薬師岳
やくしだけ
974m
東吾妻町
登山日 2006年2月14日(晴れのち曇り) しんぷる
行 程 駐車地点(11:10)…道標(11:17)…13号鉄塔(11:28)…東電道路(11:47)…林道峠(12:14)…薬師岳頂上(12:53-13:55)…林道峠(14:38)…13号鉄塔(15:25)…駐車地点(15:42)

電牧線で遮断された林道
 「吾妻の里」を右折、鉄道を渡り13号鉄塔を目指す。ところがまたもや工事中。決まって冬場に工事をしているようだ。しかし地図を見ると迂回路があるではないか。何とか姉山地区に入り込んで再び13号鉄塔を目指す。ところが林道は積雪のためかイノシシによる被害を防ぐためかゲートと電牧線で閉鎖されている。仕方なく少し戻って路上駐車した。電牧線を跨いで通過しなおも舗装された林道を歩いていく。日陰の林道は薄く積もった雪が融けた後凍っている。アイゼンがあれば安心だが今日は準備していない。極力柔らかそうな雪の上を選んで歩く。一体どのくらい歩くのだろうか、出足が遅いだけに気がかりである。

吾嬬山への道標
 すると吾嬬山への道標が現れた。13鉄塔へ続く東電の巡視路である。その先には何故か軽トラが止まっているではないか。不思議に思いながらも道標に従って巡視路に入っていく。すると、年配の男の人が上から下りてきた。
「どこ行くんだい。」「山。」
「吾嬬山かい。」「そう。」
「それなら鉄塔まで乗せていってやろう。」「いや、歩いていってみます。」
わざわざ乗せてもらうのも悪いと思ったのだ。

東電巡視路
 巡視路はえぐれてはいるが広い道でなかなか快適である。松林では落ちた松葉が敷かれていたし、次には杉檜の林だ。そして雑木林と変化に富んでいる。その度道の落ち葉も変化しして面白い。まあ林道を歩くだけでは面白みがないだろうという配慮なのか、吾嬬山への登山道は途中まで東電巡視路を利用している。やがて鉄塔が見え隠れするようになると、ようやく本来の登山口に近づいてきたと思った。鉄塔の左脇を通って再び林道に出た。するとどうだ、先の軽トラが止まっているではないか。ついでだったのだ。

13号鉄塔上部の巡視路入口
 13号から12号への巡視路は営林された道である。杉の幼木が植林され雑木が切られているが時代錯誤ではないだろうか。南斜面であり展望もなかなかある。榛名山、浅間隠山などが間近にある。節分が過ぎ三寒四温で暖かくなっていくのだろうが、今日は四月並の暖かさだという。フリースを脱いだ。それでも汗がにじんでくるので腕まくりをした。鳥のさえずりも聞こえてくる。黒いプラスチック製の階段を上っていくと12号鉄塔近くの東電道路に出た。
 正面の道標には「吾嬬山まで ←1.5Km約50分 →2.5Km約1時間10分」とある。不思議に思った。右は薬師岳ではないのかと。しかし直ぐに疑問は解けた。林道峠は吾嬬山登山口でもあるのだ。ここ数年で南の尾根伝いに新しい登山道ができたようだ。峠に向かってごく緩やかな上りの道を右に歩き出す。東電道路には立枯れたススキがうるさい位に残っている。

東電大竹線上の吾嬬山への道標

東電大竹線

薬師岳を望む(左奥)
 展望が大きく開け妙義山・西上州の山並みまでがはっきりと見て取れる。そして前方には目指す薬師岳が呼んでいる。12号鉄塔の下を通り、涸れた水場を過ぎ展望を楽しみながらのんびりと歩いていく。道が下り出すとわずかで見覚えのある峠に着いた。吾嬬山に登ったときに降り立った場所である。北に少し進めば高田山が近く、上越の山並みの展望がよい。

林道峠

広場を入っていく

稜線歩きが続く
 薬師岳へはススキの広場を入っていく。すると広い道が尾根の右手に付いている。道は雪が残っている場所もあるが、全体に落葉に敷き詰められ快適な稜線歩きとなっている。立木が邪魔ですっきりとした展望はないが、谷川連峰をはじめ、武尊山・至仏山など歩くに連れ変化に富んだ展望を楽しむことが出来る。

薬師岳山頂
 道は何度となくアップダウンを繰り返し進む。赤ペンキの類が切れ目なく付けられている。稜線を忠実に進めば迷うことはないだろう。ピークを右に巻こうとすると迷う原因になる。中之条と東吾妻町との境界線をすすむ。途中急な直登を立木に掴まりながら登る。振り返れば吾嬬山が見える。左手には浅間山や四阿山などが望まれる。
 山頂手前の小さな鞍部からは、榛名山の手前に岩櫃山の北面を見下ろす。鞍部の直ぐ先には薬師岳の山頂があった。石塔と石祠が置かれている。近くの立木には山頂標識が打ち付けられている。立木が邪魔で展望には優れない。吾嬬山のほうが展望がよい。完全な無風状態に近く静かで暖かな山頂だ。腰を下ろしのんびりとした時間を過ごした。
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