谷川岳〜平標山
主稜線縦走
たにがわだけ〜たいらっぴょうやま

みなかみ町・新潟県市
水上ICから望む谷川岳
登山日 2006年6月24〜25日(晴れのち曇り) しんぷる、HK
行 程 巌剛新道登山口(9:55)…第一見晴(10:40)…ガレ沢の頭(12:10)…肩の小屋(13:40-14:00)…オジカ沢の頭(15:10)…大障子避難小屋(16:15-5:30)…万太郎山(06:50)…毛渡乗越(7:55)…エビス大黒の頭(9:30-9:40)…仙ノ倉山(10:45-11:35)…平標山(12:30)…松手山(13:35)…元橋(14:50)

巌剛新道から望む谷川岳
 新しくなった谷川岳ロープウェイは保守点検のため運休となっていた。HKは一足先に土合駅から西黒尾根を登っている。マチガ沢出合手前の巌剛新道登山口前の駐車場は観光客等の車で満車状態である。避難小屋泊まりのため用意したザックがズッシリと肩に食い込む。多くの雪渓が残るマチガ沢沿いに登っていく。ヨタヨタしながらゆっくりと高度を上げて第一見晴で一服だ。
 小さな沢に残る雪渓をロープを頼りに渡ると岩場が多くなり、やがて展望に優れる小さな岩のテラスに出る。そこに腰を下ろし軽く腹ごしらえだ。天気は上々白毛門〜朝日方面、蓬峠から清水峠への稜線に多くの残雪が見える。その先には巻機山が大きい。

氷河の跡
 数ヶ所の鎖と梯子を過ぎ、傾斜が緩んでくるとガレ沢のコル(ラクダのコル)で西黒尾根に合流する。HKはどうしたろうか、すでに合流場所の肩の小屋に着いているのではなかろうか。しかし随分と時間がかかったものだ。重いザックのせいかなあ。しばらく緩斜面を歩いた後、登山道脇の岩に腰を下ろし巻機山方面を眺める。あの山に再び登ることがあるんだろうか。
 今日の西黒尾根は若者で一杯だ。普段は若い部類に入る私も今日ばかりは中年のオジサンである。
 やがて尾根が広がり露岩とガレ場の登りとなる。登山道脇にはキバナノコマノツメ、ハクサンイチゲ、ホソバヒナウスユキソウ、ハクサンコザクラなどが目に留まる。氷河の跡を過ぎ、ザンゲ岩への道標の脇をいくとHKの後ろ姿が目に入った。肩の小屋へ着く前に合流となった。

オジカ沢ノ頭を望む
 雪渓を過ぎれば肩の小屋。やれやれ、冷たいはずのビールを注文だ。このところロープウェイが運休のために登山客の数がめっきり少ないと言うことだ。比較的静かな谷川岳を楽しむなら、この間がねらい目かもしれない。20分ほど休憩をして今夜の宿泊地大障子避難小屋を目指す。オジカ沢ノ頭から俎ー山稜、さらに川棚ノ頭へと続く稜線は見慣れた展望ではあるが、見飽きることのない素晴らしい展望だと思う。
 笹原の中に切れた一筋の道を下っていく。足下にはハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマなどが咲き乱れている。しかしながら天気が徐々に悪くなりガスがかかってきた。中ゴー尾根の分岐を過ぎ、オジカ沢ノ頭への登りとなる。まずまずのペースで頂上に立つ。昨年わずかに残されていたオジカ沢ノ頭の道標は跡形もなくなっている。やはり木製のものは谷川連峰の風雪に耐えられないのかもしれないなあ。ただ、「マツダランプ」はずっと残っているから不思議である。

赤谷川本谷に残る雪渓

仙ノ倉山頂を望む

平標山への稜線
 徐々に展望がなくなってくる。標柱の残骸が残る小障子ノ頭を過ぎて下っていくと、ガスの中に大障子避難小屋が見えてきた。中には2人の先客がいる。水場は雪渓の下部にあるらしいが、下りていくには危険と思われた。結局、雪渓の上部まで下りていき雪を削り取ってきた。主稜線では最も規模の大きい大障子避難小屋は4人でゆったりと利用することが出来た。
 夜の間中白いガスが流れていたようだ。ホワイトアウトのなか避難小屋を出発する。大障子ノ頭を過ぎ、ひたすら続く一本の道を行く。時折薄くなるガスの中に赤谷川源流のわずかな展望があるだけだ。吾策新道への道を分けて3回目の万太郎の山頂に立つ。
 さて、ここからが仙ノ倉までが未踏の領域だが、残念なことに展望は全くない。最初に訪れたときの記憶をたどりながら、ひたすら毛渡乗越への下り道を行く。高度を比較するものがなくただ淡々と歩くこととなり、返って楽な行程となったかもしれない。道は草付きでズボンが露でびっしょりだ。植生が変わりスゲやギボウシなどが多い下りの道である。越路避難小屋の前を通過、さらに下ると最低鞍部の毛渡(けど)乗越だ。ここは川古温泉方面への分岐に当たるが、道が不明瞭でよくわからない。ガスがなければ見えるのか気になるところだ。
 エビス大黒への登りもぼんやりと直近のピークが見えるだけだ。ピークを踏めば次のピークが現れる。先が見えないだけに返って足が進むこともあるのかもしれない。一部緊張する痩せ尾根を越えて鉄柱が残されたエビス大黒の頭に立つ。少し下って避難小屋を過ぎれば主稜線最高峰の仙ノ倉山への登りだ。 時折ガスが切れ東斜面のお花畑が姿を見せる。ゆっくりと登ればゆったりと広い山頂に多くのハイカーが見える。傾斜が緩んだ道をヨタヨタと行けば、やはり展望のない。仙ノ倉の山頂に着く。以前この山頂を踏んだときも、やはりガスで展望がなかったことを思い出した。又来よう、近くてよい山、谷川よ。

平標山を振り返る
 山頂の一角に腰を下ろして昼食とした。ここまで来るとまるで観光地のようにハイカーの数が多い。山頂での賑わいは好きではないが、しかし、仙ノ倉から平標へと続く稜線の風景は好きだ。その間は花畑となっている。ハクサンイチゲが多いなあ。ハクサンコザクラ、ヨツバシオガマ、オノエラン、ハクサンチドリなどその数に圧倒される。展望には恵まれなかったが、まさに百花繚乱、満足のいく歩きだ。 途中、珍しい白花のヨツバシオガマが咲いていた。やはりいつ来てもハイカーで一杯の平標山頂上だ。のんびりと過ごす気持ちはない。平標山からは松手山経由で下山だ。時間はかかるが、平標山小屋から平元新道を歩くよりは楽しいだろう。松手山付近で膝が痛み、ヨレヨレになって元橋まで下りた。核心部での展望に恵まれず心残りではあったが、あこがれの主稜線縦走が果たせて良かったと思った。バス停に座り込み湯沢駅へのバスを待った。HKは疲れた様子を全く見せなかった。
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