨県に出られるようになっている。このトンネルは一般国道としては日本最長であると共に、この上を通る雁坂峠は日本三大峠の一つにあげられている。ちなみに日本三大峠とは針ノ木峠(北ア)、 三伏峠(南ア)、 雁坂峠(秩父山脈)だそうだ。

大弛峠
 台風の影響で秋雨前線が活発な中、雨を避けて秩父山脈大弛峠を目指した。雨さえ落ちなければいいと思いながら雁坂トンネルを抜けると青空が見えるではないか。天気予報はあまり当てにならないと改めて思った。約200Kmの道のりと4時間を費やしてようやく登山口である峠に着いた。駐車場は既に満車状態で長野県側のダート部分に止めて歩き出した。 
大弛小屋

シラビソとダケカンバの森を行く
 薄日の差すシラビソ等の針葉樹の生いしげる林に入っていく。平坦な道も束の間で直ぐに上りになる。残念ながら展望はない。足元には既に花はなく、キノコが目立つような道だ。短い急登を終えて小さなアップダウンを繰り返して快適に標高を稼いでいくと窪地にでる。ちょっとした広場になっていて朝日峠の標柱とケルンがおかれ、更に傾いたダケカンバの巨木が主のようにたたずんでいる。ベンチも置かれていたが休むほどのこともないので先を急ぐ。青空が消えガスが流れ始めてきた。あと2時間早く着いていればの思いと、もともとこんな天気のはずだったわけだからとの思いが交錯する。

朝日岳の東肩
 再び道は急になってくるが大したことはない。前方が開けてきたと思うと朝日岳の東の肩に当たる岩場に着いた。ここは樹林帯から抜けていて展望が楽しめる場所だ。ガスの中で残念だがここで一息入れる。

枯れたシラビソの木
 ここから立ち枯れた木の間を縫い、シャクナゲに被われる道を行くと朝日岳山頂だ。山頂標識の前を横切っていくと、再び展望の良さそうな場所に出る。立ち枯れた林を見ながら唯一ザレた急斜面をジグザグと下っていく。それもわずかで深いシラビソの林となる。鉄山は北を巻いて進む。やがて多くのシャクナゲが登山道脇を賑わせると森林限界に達した。

山頂へと続く登山道
 そこには幾つものケルンが積まれ、なんとなく荒涼とした印象を受けた。賽の河原である。道は山頂に向かい左に折れ、ハイマツの間を行くと途中からは巨岩の上を歩くようになる。踏み跡を辿り岩の洞門を抜けると、そこが金峰山の頂上だった。山頂標柱の前には三角点が置かれていた。
金峰山頂上

金峰山の象徴 五丈岩(石)
山頂は狭く風もあるため五丈岩方面へ進み、風のない岩陰にザックを下ろし休憩とした。五丈岩はガスに霞んでいた。
 五丈岩(石)は金峰山のシンボルである。5丈であるからおよそ15m程の高さがあると言うことだろう。見る方向によってまるで違う造形物のように見えるという。岩の前の広場には山梨百名山の標柱や登山道をを示す道標や展望方位盤が置かれていた。
 息子が岩に挑戦してみたが途中で断念した。おそらく登れるのであろうが、下りに不安がつきまとったようだ。妻や娘は岩には全く興味がないようだった。(笑)
 金峰山での展望を楽しめなかったのは残念だったが、久しぶりに家族揃っての山行きができて有意義な1日を過ごせた。山頂で小雨に降られたが天気は何とか持ってくれた。大弛峠からは悪路と書かれている道を長野県側に下りてみた。確かに悪路ではあるが、注意深く通れば腹をこすることもなく40分ほどで通過することが出来る。十国峠を越え上野村の浜平温泉「しおじの湯」に立ち寄って帰路についた。
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